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EC研究会とデジタルコンテンツ産業研究会、第90回合同フォーラムを開催――Yahoo! オークションとmixiに学べ!

2005年01月21日 00時00分更新

文● 編集部 伊藤咲子

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イー・マーキュリー 代表取締役 笠原健治氏
イー・マーキュリー 代表取締役 笠原健治氏

mixiは、2004年の2月下旬にスタートした国内最大級のSNS。“身近な人とのコミュニケーション”をコンセプトとしており、利用は既存ユーザーの招待がなければ登録できない“完全招待制”となっている。サービス名は、“mix”(交流する)と “i”(人)を組み合わせた造語。笠原氏の講演では、本日、mixiの会員数が30万人を突破したことが発表された。1月21日現在の会員数や書き込み数などは、以下のとおり。



会員数
30万
1日あたりの日記書き込み数
6万7226件
日記に対する1日あたりのコメント書き込み数
32万1269件
コミュニティー数
7万6455件
mixiのユーザー数、PVを示すグラフ
mixiのユーザー数、PVを示すグラフ。指数関数のような曲線を描き、右肩上がり拡大している

笠原氏から「mixiを知っているか」という質問が会場に投げかけられたところ、知っているとして挙手したのは3割程度だった。そのためか、講演ではSNSの基本的な概念やmixiの機能などの説明に多くの時間が割かれた。SNSとは、笠原氏によれば、

  • 自分のプロフィールや友人のリストなど現実社会の関係性をインターネットで再現
  • 友人の輪をつなぐ、人脈図を可視化
  • 日記やコミュニティー、紹介文などで、友人や、友人の友人、同じ趣味を持った人とコミュニケーションを図れる
  • 新しい知識や情報を得られる
  • 誰でも会員登録可能なものと、招待制のものと2種類がある
  • 利用は無料なことが多い

――などの特徴があるという。

mixiで提供する機能は、「コミュニケーションを活性化するにはどうすればいいか」という視点で企画開発されている。現在運用されている数々の機能のうち、笠原氏が中心的な機能としたのは、

  1. 日記の読み書きやコメントの付加ができる“日記”
  2. 共通する趣味などを持つユーザーとコミュニケーションが図れる“コミュニティ”
  3. 自分の書き込みの履歴や友人の日記など最新のトピックを抽出して表示する自分用のトップページ“最新情報”
  4. 自分のページに誰が来たかを表示する“足あと”

――の4つ。“日記”は友人とコミュニケーションがとれるmixiの“縦串”、掲示板的な機能の“コミュニティ”は仕事や趣味など同じ関心や属性を持つ人と新しい交流を持つことができる“横串”で、「縦横の関係が上手く織り成しながら、mixi全体として拡張していく」のだという。mixiの1つの特徴となっている“足あと”機能は、自分が見たことが相手に自動的に知られてしまうため会員から賛否両論があるが、「日記を掲載して、見てほしい人が見てくれたら、非常に嬉しいだろう。それが日記を書くモチベーションや、コミュニケーションを交わしていくための刺激になっていくと思う」と、笠原氏は考えている。mixiのユーザーのアクティビティーについては、2004年の4月頃から継続して、全体の約70%が最後の利用から3日以内に再び利用しているという。



友人との距離を一気に縮められるツール

笠原氏は、“mixiの社会的な価値”の1つとして、情報伝達の速さとコストを挙げた。「例えば、遠く離れた友人と簡単にコンタクトがとれる。あるいは最近知り合ったばかりの友人の趣味や興味が、プロフィールなり日記なりを見ればすぐにわかる。つまり、これまでだったら2~3年かかって知っていたであろう情報を、良くも悪くも知ることができる。そのほか、良く知っている友人であっても新たな一面を知る切っ掛けになるだろうし、自分のことをよく知ってもらうための情報発信の機会にもなる。mixiは、“友人との距離を一気に縮める”という価値提供があると考えている」

笠原氏だが、「深刻ではないが」と前置きした上で、mixiの現状の課題を挙げた。それは、

  1. システム負荷への対応
  2. 安心感/信頼感のある居心地の良いコミュニティーの提供
  3. 収支

――の3点で、これらはサービス開始当初から変わらないという。mixiの現在の収益源はバナー広告やアフィリエートだが、単月で「そこまでひどい赤字ではない赤字」が続いている。現在はバナー広告やアフィリエートなどの収益源があるが、今後の計画については、「いくつか考えているものがあって、わりと早い段階で発表があるかと思う」とだけ公表した。

最後に笠原氏は今後のビジョンとして、コンセプトのより一層の実現、社会的価値の増進、サービスの完成度を高めることなどを挙げるとともに、“インフラへの挑戦”として「1人1アカウントを持っていただけるような、毎日使っていただけるようなサービスを目指したい。電子メールやメッセンジャーに近い、コミュニケーションツールとして発展していければ」と述べた。mixiを運営するモチベーションは「ユーザーからの励まし」だという。

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