本文中の価格や付属品は、原稿執筆当時(2004年春)のものです。現時点では変更されている場合がありますので、購入前にご確認ください。
ビデオカード市場では、ミドルレンジ以下に新製品の登場が相次いでいる。今回は特に静音ニーズに適したファンレスビデオカードを集めた。
Tornado GeForce FX5700LE 256MB
GeForce FX5700LE搭載の最新ファンレスカード
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InnoVISION「Tornado GeForce FX5700LE 256MB」 | | コネクタ部分 |
- メーカー名
- InnoVISION
- 価格
- 1万5000円(実売価格)
ファンレスのビデオカードといえば、ATIとNVIDIAのローエンドにあたる「RADEON 9200SE」または「GeForce FX5200」のほか、比較的高性能な製品には「RADEON 9600」、およびそのダウングレードモデルが使われていることが多かった。一方、これまでGeForce系のミドルレンジクラスであるFX5600やFX5700系は発熱が高く、ファンレス化が難しかったが、正式には未発表のまま搭載製品が登場している「FX5700LE」は、RADEON 9600に対抗できるミドルレンジの低発熱チップとして期待がかかる。
GeForce FX5700LEは、名前のとおりGeForce FX5700の廉価版という位置づけで、FX5700のコア/メモリスピードが425MHz/500MHzであるのに対し、それぞれ250MHz/400MHzにダウングレードされている。クロックは大幅に下がっているが、ベンチマークの結果などを見ると、4本のレンダリングパイプライン、128bitのメモリバスなどはFX5700と同様に備えているようだ。なお、同時期には同じく未発表の「GeForce FX5500」という製品も登場しているが、こちらはFX5700よりはFX5200に近い製品のようである。
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「GeForce FX5700LE」 | | 「GeForce FX5500」 |
左は(原稿執筆時点で)未発表のまま製品が発売されている「GeForce FX5700LE」。コア/メモリスピードはそれぞれ250MHz/400MHzとFX5700から大幅にダウンしている。右はFX5200の高クロック版として登場した「GeForce FX5500」。 |
InnoVISIONから登場した本製品は現在販売されているFX5700LE搭載カードのなかでも唯一のファンレス製品。ヒートシンクは特に大げさなものでないため、今後他社からもファンレス製品が登場しても不思議ではない。なお、本製品はメモリ搭載容量が256MBのモデルだが、メモリ128MBのモデルも1万3500円前後で販売されている。
Tornado GeForce FX5700LE 256MBの主なスペック |
製品名 |
Tornado GeForce FX5700LE 256MB |
メーカー |
InnoVISION |
ビデオチップ |
GeForce FX5700LE |
ビデオメモリ |
256MB |
インターフェイス |
AGP |
コアクロック |
250MHz |
メモリスピード |
400MHz |
メモリバス幅 |
128bit |
コネクタ |
デジタル、アナログ、TV出力(専用) |
ボードサイズ |
168(幅)×92(高さ)mm |
ヒートシンク高(上/下) |
約15mm/0mm |
LowProfileコネクタ |
- |
主な付属品 |
アナログ→デジタル変換アダプタ、ビデオケーブル(専用→RCA) |
主な付属ソフト |
WinDVD、WinDVD Creator |
RADEON 9600XT ULTIMATE Edition
ミドルレンジ最速チップをファンレス化
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SAPPHIRE「RADEON 9600XT ULTIMATE Edition」 | | コネクタ部分 |
- メーカー名
- SAPPHIRE
- 価格
- 3万円弱(実売価格)
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9600Proからコアクロックを100MHz高い500MHzへ高めた「RADEON 9600XT」。チップ温度を検知し、自動でオーバークロックする「ATI OVERDRIVE」にも対応する。 |
RADEON系のファンレスカードは、一世代前の9600か、そのメモリバスを64bitにした9600SEを搭載したものだが、本製品はヒートパイプ付きのヒートシンクを利用して9600系で最高の性能を持つ「RADEON 9600XT」をファンレス化し、性能と静音を両立している。意外にもヒートシンクのボリュームもさほどではなく、隣接するPCIスロットを無駄にすることなく利用可能だ。チップ温度が低い場合に自動でオーバークロックを行う「ATI OVERDRIVE」にも対応はしているが、負荷時のヒートシンク温度は60℃前後にものぼるため、実際に機能することはない。
RADEON 9600XT ULTIMATE Editionの主なスペック |
製品名 |
RADEON 9600XT ULTIMATE Edition |
メーカー |
SAPPHIRE |
ビデオチップ |
RADEON 9600XT |
ビデオメモリ |
128MB |
インターフェイス |
AGP |
コアクロック |
500MHz |
メモリスピード |
600MHz |
メモリバス幅 |
128bit |
コネクタ |
デジタル、アナログ、TV出力(S端子) |
ボードサイズ |
172(幅)×98(高さ)mm |
ヒートシンク高(上/下) |
約16mm/15mm |
LowProfileコネクタ |
デジタル、TV出力(S端子) |
主な付属品 |
ビデオ変換アダプタ(S→RCA)、デジタル→アナログ変換アダプタ、ビデオケーブル2本(S/RCA) |
主な付属ソフト |
TOMB RAIDER、REDLINE、PowerDVD、HALF-LIFE2(クーポンのみ) |
FX5600VTD128OC-J
ヒートレーンによりFX5600をファンレス化
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MSI「FX5600VTD128OC-J」 | | コネクタ部分 |
- メーカー名
- MSI
- 価格
- 1万8000円前後(実売価格)
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ヒートレーンはかなりのボリューム。背面側はチップクーラーなどと干渉しないようスロット上に25mmほどのクリアランスがあるが、装着できないマザーボードもあるだろう。 |
MSIのファンレスビデオカード「寂」シリーズの最上位製品。冷却デバイスにTSヒートロニクス社が開発した「AL-EX(アルエックス)ヒートレーンプレート」を利用。通常のアルミ板の15~70倍ともいわれる高い熱輸送力によって、ファンレス化するだけでなく、通常350MHzであるFX5600のエンジンクロックを400MHzにオーバークロックした状態で製品化しており、高性能が期待できる。ファンレス製品の少ないGeForce系としてはたいへん貴重な存在だ。デジタル→アナログ変換アダプタのほか、ビデオ入出力用にRCA/S-VIDEOそれぞれの端子をもつマルチコネクタも付属する。
FX5600VTD128OC-Jの主なスペック |
製品名 |
FX5600VTD128OC-J |
メーカー |
MSI |
ビデオチップ |
GeForce FX5600 |
ビデオメモリ |
128MB |
インターフェイス |
AGP |
コアクロック |
400MHz |
メモリスピード |
700MHz |
メモリバス幅 |
128bit |
コネクタ |
デジタル、アナログ、TV出力(専用) |
ボードサイズ |
226(幅)×90(高さ)mm(ヒートレーン含む) |
ヒートシンク高(上/下) |
約33mm/約30mm |
LowProfileコネクタ |
- |
主な付属品 |
ビデオ変換アダプタ(専用→RCA入力/S入力/RCA出力/S出力)、デジタル→アナログ変換アダプタ、ビデオケーブル(S) |
主な付属ソフト |
WinDVD、WinCode Creator Plus、Adobe Photoshop AlbumSE |