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ファンレスビデオカード特集 Vol.1

ファンレスビデオカード特集 Vol.1

2005年01月04日 00時00分更新

文● 鈴木 雅暢

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ファンレスビデオカード特集 Vol.1

本文中の価格や付属品は、原稿執筆当時(2004年春)のものです。現時点では変更されている場合がありますので、購入前にご確認ください。

ビデオカード市場では、ミドルレンジ以下に新製品の登場が相次いでいる。今回は特に静音ニーズに適したファンレスビデオカードを集めた。

Tornado GeForce FX5700LE 256MB

GeForce FX5700LE搭載の最新ファンレスカード
InnoVISION「Tornado GeForce FX5700LE 256MB」 コネクタ部分
InnoVISION「Tornado GeForce FX5700LE 256MB」コネクタ部分
メーカー名
InnoVISION
価格
1万5000円(実売価格)

 ファンレスのビデオカードといえば、ATIとNVIDIAのローエンドにあたる「RADEON 9200SE」または「GeForce FX5200」のほか、比較的高性能な製品には「RADEON 9600」、およびそのダウングレードモデルが使われていることが多かった。一方、これまでGeForce系のミドルレンジクラスであるFX5600やFX5700系は発熱が高く、ファンレス化が難しかったが、正式には未発表のまま搭載製品が登場している「FX5700LE」は、RADEON 9600に対抗できるミドルレンジの低発熱チップとして期待がかかる。

 GeForce FX5700LEは、名前のとおりGeForce FX5700の廉価版という位置づけで、FX5700のコア/メモリスピードが425MHz/500MHzであるのに対し、それぞれ250MHz/400MHzにダウングレードされている。クロックは大幅に下がっているが、ベンチマークの結果などを見ると、4本のレンダリングパイプライン、128bitのメモリバスなどはFX5700と同様に備えているようだ。なお、同時期には同じく未発表の「GeForce FX5500」という製品も登場しているが、こちらはFX5700よりはFX5200に近い製品のようである。

「GeForce FX5700LE」 「GeForce FX5500」
「GeForce FX5700LE」「GeForce FX5500」
左は(原稿執筆時点で)未発表のまま製品が発売されている「GeForce FX5700LE」。コア/メモリスピードはそれぞれ250MHz/400MHzとFX5700から大幅にダウンしている。右はFX5200の高クロック版として登場した「GeForce FX5500」。

 InnoVISIONから登場した本製品は現在販売されているFX5700LE搭載カードのなかでも唯一のファンレス製品。ヒートシンクは特に大げさなものでないため、今後他社からもファンレス製品が登場しても不思議ではない。なお、本製品はメモリ搭載容量が256MBのモデルだが、メモリ128MBのモデルも1万3500円前後で販売されている。

Tornado GeForce FX5700LE 256MBの主なスペック
製品名 Tornado GeForce FX5700LE 256MB
メーカー InnoVISION
ビデオチップ GeForce FX5700LE
ビデオメモリ 256MB
インターフェイス AGP
コアクロック 250MHz
メモリスピード 400MHz
メモリバス幅 128bit
コネクタ デジタル、アナログ、TV出力(専用)
ボードサイズ 168(幅)×92(高さ)mm
ヒートシンク高(上/下) 約15mm/0mm
LowProfileコネクタ
主な付属品 アナログ→デジタル変換アダプタ、ビデオケーブル(専用→RCA)
主な付属ソフト WinDVD、WinDVD Creator

RADEON 9600XT ULTIMATE Edition

ミドルレンジ最速チップをファンレス化
SAPPHIRE「RADEON 9600XT ULTIMATE Edition」 コネクタ部分
SAPPHIRE「RADEON 9600XT ULTIMATE Edition」コネクタ部分
メーカー名
SAPPHIRE
価格
3万円弱(実売価格)
「RADEON 9600XT」
9600Proからコアクロックを100MHz高い500MHzへ高めた「RADEON 9600XT」。チップ温度を検知し、自動でオーバークロックする「ATI OVERDRIVE」にも対応する。

 RADEON系のファンレスカードは、一世代前の9600か、そのメモリバスを64bitにした9600SEを搭載したものだが、本製品はヒートパイプ付きのヒートシンクを利用して9600系で最高の性能を持つ「RADEON 9600XT」をファンレス化し、性能と静音を両立している。意外にもヒートシンクのボリュームもさほどではなく、隣接するPCIスロットを無駄にすることなく利用可能だ。チップ温度が低い場合に自動でオーバークロックを行う「ATI OVERDRIVE」にも対応はしているが、負荷時のヒートシンク温度は60℃前後にものぼるため、実際に機能することはない。


RADEON 9600XT ULTIMATE Editionの主なスペック
製品名 RADEON 9600XT ULTIMATE Edition
メーカー SAPPHIRE
ビデオチップ RADEON 9600XT
ビデオメモリ 128MB
インターフェイス AGP
コアクロック 500MHz
メモリスピード 600MHz
メモリバス幅 128bit
コネクタ デジタル、アナログ、TV出力(S端子)
ボードサイズ 172(幅)×98(高さ)mm
ヒートシンク高(上/下) 約16mm/15mm
LowProfileコネクタ デジタル、TV出力(S端子)
主な付属品 ビデオ変換アダプタ(S→RCA)、デジタル→アナログ変換アダプタ、ビデオケーブル2本(S/RCA)
主な付属ソフト TOMB RAIDER、REDLINE、PowerDVD、HALF-LIFE2(クーポンのみ)

FX5600VTD128OC-J

ヒートレーンによりFX5600をファンレス化
MSI「FX5600VTD128OC-J」 コネクタ部分
MSI「FX5600VTD128OC-J」コネクタ部分
メーカー名
MSI
価格
1万8000円前後(実売価格)
「FX5600VTD128OC-J」のヒートレーン
ヒートレーンはかなりのボリューム。背面側はチップクーラーなどと干渉しないようスロット上に25mmほどのクリアランスがあるが、装着できないマザーボードもあるだろう。

 MSIのファンレスビデオカード「寂」シリーズの最上位製品。冷却デバイスにTSヒートロニクス社が開発した「AL-EX(アルエックス)ヒートレーンプレート」を利用。通常のアルミ板の15~70倍ともいわれる高い熱輸送力によって、ファンレス化するだけでなく、通常350MHzであるFX5600のエンジンクロックを400MHzにオーバークロックした状態で製品化しており、高性能が期待できる。ファンレス製品の少ないGeForce系としてはたいへん貴重な存在だ。デジタル→アナログ変換アダプタのほか、ビデオ入出力用にRCA/S-VIDEOそれぞれの端子をもつマルチコネクタも付属する。


FX5600VTD128OC-Jの主なスペック
製品名 FX5600VTD128OC-J
メーカー MSI
ビデオチップ GeForce FX5600
ビデオメモリ 128MB
インターフェイス AGP
コアクロック 400MHz
メモリスピード 700MHz
メモリバス幅 128bit
コネクタ デジタル、アナログ、TV出力(専用)
ボードサイズ 226(幅)×90(高さ)mm(ヒートレーン含む)
ヒートシンク高(上/下) 約33mm/約30mm
LowProfileコネクタ
主な付属品 ビデオ変換アダプタ(専用→RCA入力/S入力/RCA出力/S出力)、デジタル→アナログ変換アダプタ、ビデオケーブル(S)
主な付属ソフト WinDVD、WinCode Creator Plus、Adobe Photoshop AlbumSE

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