【Video Solution Conference 2005 Vol.1】米アップルコンピュータのビル・ハドソン氏がXsan導入メリットをアピール
2005年03月04日 19時50分更新
アップルコンピュータ(株)は同社の製品を活用したビデオソリューションを紹介する“Video Solution Conference 2005”をオペラシティタワーで開催した。3日と4日の2日間にわたって開催され、SANファイルシステム『Xsan』の導入事例やハンズオンセミナー、デモ展示などが行なわれた。
米アップルコンピュータ社のビル・ハドソン(Bill Hudson)氏 |
スペシャルセッションには、まず米アップルコンピュータ社のプロフェッショナルアプリケーションズ ビジネスアンドマーケットデベロップメントのビル・ハドソン(Bill Hudson)氏が登壇した。氏は同社のリアルタイムHD編集の価値とXserve G5、Xserve RAIDなどを説明。HD品質のビデオサポートについては従来からアピールしている同社だが、ここでもFinal Cut Proが将来はHDV、P2、MPEG IMXサポートし世界中で映像編集が可能になるとした。さらに氏は、放送局などのワークグループでどのようにシステムが実現されているかを説明した。
Final Cut Proが将来はHDV、P2、MPEG IMXサポート |
「SANファイルシステムは大勢が関わる現場で不可欠。64ユーザが一度にアクセスでき、高可用性のために設計されている。リモート管理が楽でクロスプラットフォームの統合が可能だ」(ビル・ハドソン氏) |
氏の説明によると、下の写真の構成が典型的な小規模システムであるという。つまり、Xserve RAID、Fiber Channelスイッチ、3台のクライアントにサーバーがある。このサーバーをMetadata controllerと呼んでいる。Metadata controllerはいわば交通整理を行なう警官に例えられる。また、ストレージとクライアント間のデータのやり取りを担う部分としてイーサネットスイッチが加えられる。さらにMetadata controllerを1台加えることで、仮にメタデータコントローラが障害を起こした場合、自動的にバックアップMetadata controllerにフェイルオーバーすることが可能に。放送というミッションクリティカルなところでは不可欠なシステムだという。また、Fiber Channelもデュアル構成になっていれば、ほかのチャンネルに自動的に切り替えることができる。
典型的な小規模のシステム例 |
高可用性を持たせるため、MDC(Metadata controller)を加える |
実はXsanが出荷されはじめたのは1月からだが、同社ではその数ヵ月前からベータプログラムを実施している。そこに参加したメーカーのなかには米ドリームワークスSKG(DreamWorksSKG)社があり“Man About Town”を制作した。また、日本で始めてXsanのシステムを導入した(株)毎日放送ではProduction SuiteとShakeを含むシステムを構築している。
米ドリームワークスSKG(DreamWorksSKG)社の“Man About Town”制作システム概要 | (株)毎日放送のシステム構築 | |
NBCの人気番組『Scrubs』の例。昨年7月からベータプログラムに参加し、その後のドラマ制作にあてた | Bunim/Murrayのシステム。14TBのXserveRAID、G5(Dual)を42台。Filnal Cut Pro HDもXsanで実行している |
さらにもっともエキサイティングな事例としてBuilding4Media社が手がけるポーランドのニュース局TVN24が紹介された。同社代表取締役のジム・オブライエン(Jim O'Brien)氏は、ダイアグラムを提示しながらXserve G5、XserveRAIDほか100台のMacintoshで業界最大といわれる放送用のXsanネットワークを構築しており、Octopusニュース編集システムとの統合化も行なっていると説明した。Xserve RAIDは50TBで、64ポートのFiber Channelで冗長性を持たせている。氏は、同社のシステムはPCにもMacintoshにも対応しているとしながらも、特にMacintoshにフォーカスしている理由として、コスト効率がいい、プラットフォームに拡張性があるなどの理由を挙げた。
Building4Media社代表取締役のジム・オブライエン(Jim O'Brien)氏 |
ニュース局TVN24のシステムダイアグラム |
『FORK/TV』の画面。Final Cut Proとの強力な連携が図られている |
また、同社のアプリケーション『FORK/TV』はFinal Cut Proとの強力な連携が図られており、さまざまな基準で必要なコンテンツを検索してニュース部門にその素材を提示したり、直接Final Cut Proのクリップをオープンすることができるなど利点がアピールされた。