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インテル、“デジタル エンタープライズ アップデート ミーティング”を開催--サーバー&ワークステーションではマルチコアCPUを強く推進

2005年03月15日 21時54分更新

文● 編集部 小西利明

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また平野氏はIDF 2005で正式名称が発表された仮想マシン技術“インテル バーチャライゼーションテクノロジ(VT)”(コード名Vanderpool Technology:ヴァンダープール)についても解説した。VTは対応CPUと対応プラットフォーム、“ハイパーバイザー”とも呼ばれる仮想マシンモニター(VMM)ソフトウェアなどで構成される。VT環境の上では単一のマシン上で複数のOSを同時に実行することが可能で、VMMがこれらのOSを管理する。米ヴイエムウェア(VMware)社の『VMware』やマイクロソフト(株)の『Virtual PC』など既存の仮想マシンソフトに比べて、ハードウェア自体が仮想マシン機能を搭載するため、VMMによるオーバーヘッドが大幅に軽減され、各OSのパフォーマンスが向上するとしている。平野氏はMontecitoでのVTの実装例を引き合いに説明を行ない、VT導入による利点として、既存環境を残したままOSやアプリケーションの移行を行なえる“リスクの低減”や、単一マシン上で新旧複数OSを運用することでの“管理コストの低減”、利用効率の向上などを挙げた。「仮想マシン技術はメインフレームでは20年数年の歴史があるが(中略)、それをマイクロプロセッサーの上で実現できるようになった」(平野氏)。

Montecitoでの“インテル バーチャライゼーションテクノロジ”の実装例。VMMはCPUからの割り込みを各OSに割り振る。OSやアプリケーションのパフォーマンスが低下しないように、極力各OSからCPUを直接利用する
Montecitoでの“インテル バーチャライゼーションテクノロジ”の実装例。VMMはCPUからの割り込みを各OSに割り振る。OSやアプリケーションのパフォーマンスが低下しないように、極力各OSからCPUを直接利用する
インテル エンタープライズ&ネットワーク・ソリューションズ本部 プログラム推進部 部長の矢嶋哲郎氏
インテル エンタープライズ&ネットワーク・ソリューションズ本部 プログラム推進部 部長の矢嶋哲郎氏

また同社エンタープライズ&ネットワーク・ソリューションズ本部 プログラム推進部 部長の矢嶋哲郎氏は“デジタル・オフィス”と題した講演を行ない、現在のITビジネスがセキュリティー対策や管理運用に課題を抱えているとしたうえで、これらの対策として遠隔管理技術“インテル アクティブ・マネジメント・テクノロジ(iAMT)”(※1)をサポートする企業向けデスクトップパソコンのプラットフォームについて説明を行なった。

※1 OSの状態に依存しないリモート管理/診断や、OS/アプリケーションのアセット管理、ユーザーによる許可のない変更の禁止などを可能にする管理システム用の技術。2004年9月の“Intel Developer Forum FALL 2004”で発表された。

2005年のビジネスパソコン向けLyndonプラットフォームは、シングルコアのPentium 4プロセッサーとIntel 945Gチップセットで構成され、ハイパースレッディング(HT)やEM64T、VT、EISTなどに加えてiAMTにも対応する。さらに2006年の“Averill(アブリル)”プラットフォームでは、Pentium 4またはデュアルコアCPUと“Broadwater(ブロードウォーター)”チップセットで構成され、Lyndonで実装される機能に加えて、アップデートされたiAMT2と、ハードウェアによるセキュリティー技術“LaGrande(ラグランデ) Technology”も実装されるとした。iAMTの実現にはVTの実装も欠かせないと見られており、VTと足並みを揃えての登場となりそうだ。



2005~2006年の企業向けパソコン用プラットフォームの構成要素と、実装される技術。仮想マシン技術や遠隔管理技術も年内に実装される インテルは2005年のビジネスパソコンには、デュアルコアのPentium Dではなく、単体アプリケーション性能の高いシングルコアのPentium 4 6xxシリーズを訴求するとしている
2005~2006年の企業向けパソコン用プラットフォームの構成要素と、実装される技術。仮想マシン技術や遠隔管理技術も年内に実装されるインテルは2005年のビジネスパソコンには、デュアルコアのPentium Dではなく、単体アプリケーション性能の高いシングルコアのPentium 4 6xxシリーズを訴求するとしている

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