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オン・デマンド・ティービー、“業界最大の見放題プラン”をうたうフレッツユーザー向けのVODサービスを発表――月額2100円でビデオを見放題

2005年03月07日 20時43分更新

文● 編集部 小西利明

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“オンデマンドTV”のデモの様子。TVの手前に置かれた小さなユニットが、同サービス用のセットトップボックス サービスの概要について説明する(株)オン・デマンド・ティービー 代表取締役社長の梶原浩氏
“オンデマンドTV”のデモの様子。TVの手前に置かれた小さなユニットが、同サービス用のセットトップボックスサービスの概要について説明する(株)オン・デマンド・ティービー 代表取締役社長の梶原浩氏

(株)オン・デマンド・ティービーは7日、西日本電信電話(株)と東日本電信電話(株)のブロードバンド接続サービス“フレッツ”のユーザーを対象としたビデオオンデマンドサービス“オンデマンドTV”を9日に開始すると発表した。特定ISPに依存しないサービスと、“業界最大の見放題プラン”を武器に、ビデオオンデマンドサービスの普及を目指すとしている。

オンデマンドTVで提供されるサービスは、映画の配信を中心とした“ビデオサービス”と、(株)スカイパーフェクトコミュニケーションズから提供される専門チャンネル20チャンネル分の多チャンネル放送“チャンネルサービス”(4月より提供予定)の2本立てとなっているが、オン・デマンド・ティービー 代表取締役社長の梶原浩氏はビデオ作品の配信を主にサービスを提供していくとする。当面の目標としては、2~3年でビデオオンデマンドの文化を広めたいと述べた。

ブロードバンドインターネットを利用したビデオオンデマンドサービスは、すでに数社が提供を行なっているが、他社のサービスでは追加料金なしでの映画視聴に、本数の制限がかかっているものが多い。それに対してオンデマンドTVでは、“みほうだいプラン”を選ぶと毎月2100円で映画が見放題になることを最大の特徴としている。提供されるビデオ作品はハリウッドの大作映画から日本のアニメまで、サービス開始当初は約1000本、初年度中に約2800本のコンテンツを用意するとしている。獲得ユーザー数の目標は、初年度で7万7000人、3年後に40万人とのこと。

オンデマンドTVで提供されるビデオ作品の本数と内訳(予定)。5年後には約5500本に拡充を目指す
オンデマンドTVで提供されるビデオ作品の本数と内訳(予定)。5年後には約5500本に拡充を目指す

オンデマンドTVの料金プラン

加入料金
5250円
月額の利用料金
みほうだいプラン:2100円/月(ビデオサービス見放題、一部タイトルを除く)
おてがるプラン:577円/月(ビデオを毎月2本まで)
※オプション作品の購入は1本あたり105~420円)
よくばりプラン:3150円/月(ビデオ、チャンネルともに見放題。4月より提供)
多ちゃんねるプラン:2100円/月(ビデオサービス見放題。4月より提供)
機器利用料金
専用受信機(STB)レンタル料金:315円/月(買い取りの場合は1万5750円)

オンデマンドTVは、以下に示すNTT東西の光ファイバーブロードバンド接続サービスを利用しているユーザー向けに提供される、映画やテレビ番組など映像コンテンツの有料配信サービスである。NTT東西が提供するフレッツ網を利用して配信を行なうため、ユーザーがどのISPを利用していても、下記サービスを利用するフレッツユーザーであれば、問題なく利用できるという特徴を持つ。オンデマンドTVのサービスはIPv6ベースで提供されるため、ユーザーは光ファイバーブロードバンド接続サービスに加入しているだけでなく、NTT東西が提供するIPv6サービスにも加入しておく必要がある。

     
  • NTT東日本“Bフレッツ”および“FLET'S.Net(フレッツ・ドットネット)”
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  • NTT西日本“フレッツ・光プレミアム”
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  • NTT西日本“Bフレッツ”および“フレッツ・v6アプリ”
オンデマンドTVの構成イメージ。NTT東西のフレッツ網を利用するため、ISPの種類に依存しないサービス提供が可能となる
オンデマンドTVの構成イメージ。NTT東西のフレッツ網を利用するため、ISPの種類に依存しないサービス提供が可能となる

ユーザーは自宅に専用セットトップボックス(STB)を設置し、STBをネットワークのHubや家庭用のテレビとつなげる。ネットワーク関連の設定は不要で、上記のサービスに加入しているユーザーならば、つなげるだけでサービスを利用できるようになるのも特徴である。配信される映像フォーマットはMPEG-2で、ビットレートはおおむね4Mbps程度。さらに同社では(株)アイ・ビー・イーの協力により、データ転送時のエラー訂正技術に“フォワードエラーコレクション”技術(※1)を採用、パケットロスによる映像品質の劣化を防いでいるとしている。STBの操作は付属のリモコンで行なう。ちなみにSTBの製造はパソコン周辺機器大手の(株)バッファローが担当。STBの操作画面の開発は国内ゲームソフト最大手の(株)スクウェア・エニックスと米UIEvolution社が協力している。

※1 転送時に生じたエラーを自動的に訂正して、破損したデータパケットを復元するエラー訂正技術。破損パケットの再送信を必要としない。

オンデマンドTV用のセットトップボックス。テレビとの接続は、背面のコンポジットビデオ出力かD1出力端子を使用する。USB端子は将来の拡張用で、キーボード接続などに利用する STB用リモコンのイメージ
オンデマンドTV用のセットトップボックス。テレビとの接続は、背面のコンポジットビデオ出力かD1出力端子を使用する。USB端子は将来の拡張用で、キーボード接続などに利用するSTB用リモコンのイメージ
オンデマンドTVのトップメニュー。オンデマンド配信の映画を見る場合は“ビデオ”を選ぶ ビデオの選択画面。ジャンルや新着タイトルをリストアップするメニュー形式もある
オンデマンドTVのトップメニュー。オンデマンド配信の映画を見る場合は“ビデオ”を選ぶビデオの選択画面。ジャンルや新着タイトルをリストアップするメニュー形式もある
人気ランキングのメニュー画面。右横にはアイコンで、レーティング情報などが表示される 実際にビデオ作品を購入するところ。見放題に含まれない作品の場合は、右下に価格が表示されるようだ
人気ランキングのメニュー画面。右横にはアイコンで、レーティング情報などが表示される実際にビデオ作品を購入するところ。見放題に含まれない作品の場合は、右下に価格が表示されるようだ
再生画面のイメージ。レンタルビデオ同様に、一時停止や早送り、巻き戻しもできる
再生画面のイメージ。レンタルビデオ同様に、一時停止や早送り、巻き戻しもできる

サービスの申し込みは、同社ウェブサイトまたは専用の電話受付で受け付けている。サービス開始は9日からで、当初のサービス地域は大阪府、京都市、神戸市など。その後は今年6月頃より東日本全域と愛知県や広島県、福岡県などでのサービス開始を予定している。全域をカバーするのは12月頃の予定。またフレッツ・ADSLのユーザー向けサービスも、東西両地域で9月頃から予定されている。

現在配信されるビデオや番組は、いずれもMPEG-2によるSD(Standard Definition)品質のコンテンツであるが、今年9月頃には、より高画質なビデオフォーマット“H.264”に対応した、HD(High Definition)品質の映像配信も予定されている。HD品質に対応したコンテンツやSTBの料金体系などは、現状では未定。高品質になる分、既存のプランよりは多少は割高になる可能性はあるだろう。

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