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P4もかすむPentium M自作の魅力

P4もかすむPentium M自作の魅力

2005年01月24日 01時32分更新

文● 鈴木 雅暢

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本記事は、月刊アスキー2004年7月号の“DOS/V Navigator”に掲載された記事を再掲したものです。

Pentium Mの性能と消費電力を徹底検証

秋葉原でじわじわとトレンドになりつつあるのが、Pentium MデスクトップPCの自作だ。今回はPentium Mの実力を検証し、対応製品を紹介していこう。

静音・省エネと性能を両立
Pentium Mの大いなる魅力

Pentium M-1.60GHzのパッケージ Pentium M対応のIntel 855GMEチップセット
Pentium M-1.60GHz。パッケージのフットプリントはmPGA478のPentium 4と同じだが、ヒートスプレッダがないため見た目の印象はずいぶん違う。Pentium M対応のIntel 855GMEチップセット。FSB400MHz、DDR333シングルチャネル、AGP 4x。サウスブリッジはICH4、またはICH4-Mが組み合わせられることが多い。

 最近、コアな自作ユーザーを中心に注目を集めているのがPentium Mだ。Pentium Mといえば、20WソコソコのTDPながらPentium 4に匹敵するほどの性能をもつモバイルCPUだ。とはいってもノートPCを自作しようというのではない。Pentium 4では実現が難しい、静音・省エネルギーかつハイパフォーマンスなデスクトップPCを実現できるCPUとして興味の対象になっているのだ。

 Pentium M単体でのパッケージ販売は昨年から行われていたが、対応マザーボードが販売され始めたのは今年に入ってから。当初は特殊な形状のために収納ケースを選ぶようなものばかりだったが、ここにきてMicroATXに対応した汎用性の高いマザーボードや、ケースとマザーボードがセットになったベアボーンキットが登場。CPUの取り扱い店も増え、だいぶ扱いやすくなってきた。

 Pentium Mは「mPGA479M」と呼ばれる479ピンのソケット仕様を採用する。フットプリント自体はPentium 4の「mPGA478」と共通だが、ダイを覆っているヒートスプレッダがないため厚さが1mm以上も薄い。そのためPentium 4と同じCPUクーラーを使うとCPUとヒートシンクが十分に接触せず、十分な冷却が行えない場合が多いので注意してほしい。とはいえ、マザーボードにCPUクーラーが付属していたり、あるいは販売店のほうでセット販売していることが多いのでそう心配する必要はないだろう。

●表1 Pentium M/Celeron Mの仕様

※2004年6月1日現在、秋葉原OVERTOPで購入できる製品
コアL2キャッシュTDP
Pentium M 745(1.80GHz)Dothan2MB21W
Pentium M 735(1.70GHz)Dothan2MB21W
Pentium M-1.70GHzBanias1MB24.5W
Pentium M-1.60GHzBanias1MB24.5W
Pentium M-1.50GHzBanias1MB24.5W
Pentium M-1.40GHzBanias1MB22W
Celeron M-1.30GHzBanias-512K512KB24.5W

●表2 Pentium Mの実測消費電力

※テスト環境は後述するベンチマークテストと同じ。モバイル用だから当然だが、省エネルギー性は圧倒的だ。
アイドル時3Dゲーム(FF XI)エンコード(WME9)
Pentium M-1.60GHz50W83W65W
Pentium M-1.60GHz
(SpeedStepオン)
47W82W65W
Pentium 4-3GHz80W148W148W
Athlon 64 3200+103W146W124W
Athlon 64 3200+
(Cool'n'Quiet)
80W146W124W

SpeedStepは使えるか?

 Pentium Mには負荷の低いときにCPUクロックと電圧を下げる省電力機能「SpeedStep(拡張版SpeedStep)」がある。これが使えるかどうかは、マザーボード、BIOSに左右される。対応マザーの「PD-41PM160M1」ではBIOSで有効/無効を切り替える項目がある。これを有効にして、Windows XPの電源オプションのプロパティでCool'n'Quietと同様に「最小の電源管理」を選択すると、見事に可変クロックが有効になった。可変クロックが有効になっているかどうかは、リアルタイムにクロック周波数を表示できるフリーウェア「CPU-Z」(http://www.cpuid.com/)などで確認するといいだろう。

 性能面に関しては、今回ベンチマークで取り上げたテストではすべて試したが、すぐに負荷が最大になると思われるエンコードや3D系ではまったく差がつかない。PCMarkやSandraでも変わらなかった。唯一差がついたのはPhotoshop 7のアクション機能を利用したテストで、こちらは拡張版SpeedStep利用時は30秒(約17%)も遅くなった。なお、程度の差はあるがこれはAthlon 64でも同じ傾向で、Cool'n'Quiet利用時は12秒(約7%)ほど遅くなっていた。消費電力に関しては表2のとおりで、あまり劇的な効果は見られない。

PFUの「PD-41PM160M1」はBIOSにSpeedStepを有効にするかどうかを選択する項目がある
PFUの「PD-41PM160M1」はBIOSにSpeedStepを有効にするかどうかを選択する項目があり、その場合クロックの上限も選べる。

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