ASUSTeK
LGA775世代となって、マザーボード各社はそれぞれの独自機能もさらに強力に進化させてきた。ASUSTeKの最新マザーボードに導入された新機能を中心に見ていこう。
負荷を瞬時に検知する
AI NOS
ASUSTeKの独自機能は、これまで“ASUS AI”としてアピールされてきたが、LGA775世代からはそれをより強化するとともにいくつかの新機能を加え“Ai Proactive”に進化した。“Proactive”とは英語で「先のことを考えた」「事前に対策する」といった意味。文字どおりユーザーニーズを先取りしたインテリジェントなフィーチャーというわけだ。
画面1 AI NOSを利用するにはBIOSセットアップの「JumperFree Configuration」から「AI Overclocking」を「AI NOS」に設定する。 | 画面2 「NOS Mode」の詳細説明はないが、「Sensitive」は負荷に敏感に反応し、「Heavy Load」はピーク時を長く保つものと推測される。 |
そのAi Proactiveの大きな柱となる新機能がこの「AI NOS(Non-delay Overclocking System)」だ。自動オーバークロック機能の一種だが、これまでのAI Overclockingと違うところは、通常時は定格で動作しつつ、システムの負荷が増した時のみオーバークロックを行なうというもの。常時オーバークロックして無駄な電力を消費することなく、必要なときだけハイパワーを得られるというわけだ。そして、「このシステム負荷」の検知は、電流の増減で判断するため他社の同等機能よりもより高速にできるとしている。
画面3 「Turbo NOS」は、NOSで自動オーバークロックする上限率。3%から20%まで、6種類から選べるようになっている。 | 画面4 「Twin Turbo NOS」では負荷に応じて2段階で調整するようだ。オーバークロック率はTurbo NOSでの設定値以上の設定のみが表示される。 |
NOSの設定はBIOSで行なうが、設定が豊富なわりにその解説は十分でない。そこでいろいろ設定を試してみた。NOSのモードには、オーバークロック率を含め完全自動の「Auto」のほか、「Standard」「Sensitive」「Heavy Load」とある。PCMark04のテスト結果を見ると、それぞれの比較では後ろに行くほどピーク性能の時間が長いように思えるが、どれもオーバークロック率の低い「Auto」と比較して、性能的に物足りない。
画面5 付属オーバークロックツールの「Ai Booster」。NOSの一部機能もここから設定できるが、適用には再起動が必要。 |
一方、エンコードのテストではCPU負荷が常時ピークとなるためか、オーバークロック率どおりの結果となったが、設定ごとの差はまったくなかった。また、2段階調整する「Twin Turbo」は、PCMark04ではむしろ逆効果という結果になってしまった。エンコードでは高速化するが中間のクロックでとどまることがないので2段階調整にする意味は薄いだろう。ちなみに、AI NOSもAI Overclockingも機能として提供されるだけであって、オーバークロック状態での動作を保証するものではない。利用はくれぐれも自己責任で行なっていただきたい。
●ベンチマークテスト結果
●PCMark04
●Windows Media Encoder9
PCMark04では処理に応じてクロックの変更が行なわれるが、Windows Media Encoder9ではいったんピークまで上がると最後までそのままだった。NOSのモードごとの性能はPCMark04では出ているが、オーバークロック率の割にスコアは物足りない。また、Twin Turbo設定はPCMark04では逆効果で、エンコードではオーバークロック率に応じた結果だが、すぐピークに達してしまうので、2段階調整自体の意味がない印象だ。
●テスト環境
- CPU
- Pentium 4 540(3.20GHz)
- メモリ
- PC4300 DIMM×(512MB)
- マザーボード
- P5GD2 Premium
- グラフィックス
- Extreme AX600XT/TD(RADEON X600XT)
- OS
- Windows XP(SP1)