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シリアルATAのAHCIをサポート――ICH6Rの実力検証

シリアルATAのAHCIをサポート――ICH6Rの実力検証

2005年02月15日 00時00分更新

文● 鈴木 雅暢

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シリアルATAのAHCIをサポート――ICH6Rの実力検証

インテル

ICH6R/ICH6RWは、RAID機能がさらに進化しただけでなく、シリアルATAのネイティブインターフェイスであるAHCIに対応したことで大きな注目を集めている。ここではICH6Rの実力を検証してみたい。

AHCIで発揮される
シリアルATAの真の実力

 Intel 925X、および915P/Gには4種類のサウスブリッジが存在するが、そのうちICH6RとICH6RW、つまり「R」付きの2つと他のサウスブリッジでは大きな機能の違いがある。従来のICH5とICH5Rの違いはRAID機能の有無のみであったが、今回のICH6RとICH6RWでは、RAID機能に加えて、シリアルATAのネイティブインターフェイス仕様であるAHCI(Advanced Host Controller Interface)をサポートするのが大きな特徴である。

 AHCIとは、シリアルATAインターフェイスの実力をフルに発揮するための拡張仕様。これまでのシリアルATA 1.0aは、パラレルATA(IDE)との互換性を保つことを重視してソフトウェア的にはパラレルATAをエミュレートしていたが、AHCIはシリアルATAネイティブのために完全に新しく規定された仕様で、シリアルATAコントローラとソフトウェア間のインターフェイス(つまりドライバ部分)も新たに標準化されている。

●図1 AHCIのコマンドプロトコル

AHCIとTCQの違い
TCQでは古いパラレルATAのプロトコルのオーバーヘッドが大きかったが、AHCIではネイティブコマンドキューイングの効果を最大限にいかせるようコマンドプロトコルを最適化している。

 このAHCIはマイクロソフトが開発中の次期Windows「Longhorn(開発コードネーム)」がフルサポートする予定になっている。Longhornでは特別なドライバなしでAHCIのフィーチャーが利用できるようになるが、現状ではICH6R/ICH6RWでAHCIフィーチャーを利用するには、Intel Application Accelerator RAID Edition(以下、IAAR)に含まれているドライバが必要になる。

 ICH6R/ICH6Wは、AHCI Rev1.0で規定されているすべての必須仕様とメジャーなオプション仕様をハードウェアでサポートしており、その中には、ネイティブコマンドキューイング(NCQ)、ホットプラグ、スタッガードスピンアップ(POST時にゆるやかにスピンアップすることで突入電流の防止やピーク消費電力を抑える効果がある)、ATAのマスタ/スレーブエミュレーションの廃止(すべてをマスタデバイスとして認識)などがある。ただし、IAARのドキュメントには具体的にはNCQとホットプラグについてぐらいしか記述がなく、ソフトウェア的にこれらAHCIの仕様をどこまでサポートしているかといったことについてはいまひとつはっきりしない。

 シリアルATA IIとAHCIの関係は難しい。AHCIはシリアルATA IIの先進機能を実現するために、Intelを中心とする業界団体が、具体的なコマンドプロトコルやソフトウェア⇔ハードウェア間インターフェイスを定めたもの。AHCIをサポートしていなければシリアルATA IIは利用できないが、「AHCI=シリアルATA II」というわけではない。もっとも、逆にいえばAHCIをサポートするということはシリアルATA IIへ対応するためということであり、そのような認識でもかまわないかもしれない。

 シリアルATA IIはフェーズ1とフェーズ2と2段階に分けて進行しており、すでに仕様が確定しているフェーズ1でサポートされる代表的な機能は、NCQ、ホットプラグ、サーバ向けの管理機能といったところで、これはICH6R/ICH6RWのサポート範囲内だ。フェーズ2では300MB/秒の転送速度やポートマルチプライヤー(サーバ向けのツリー型接続のサポート)などが導入されるが、これらはAHCIのオプション仕様となっているが、ICH6R/ICH6RWではサポートしていない。

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