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NTTデータなど、GPSによる位置情報を活用した“バーチャルバスガイドシステム”の実証実験を開始――海外からの観光客向け多言語対応や人材教育にも活用

2005年01月21日 19時39分更新

文● 編集部 小西利明

バーチャルバスガイドシステムのイメージ写真。グラスビジョンに表示されるバスガイドの解説に合わせて、上部のディスプレーに映像コンテンツが表示される
バーチャルバスガイドシステムのイメージ写真。グラスビジョンに表示されるバスガイドの解説に合わせて、上部のディスプレーに映像コンテンツが表示される

(株)エヌ・ティ・ティデータ、(株)エヌ・ティ・ティデータ中国、(株)広交本社の3社は21日、GPSを利用してバスの位置や走行状態に合わせて乗客にガイドを行なうシステム『ツアートレーサー』を開発。同システムを活用した、“バーチャルバスガイドシステム”の実証実験を24日に開始すると発表した。4月の事業化を目指すとしている。

観光バスでのツアーには欠かせないバスガイドだが、観光シーズンとそれ以外の時期では需要に大きな差があるほか、多額の育成・維持コスト、勤続年数の短さなど、ビジネスとしては厳しい要素が多い。さらには外国人観光客の増加に対応できるガイドや通訳の確保など、新しい課題も登場している。

NTTデータ中国が中心となってシステムを開発を行なったツアートレーサーは、バスにGPSや自立航法センサーなどを搭載し、位置情報や走行状態に合わせて、あらかじめ作成しておいたガイドの映像や付随情報といったコンテンツを表示するガイドシステムである。これを活用したバーチャルバスガイドシステムの場合、観光バスが回る観光スポットや移動ルートを設定しておき、実際にバスが各スポットに近づくと、ガラスパネルにプロジェクターで映像を投影するディスプレー“グラスビジョン”にバスガイドの映像が表示され、映像と音声で本物のバスガイドと同様に観光スポットに関する説明を行なう。また別のディスプレーに付随する情報を表示して、ガイド内容を分かりやすく示す。バスガイドによる案内は観光情報だけでなく、休憩点や集合時間の案内など本物同様の案内も行なえる。これのシステムによってバスガイドを代替することで、バスガイドの確保問題や多言語対応を行なう。

発表会で披露されたツアートレーサーのデモ。実際には写真左のディスプレーなどが観光バス内に設置される
発表会で披露されたツアートレーサーのデモ。実際には写真左のディスプレーなどが観光バス内に設置される
付随情報表示用のディスプレーと、バスガイド表示用のグラスビジョンの2種類で構成される。グラスビジョンはプロジェクターによる背面投影式 観光スポットに近づくと、映像のバスガイドにより「左手に見えますのは~」とお馴染みの台詞が流れ出す。本物のバスガイドによるガイドを映像化しているので、雰囲気は申し分ない
付随情報表示用のディスプレーと、バスガイド表示用のグラスビジョンの2種類で構成される。グラスビジョンはプロジェクターによる背面投影式観光スポットに近づくと、映像のバスガイドにより「左手に見えますのは~」とお馴染みの台詞が流れ出す。本物のバスガイドによるガイドを映像化しているので、雰囲気は申し分ない
バスガイドによる音声ガイドだけでなく、登録済みの観光スポットに関連した映像や文字情報も表示される。これはなかなか分かりやすいバスガイドによる音声ガイドだけでなく、登録済みの観光スポットに関連した映像や文字情報も表示される。これはなかなか分かりやすい

バスにはディスプレーやGPSの他、センサー制御やコンテンツ再生を行なうコンピューター(HDDレスのパソコンベース)などが設置され、運転手がスタートさせるだけで、後は自動で動作する。障害物でGPSが受信できない状況にも対応するため、FM文字放送を使って補足情報の送信も行なう。グラスビジョンは不必要な時(たとえば乗客の乗降時など)には、天井に収納可能となる。グラスビジョンを採用したのは、通常の液晶ディスプレーなどはバスガイドの映像を表示していないときに前方の景色を邪魔してしまうため、非表示時には透けて見えるグラスビジョンを採用したとのことだ。実写映像では服装の色などで見にくい場合もあり、さらに多国語対応も考慮して、バスガイドはキャラクターを使用することを検討しているという。

道路状況によってバスが予定のルートを変更したり、ポイントを回る順番が変わることもあるが、GPSによる位置情報を元にしているため、ポイントに応じた正しいコンテンツを再生できるということだ。もし予定と異なる方向から観光スポットに近づいても対応できるように、実験では左右それぞれに応じた映像が用意されている。そのため右に観光スポットがあるのに、映像では「左にございますのは~」と再生される、なんてことは起こらない。

バスに搭載される機材。GPSや制御・コンテンツ再生を行なうコンピュータ、ディスプレー類で構成される
バスに搭載される機材。GPSや制御・コンテンツ再生を行なうコンピュータ、ディスプレー類で構成される
走行前に地図上でコンテンツ再生を行なうポイントを設定しておき、それらを結ぶルートを定義する 設定された観光ルートの図。右にある黄色い矢印がバスの位置。バスが予定ルートを外れても、位置情報から適切なコンテンツを再生できる
走行前に地図上でコンテンツ再生を行なうポイントを設定しておき、それらを結ぶルートを定義する設定された観光ルートの図。右にある黄色い矢印がバスの位置。バスが予定ルートを外れても、位置情報から適切なコンテンツを再生できる

バーチャルバスガイドシステムは観光客へのガイドはもちろん、バスガイドの教育用途にも利用できるとしている。音声や情報を差し替えれば日本語以外の言語でのガイドも可能になるため、増加が期待される外国人観光客への対応も従来より容易になるだろう。

24日より開催される実験では、広交本社の旅客向け運送業部門である広交観光(株)の協力で作成された、広島市内の観光スポットを巡る“平和教育コース”に対応したデータを使用し、広交観光のバスに一般のツアー客を対象にして行なわれる。実験期間は24日から3月15日までで、2月23日からは英語でガイドを行なう実験も行なわれる。

4月以降の事業化については、中国地方を皮切りに、将来的には全国でのサービスを目指す。価格はバスへの設置機材がグラスビジョンなしの場合1台あたり150万円程度から、グラスビジョン設置の場合は200万円程度から。さらに対応するコンテンツの提供(月額方式でバス10台ごとに10万~50万円程度)が必要となる。システム開発はNTTデータ中国が行ない、コンテンツ提供用の“コンテンツ一元ダウンロードセンター”の構築・運用はNTTデータが担当する。コンテンツ作成については、対象地域で業務を行なうバス会社との共同により行なう。

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