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パワードコム、平成16年度決算を発表――再建完了を宣言

2005年05月11日 23時55分更新

文● 編集部 伊藤咲子

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パワードコム(株)は11日、平成16年度決算(2004年4月1日~2005年3月31日)を発表した。同社は東京電力(株)系の通信会社で、主力製品は法人向けの広域Ethernetサービス“Powered Ethernet”。パワードコム単体での業績は、売上高が1175億円、経常損失が7億円、当期純損失は803億円、グループ連結での業績は、売上高が1805億円(前期比14.7%増)、経常損失が38億円、当期純損失は838億円となっている。

パワードコムは平成15年度(2003年度)の連結決算で経常損益が118億円の赤字を記録、2004年3月末には有利子負債残高が2506億円となるなど業績不振が続いていた。平成16年度の決算では、上期の途中(6月)で代表取締役社長兼CEOに就任した中根 滋氏が率いる新体制の手腕に注目が集まった。

代表取締役社長兼CEOの中根 滋氏 代表取締役会長兼取締役会議長の北里光司氏
代表取締役社長兼CEOの中根 滋氏代表取締役会長兼取締役会議長の北里光司氏

パワードコム単体の営業損益を上期下期に分けると、平成16年度の下期は営業利益67億円を達成し、上期の営業損益41億円を補った。有利子負債残高は、2004年6月に2601億円に達したが、2005年3月末の時点で1467億円になり2004年6月の44%が削減された。

状況が改善した背景としては、9月、財務体質の改善を目的に、減損会計の早期適用による固定資産帳簿価額の適正化、減資および、900億円の第三者割当増資を実施。同社の売上高の約70%を占めていたインフラコスト(競合は40%という)は、減資と設備投資のJIT(Just In Time)化によって44%にまで縮小された。また一方で、「最初から最後までお客さんがど真ん中の“超顧客主義”」(中根氏)を掲げて、原価競争力の改善、パワードコムの経営管理手法や業務プロセスの確信、人/スキル/組織の強化を行なった。下期の設備投資額は86億円。設備投資のJIT化と“死筋(しにすじ)製品の整理”によって、投資額自体は減少しているが、主力の光ファイバー関連投資額は同規模となっている。

コスト構造を改善 財務体質の改善状況
コスト構造を改善財務体質の改善状況
設備投資の状況 法人固定通信事業のボリューム
設備投資の状況法人固定通信事業のボリューム

中根氏、代表取締役会長兼取締役会議長の北里光司氏は、下期においてパワードコム本体の経営再建は完了したと宣言した。中根氏は「下期の成長は構造問題の解決によるもので、持続効果がある」と展望を述べた。平成17年度(2005年度)のパワードコム単体の目標は、売上高1300億円、経常損益130億円で、ネットワークの信頼性の指針となる可用率が99.999%を誇るというPowered Ethernet事業の強化、商品ラインナップの拡充と高機能化をはかる。また事業領域の拡大に向け、国際営業の強化、他通信事業者に対するホールセール事業の強化、光ファイバーインフラ事業の開発などにも積極的に取り組むという。グループ連結での目標は、売上高2174億円、経常利益217億円。

1-{延べ停止時間の月合計÷(平均運用端子数×運用時間)}×100

平成17年度の製品ロードマップ
平成17年度の製品ロードマップ

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