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EMCジャパン、低価格ネットワーク・ストレージ“EMC CLARiX”シリーズのiSCSI対応モデルなどを発売――ネットワールドと販売提携を同時発表

2005年02月16日 23時46分更新

文● 編集部 内田泰仁

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EMCジャパン(株)は16日、低価格ネットワーク・ストレージ“EMC CLARiX”シリーズのiSCSI対応モデルと、Windows Storage Server 2003を採用したNASゲートウェイ『NetWin110 NAS ゲートウェイ』と、これらの新製品の中堅/中小企業市場での販売に向けた(株)ネットワールドとの販売提携の締結を発表した。

『EMC CLARiX AX100i』

今回iSCSI対応モデルとして発表された製品は、同社ネットワーク・ストレージ製品群の中では、ローエンド~ミッドレンジ向けの製品にあたる“EMC CLARiX”シリーズ既存製品『EMC CLARiX AX100』『EMC CLARiX CX300』『EMC CLARiX CX500』をベースとした『EMC CLARiX AX100i』『EMC CLARiX CX300i』『EMC CLARiX CX500i』の3製品。従来製品は、ホスト接続にファイバーチャネル(FCP SCSI-3)を用いていたが、今回追加された3モデルはいずれもiSCSIを採用する。これ以外は、パス管理機能を含むデータ整合性と高可用性、高機能なストレージ・ベース機能などを持った“CLARiXアーキテクチャ”を継承する。同社では、iSCSIの採用により、すでに顧客が持っているIPネットワーク環境を利用した低価格なSAN(ストレージ・エリア・ネットワーク)の構築が可能になるとしている。

各製品の主な仕様は以下のとおり。

『EMC CLARiX AX100i』
ホスト接続ポート:Gigabit Ethernet×1または2
最大iSCSIホスト数:8
最大搭載HDD容量:3TB
価格:80万円~
出荷時期:2月16日
『EMC CLARiX CX300i』
ホスト接続ポート:Gigabit Ethernet×4
最大iSCSIホスト数:64
最大搭載HDD容量:17TB
価格:250万円~
出荷時期:4月予定
『EMC CLARiX CX500i』
ホスト接続ポート:Gigabit Ethernet×4
最大iSCSIホスト数:128
最大搭載HDD容量:35TB
価格:690万円~
出荷時期:2月16日

また、各製品に付属する管理ソフトウェア群もそれぞれiSCSI対応が図られたものに変更となる。なお、現在の対応ホストOSはWindows 2000 ServerおよびWindows Server 2003となっているが、4月以降にLinux対応を予定しているという。

『NetWin110 NAS ゲートウェイ』

『NetWin110 NAS ゲートウェイ』は、プラットフォームにWindows Storage Server 2003を採用した1UサイズのIAサーバーで、“EMC CLARiX”シリーズやSANなどのストレージと組み合わせて利用するエントリークラスのNASゲートウェイ。既存のストレージ環境に導入することで低価格にNASを構築でき、かつ、購入した顧客が“自分で”本機をインストールし、初期設定や管理を行なうことが可能な容易性を備えているという。

主なスペックは、CPUがPentium 4-2.40GHz×1(FSB 533MHz)、メモリー1GB(DDS SDRAM)、DVD-ROMドライブ、FDD、Gigabit Ethernetなど。Windows Storage Server 2003にネイティブ対応した統合管理ソフトウェア『EMC Navispherer Agent for Windows Storage Server 2003』を搭載し、Windows上またはウェブ上から、管理/監視/プロビジョニングなどを実行できる。価格は79万5000円から。

なお、『EMC CLARiX AX100i』と『NetWin110 NAS ゲートウェイ』の販売は、2004年12月に販売提携を結んだシーティーシー・エスピー(株)、および同日新たに販売提携が発表されたネットワールドの2社から、全国の販売代理店を通じて提供される。『EMC CLARiX CX300i』『EMC CLARiX CX500i』については、EMCジャパンおよび既存の販売パートナーから販売される。また、なお、『EMC CLARiX AX100i』は、協業中のデル(株)からも近日発売される予定だという。

コマーシャル・ビジネス事業部マーケティング本部本部長の西澤伸樹氏

この日開催された記者説明会で、発表内容全体と同社の中小/中堅企業向け戦略の概要を説明したコマーシャル・ビジネス事業部マーケティング本部本部長の西澤伸樹氏によると、iSCSIによるIPネットワーク・ストレージの市場は年々拡大傾向にあり、特に2005年は大きな成長が見込めるとの予測を述べ、2003年以降、ハイエンド製品から順次進めてきたiSCSI対応をさらに進展させ、今回のローエンド~ミッドレンジ製品でのサポートに至ったとした。またNASについては、ストレージ市場としては「最も成長が著しいジャンル」と述べ、『NetWin110 NAS ゲートウェイ』の投入により、中小/中堅規模の企業や事業所へのNAS導入の促進を図るとした。なお、同社としては初めて販売提携を結んで販売している製品となる『EMC CLARiX AX100』については、「今のところマーケティング部門の期待通りの実績(=月間100台ペース)で販売」しているとして、好調ぶりをアピールした。

コマーシャル・ビジネス事業部事業部長代行の松本圭裕氏

コマーシャル・ビジネス事業部事業部長代行の松本圭裕氏は、中小/中堅企業などをターゲットとしたコマーシャル市場での取り組みについて説明。今回発表された製品を中小/中堅企業顧客の要件に合った価格帯/使いやすさ/顧客環境との親和性を持った製品と位置付け、マイクロソフト環境製品の販売で実績を持つネットワールドとの販売パートナーとしての協業により、『NetWin110 NAS ゲートウェイ』を中心とした低価格NASビジネスの立ち上げに期待を示した。また、マイクロソフトとの協業の強化も進め、共同セミナーの開催や、両社のパートナー企業や顧客に対するネットワーク・ストレージに関する啓蒙活動などを行なっていくとしている。

また、新たな取り組みとして、テレセールス部門の新設やマンガなども用いたネットワーク・ストレージのキャンペーン活動による顧客アプローチの強化、『EMC CLARiX AX100』を除く“EMC CLARiX”や“EMC Centera”、“EMC Celerra”各シリーズの価格の引き下げ(案件規模などにより変動はあるというが、平均すると約3割程度になるという)も行ない、中小/中堅企業をターゲットとしたビジネスの拡大に努めていくとした。

Windows Storage Server 2003の概要を説明したマイクロソフト(株)サーバープラットフォームビジネス本部、Windows Server製品部部長の高沢冬樹氏中小/中堅企業向けの新販売パートナー、ネットワールドのマーケティング本部取締役本部長の森田昌一氏
記者説明会に出席した新製品に関連したパートナー企業の代表者


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