このページの本文へ

前へ 1 2 3 次へ

ソニー、2005年夏モデルの“VAIO”ノート新製品を発表――基本スペックの向上が中心。人気のtype FにTVチューナー搭載ポートリプリケーターも登場

2005年04月12日 15時00分更新

文● 編集部 小西利明

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

ソニー(株)は12日、2005年夏モデルとなるVAIOシリーズのノートパソコン、3シリーズ10機種(店頭モデル)を発表した。いずれも価格はオープンプライス。各シリーズの従来路線を継承し、基本性能を向上させた製品が主体となっている。また従来は“type E”シリーズが担っていたエントリー~ミドルクラスのTVチューナー搭載2スピンドルノートの路線は、ハイエンドAVノートである“type A”に集約された。

大人気のワイドスリムノートに
TVチューナーオプションが登場! VAIO type F

VAIO type F『VGN-FS71B』
VAIO type F『VGN-FS71B』

2005年春モデルで登場し、スリムボディーにワイドな液晶ディスプレーを搭載して一躍人気商品となった“VAIO type F”シリーズの新商品は、基本性能の強化を中心とした変更に加えて、TV録画機能を提供する専用の“テレビポートリプリケーター”『VGP-PRFS10V』がオプションとして追加された。

テレビポートリプリケーター『VGP-PRFS10V』。予想実売価格は3万円前後
テレビポートリプリケーター『VGP-PRFS10V』。予想実売価格は3万円前後

コンセプトである“ワイド&スリム”路線はそのままに、type Fシリーズが選んだ進化点は“TV録画”への対応だった。初代のtype Fはコンセプトを貫きつつ価格をリーズナブルに抑えるために、人気の機能であるTV録画を敢えて省いた製品だった。しかしtype Fの購入者からもTV録画へのニーズは高かったとのことで、今夏の新製品と共にMPEG-2エンコーダーを搭載したTVチューナー内蔵ポートリプリケーターを発売することで、TV録画機能への対応を行なうこととなった。テレビポートリプリケーターはあくまでも別売りオプションで、本体とセットにしたモデルはない。セット販売モデルがあってもよかったのではないかと感じる。また春モデルのtype Fでは、残念ながらテレビポートリプリケーターは使えないとのことだ。

テレビポートリプリケーターの内部には、アナログTVチューナーとMPEG-2エンコーダーチップが搭載されている。MPEG-2エンコーダーチップには、3次元Y/C分離回路やデジタルノイズリダクションが備わっている。高画質化ソフトウェアの“Motion Reality LE”などは備えない。映像入力系はVHF/UHFアンテナ入力に加えて、Sビデオ入力やコンポジットビデオ入力(ピンジャック型)も搭載する。TV視聴・録画用ソフトには、本体にプレインストールされている『Do VAIO』を使用する。またインターフェース類として、USB 2.0×4、10/100BASE-TX、外部アナログディスプレー端子、角形光デジタルオーディオ出力端子なども搭載している。

本体の話に戻ると、15.4インチのワイド液晶ディスプレーを搭載しながら、厚さが最薄部25.4mm、最厚部36.4mmというスリムな点は変わっていない。重さも約2.85~2.9kgと、従来どおりである。搭載チップセットも高速なIntel 915GM/915PM Expressチップセットを採用する。製品ラインナップは液晶ディスプレーやCPUの違いにより、5機種に分かれている。最上位機種である『VGN-FS71B』の場合、液晶ディスプレーは解像度1680×1050ドットの“クリアブラック液晶”と、デスクトップパソコン付属の液晶ディスプレーをしのぐ高解像度パネルを搭載している。CPUにもPentium M 750-1.86GHzと高速なものを採用する。またFS71Bのみ、グラフィックス機能(GPU)に米エヌビディア社の『GeForce 6200 with TurboCache』を搭載している(ほかはIntel 915GM Expressチップセット内蔵機能を使用)。

ミドルクラスの『VGN-FS51B』と『VGN-FS31B』が搭載する液晶ディスプレーは、解像度1280×800ドットの“クリアブラック液晶”を搭載。CPUはFS51BがPentium M 740-1.73GHzを、FS31BがCeleron M 370-1.50GHzを搭載する。FS51BとFS71BのCPU性能は大差がないので、液晶ディスプレーに高解像度を求めないならば、FS51Bはコストパフォーマンスに優れた選択になろう。エントリーモデルの『VGN-FS21B』『VGN-FS21』の液晶ディスプレーは、解像度は1280×800ドットと同様であるものの、バックライトが2灯から1灯に減った“クリアブラックLE液晶”を搭載している。こちらのCPUはCeleron M 360-1.40GHzである。

内蔵HDDはFS71BとFS51Bが100GB、FS31Bが80GB、FS21BとFS21が60GBを搭載する。また標準でメモリー512MBを搭載するFS71B、FS51B、FS31Bでは、デュアルチャネル接続による高速なメモリーを使用している(FS21B、FS21は256MBのシングルチャネル接続)。さらにFS71B、FS51B、FS31Bは、IEEE 802.11b/g対応の無線LAN機能も内蔵している。

そのほかのスペックはおおむね共通で、全機種がDVDスーパーマルチドライブ(2層式DVD+R最大2.4倍速書き込み、DVD±R最大8倍速書き込み、DVD±RW最大4倍速書き込み)を搭載する。インターフェース類は、USB 2.0×3、i.LINK(S400、4ピン)、10/100BASE-TX、外部アナログディスプレー端子、V.92モデム用モジュラージャックなどを備える。またカードスロットとしてPCカード(Type II)×1と、メモリースティックスロット(標準/Duoサイズ対応、PRO対応)を備える。またFS21を除いた全機種に『Microsoft Office Personal Edition 2003』がプレインストールされている。

予想実売価格はFS71Bが24万5000円前後、FS51Bが21万5000円前後、FS31Bが18万円前後、FS21Bが15万5000円前後、FS21が13万5000円前後と想定されている。FS21シリーズの安さは、またも人気を呼びそうだ。

VAIO type Fの主なスペック

VGN-FS71B
Pentium M 750-1.86GHz/512MBメモリー/GeForce Go 6200 with TurboCache/100GB HDD/DVDスーパーマルチドライブ/15.4インチWSXGA+液晶ディスプレー/Windows XP Home Edition SP2/Office Personal Edition 2003付属
24万5000円前後/5月14日発売予定
VGN-FS51B
Pentium M 740-1.73GHz/512MBメモリー/Intel 915GM内蔵グラフィックス/80GB HDD/DVDスーパーマルチドライブ/15.4インチWXGA液晶ディスプレー/Windows XP Home Edition SP2/Office Personal Edition 2003付属
21万5000円前後/23日発売予定
VGN-FS31B
Celeron M 370-1.5GHz/512MBメモリー/Intel 915GM内蔵グラフィックス/80GB HDD/DVDスーパーマルチドライブ/15.4インチWXGA液晶ディスプレー/Windows XP Home Edition SP2/Office Personal Edition 2003付属
18万円前後/23日発売予定
VGN-FS21B
Celeron M 370-1.5GHz/256MBメモリー/Intel 915GM内蔵グラフィックス/60GB HDD/DVDスーパーマルチドライブ/15.4インチWXGA液晶ディスプレー/Windows XP Home Edition SP2/Office Personal Edition 2003付属
15万5000円前後/23日発売予定
VGN-FS21B
Celeron M 370-1.5GHz/256MBメモリー/Intel 915GM内蔵グラフィックス/60GB HDD/DVDスーパーマルチドライブ/15.4インチWXGA液晶ディスプレー/Windows XP Home Edition SP2
13万5000円前後/23日発売予定

なお同社の直販サイト“ソニースタイル”では、直販専用モデルの『VGN-FS91PS』(OSがXP Professional)『VGN-FS91S』(OSがXP Home)が発売される。CPUやメモリー搭載量などを自由に選択でき、CPUには店頭モデルより高速なPentium M 770-2.13GHzを選ぶことも可能だ。またビジネスユーザーのニーズに応えるべく、VAIO専用のAVアプリケーション類を省いたモデルも販売され、しかもこのモデルのみボディーカラーがシックなグレーとなっている。また夏モデルからは法人ユーザー向けの“ビジネスパーソナルモデル”もラインナップされ、こちらもボディーカラーはグレーとなっている。

AVアプリケーションを省いた『VGN-FS91PS、91S』は、ボディーカラーがグレー。渋くてなかなかかっこいい
AVアプリケーションを省いた『VGN-FS91PS、91S』は、ボディーカラーがグレー。渋くてなかなかかっこいい

前へ 1 2 3 次へ

カテゴリートップへ

注目ニュース

ASCII倶楽部

プレミアムPC試用レポート

ピックアップ

ASCII.jp RSS2.0 配信中

ASCII.jpメール デジタルMac/iPodマガジン