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XC Cube EX915

XC Cube EX915

2005年03月01日 00時00分更新

文● 鈴木 雅暢

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XC Cube EX915

AOpen

実売価格:約4万円

「XC Cube EX915」
「XC Cube EX915」
標準で付属する銅製のヒートパイプを利用したCPUクーラー
写真1 標準で付属する銅製のヒートパイプを利用したCPUクーラー。ファンコネクタは3ピン。

 AOpenの「XC Cube EX915」は、同社のmPGA478対応ベアボーンである「SportyII」をベースにLGA775に対応させた製品だ。シャシーやカバーなど、マザーボード以外の部分はSportyIIと共通。Prescott非対応の初代Sportyと比較すると、サイドカバーの吸気口が大型化したほか、電源ユニットの出力が275Wに増量、CPUクーラーに銅製のヒートパイプを利用した強力なものとなっている。

 LGA775対応のマザーボード「UX915」は、Intel 915G/ICH6チップセットを搭載し、PCI Express x1接続のギガビットイーサネット(GbE)コントローラ、IEEE1394コントローラなどをオンボード搭載。サウンドはHDオーディオではなく、AC'97対応だ。また、対応メモリはDDR2ではなくDDR400で、拡張スロットは、PCI Express x16が1本、PCIスロットが1本という構成だ。



カバーを開けたところ 左側面から吸気して右側面から排気するシステム
写真2 作業スペースは十分にあるが、ソケット周囲にはCPUクーラー固定用のリテンションが装着されており、LGA775のカバーが少し引っかかるので注意したい。写真3 基本構造はSporty、SportyIIから変わっていない。左側面から吸気して右側面から排気するシステムになっており、カバーのサイドには多数の吸気口が空けられている。

 ほとんどのLGA775対応キューブ型ベアボーンがこの構成をとるのだが、将来的なことを考えると、PCI Express x1スロットを持たない点は気になる。現状ではTVチューナなどの拡張カードを搭載するためにはPCIスロットが必須なだけに仕方ないが、LGA775プラットフォームならではの将来性もかなり割り切らねばならない点は留意しておきたい。

 LGA775ソケット周囲にはmPGA478と同じリテンションモジュールが装着されており、mPGA478対応のSportyIIと同じ、クリップ式のCPUクーラーが装着できるようになっている。LGA775は取り扱いを誤るとソケットを破損しやすいため、ソケットの上方に十分な作業スペースが必須といえるが、本機の場合はドライブベイユニットが上方にすべて引き出せるので問題ない。

●実測騒音

アイドル時でも状況によってバラつくが、エンコード開始直後から明らかにファンの回転が上がっていく。続けるとほぼフル回転に近くなり、ノイズも相当に大きくなる。
環境騒音34~35dB
起動直後43~48dB
アイドル時39~43dB
エンコード5分後55~58dB

●テスト環境

CPU
Pentium 4 540(3.20GHz)
HDD
Barracuda SATA V(120GB)
室温
26℃

●ベンチマークテスト結果

ファンコントローラが有効な状態ではスコアが低下した。基準温度によって性能が上下しているSB81Pの例からしても、LGA775になってから導入されたサーマルモニタによるデューティサイクルの間引き処理が作動したものと思われる。
PCMark04スコアWMV9エンコード所要時間(単位:秒)
XC Cube EX915/ファンコントローラオフ4128236
XC Cube EX915/自動設定3809248
XPC SB81P/ファンコントローラオフ4118236
XPC SB81P/自動(基準温度デフォルト=70℃)2428325
XPC SB81P/自動(基準温度60℃)3405249
XPC SB81P/自動(基準温度40℃)4103236
ASUS P5GDC-V(参考)4190235

●テスト環境

CPU
Pentium 4 540(3.20GHz)
メモリ
PC3200 DIMM×2(512MB)
グラフィックス
Intel 915G内蔵
HDD
Barracuda SATA V(120GB)
OS
Windows XP(SP1)

 試しにベンチマークテストを実施したところ、同じ構成のシステムに比べて若干下回る結果が出てしまった。ファンコントローラをオフにすると良い結果となることから、LGA775 CPUのサーマルモニタ機能によるデューティサイクルの間引き処理(=クロックダウン)が作動してしまったと考えられる。現状ではファンコントロールが自動設定しかできないため、多少の性能ダウンを覚悟して使うか、騒音を承知でフル回転させるしかない。BIOSのアップデートでの改善を期待したいところだが、今回利用したPentium 4 540(3.20GHz)以上のCPUを使うには根本的に冷却能力が不足しているようにも思える。ちなみに、間引き処理の問題は次ページで紹介する「SB81P」でも見られた。スモールフォームファクタでLGA775(Prescott)を利用する際の課題が浮き彫りになったといえる。

XC Cube EX915の主なスペック
製品名 XC Cube EX915
拡張ベイ(空き) 5インチ×1(1)、3.5インチ×1(1)、HDD×1(1)
拡張スロット PCI Expressx16×1、PCI×1
前面インターフェイス USB 2.0×2、IEEE1394a×2(6ピン/4ピン)、ヘッドフォン、マイク、S/PDIF出力(光角型)
背面インターフェイス USB 2.0×2、IEEE1394a(6ピン)、LAN、PS/2×2、アナログRGB、シリアル、パラレル、ライン入力、ライン出力、マイク、S/PDIF入力(光角型)
チップセット Intel 915G/ICH6
対応CPU Pentium 4/Celeron D(LGA775、FSB533/800)
対応メモリ DDR333/400デュアルチャンネル
メモリソケット 184ピンDIMM×2
LAN(コントローラ) 10/100/1000BASE-T(BCM5751/PCI Expressx1)
サウンド AC'97(5.1ch出力、S/PDIF入出力対応)
シリアルATA 4ポート
ファンコントローラ
電源ユニット 275W
サイズ 200(W)×335(D)×201(H)mm
主なキット内容 ケース、マザーボード、CPUクーラーなど

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