このページの本文へ

アナログ・デバイセズ、ネットワーク対応の新しい“Blackfin”プロセッサー4製品を発表

2005年02月01日 10時02分更新

文● 編集部 小西利明

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷
Blackfinプロセッサーのイメージ
Blackfinプロセッサーのイメージ

アナログ・デバイセズ(株)は1日、デジタルAV家電やネットワーク機器向けの組み込み用プロセッサー“Blackfin”シリーズの新製品4種7製品を発表した。

Blackfinシリーズは、同社と米インテル社により共同開発された組み込み向け16/32bitアーキテクチャーのプロセッサーで、16/32bit RISC CPUコアとDSP機能が1つのプロセッサーコアに統合されている。そのためBlackfinを使用する開発者は、2つの機能それぞれに対して異なるプログラム開発を行なう必要がない。またプロセッサーの負荷に応じて、動的にクロック周波数と動作電圧を下げることで消費電力の低減を行なう機能を備えている。開発環境としては、『VisualDSP++』開発/デバッグ環境やEZ-Extenderドーターボードなどで構成される『CROSSCOREツール』製品群が、同社より提供されている。

新しく発表されたBlackfinシリーズは以下の4種7製品。製造プロセスはすべて0.13μmプロセス。なお価格は1万個受注時の単価である。

Blackfinシリーズの最新ロードマップ。BF534~537は車載機器や工業用からデジタル家電までを幅広くカバーし、BF566はハイスペックなネットワークAV機器をターゲットとする
Blackfinシリーズの最新ロードマップ。BF534~537は車載機器や工業用からデジタル家電までを幅広くカバーし、BF566はハイスペックなネットワークAV機器をターゲットとする

シングルコア版 Blackfin

ADSP-BF534-400
最高動作周波数 400MHz、オンチップメモリー132KB、182ピンMicroBGA(Ball Grid Array)パッケージ、または208ピンMicroBGA(無鉛ハンダ専用)パッケージ
9.65ドル(約995円)
ADSP-BF534-500
最高動作周波数 500MHz、その他はBF534-400と同様
13.10ドル(約1351円)
ADSP-BF536-300
最高動作周波数 300MHz、オンチップメモリー100KB、10/100BASE Ethernet MAC内蔵、182ピンMicroBGAパッケージ、または208ピンMicroBGA(無鉛ハンダ専用)パッケージ
8.05ドル(約830円)
ADSP-BF536-400
最高動作周波数 400MHz、その他はBF536-300と同様
9.95ドル(約1026円)
ADSP-BF537-400
最高動作周波数 400MHz、オンチップメモリー132KB、その他はBF536-300と同様
10.90ドル(約1124円)
ADSP-BF537-500
最高動作周波数 500MHz、オンチップメモリー132KB、その他はBF536-300と同様
14.30ドル(約1475円)

デュアルコア版 Blackfin

BF566 eM30 eMediaプラットフォーム
最高動作周波数 600MHz、32/64bit PCIインターフェース内蔵、ATA/ATAPIインターフェース内蔵、10/100BASE Ethernet MAC内蔵、400ピンPBGAパッケージ
価格未定
BF536/537のブロックダイアグラム。534はこれからEthernet関連機能を除いたもの
BF536/537のブロックダイアグラム。534はこれからEthernet関連機能を除いたもの

“BF534/536/537”シリーズは1つのコア、タイマーやDMAコントローラーを備えた“システムコントロールブロック”、32ポートのGPIOやI2Cコントローラー“TWI(Two Wire Interface)”、車載ネットワーク用の“CAN 2.0B”コントローラーなどを備えた“ペリフェラルブロック”などで構成される。BF536/537シリーズには、10/100BASE Ethernet用のMAC(メディアアクセスコントロール)機能も内蔵されており、特にネットワーク対応機能が必要な据え置き型のデジタル家電などに適している。機器メーカーへのサンプル出荷はすでに開始されており、製品も本日より出荷を開始する。

BF566のブロックダイアグラム
BF566のブロックダイアグラム

『BF566 eM30 eMedia』は、Blackfinシリーズの中でもハイエンドに位置するプロセッサーで、2つのプロセッサーコアを1チップに内蔵するデュアルプロセッサーである。最高600MHzで動作するプロセッサーコア×2に加えて、128KBの2次キャッシュメモリー、システムコントロールブロック、ペリフェラルブロック、32bit高速外部バス、さらにPCIバスや10/100BASE Ethernet MAC、ATA/ATAPI用ストレージインターフェース回路などを1チップに搭載している。同社ではBF566を同社製のビデオコーデックLSIやオーディオコーデックLSI、ネットワーク機能向けLSIなど組み合わせて、“eMediaプラットフォーム”を構築するとしている。ターゲットとする用途としては、IPセットトップボックスやHD品質のビデオ再生を行なうネットワークメディアプレーヤーなど、高いパフォーマンスを要求する機器などが挙げられている。本日よりサンプル出荷を開始し、製品の出荷は2005年第2四半期の予定である。

カテゴリートップへ

注目ニュース

ASCII倶楽部

プレミアムPC試用レポート

ピックアップ

ASCII.jp RSS2.0 配信中

ASCII.jpメール デジタルMac/iPodマガジン