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【Xmas特別企画】Xmasに似合うデジタルカメラ『CONTAX i4R』

2004年12月24日 23時55分更新

文● 編集部 伊藤咲子

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CONTAX i4R
CONTAX i4R(シルバー)

10月に発表された、京セラ(株)製造のコンパクトデジタルカメラ『CONTAX i4R』は、有効400万画素CCDを搭載し、香水ボトルを想起させるデザインが特徴。CONTAX i4Rの“i”は“identity(個性)”の頭文字を採ったもので、メーカーは「持つ喜び」と「誰でも簡単にプロと同じ写真が撮れる」(WPC 2004のレポートより)ということを製品のコンセプトとしている。今回は“クリスマスに最も似合うデジタルカメラ”として筆者が選び、フォトレビューを行なった。作例の撮影場所は、Xmasイブ前日の23日の東京・丸の内周辺。

香水ボトルと一口にいっても、古代エジプト調、アールヌーボー/アールデコ調など、素材やフォルムもさまざまだが、CONTAX i4Rの印象は“モード”。 メーカーは“ソリッドデザイン”と呼んでいるが、レンズカバー部分を除いた本体部分はスクエアな形状で、ボタンなどの配列は横(幅)の方向にシンメトリーになっている。出っ張りを極力なくした面や、直角を生かしたデザイン、冷んやりとしたアルミ素材など、手に取ると強く主張を感じる。また、シルバーのアクセントとして、正面のレンズ周辺部と背面の決定ボタンに鮮やかな赤が使用され、また、レンズカバー端の“セルフタイマーLED”(赤)、十字キーの右上下にある“警告LED”(赤)と“カードアクセスLED”(橙)と、アクセントとしてLEDが使用されている。また、液晶パネル脇の撮影/再生/セットアップと使用中の機能を示すマークも、赤/橙/緑の3色に輝く。本体サイズは、幅94×奥行き21(最薄部17)×高さ38.5mm。重さは約90g(バッテリー、メモリーカード別)なので、撮影時でも多機能タイプの携帯電話とほぼ同等に感じられるだろう。



化粧箱はスッキリとしたデザイン 正面
化粧箱はスッキリとしたデザイン正面。レンズカバーが電源スイッチとなっており、これを引くとレンズが伸張する
背面 天面
背面。1.5インチTFTカラー液晶パネル(557×234ドット)を見ながら構図を決める。光学ファインダーは備えていない天面。中央のボタンが連写機能の切換ボタンで、その右がシャッターボタン。シャッターボタンは出っ張っていないので、その位置は、シャッターボタンの両端にあるわずかに盛り上がった丸い点で確認する
右側面 左側面
右側面。向かって右はストラップ用の通し穴、左はマイク。今回は使用していないが、動画撮影(AVI形式、30フレーム/秒ないし15フレーム/秒)が可能左側面。カバーを外すと、SDメモリーカードスロットやバッテリーの差込口が現れる
化粧箱はスッキリとしたデザイン
フラッシュの右端に備えられたセルフタイマーLED動画撮影マークと静止画撮影マークは赤、再生マークは橙、セットアップマークは緑に、それぞれ使用中に光る
LEDがアクセントとして使用されている

レンズは単焦点AFで、焦点距離は6.5mm(35mmフィルムカメラ換算時:39mm相当)。最大6倍のデジタルズームを備える。撮像素子は1/2.5インチ正方画素CCD(総419万画素)で、レンズは3群4枚のCarl Zeiss Tessar T*(カールツァイス テッサー ティースター)レンズ(F2.8)。夜景/夜景ポートレート/トワイライトなど、合計8つの代表的な撮影シーン向けに、ホワイトバランスやシャッタースピードなどを自動的に設定できる“シーンモード”機能を備えるほか、ホワイトバランス/露出/ISO感度(最大400)などを変更することが可能。また、測光モード(評価測光/中央重点測光/スポット測光)/フォーカス(マルチAF/スポットAF)のほか、彩度(3段階)、シャープネス(5段階)の設定といったコンパクトカメラには比較的珍しい詳細な機能も備えている。より詳しいスペックはこちらの記事を参照してほしい。

CONTAX i4Rを手にしたところ(1) CONTAX i4Rを手にしたところ(2)
本体に対してフラットなシャッターボタンは、爪が長い女性には押しにくい。グッと押し込んで、手ブレすることも
写ルンです Night & Dayと比較したところ(1) 写ルンです Night & Dayと比較したところ(2)
富士写真フイルム(株)のレンズ付きフイルム『写ルンです Night & Day』(幅108.0×奥行き34.5×高さ54.0mm)と大きさを比較したところ。写ルンです Night & Dayは、夜景(背景)と人物を同時に美しく写すことをコンセプトとした、高感度/微粒子カラーネガフィルム/フラッシュ/F6.2の2枚組レンズを搭載した高機能モデル

作例は、全体として、自然な、落ち着いた色合いが印象的だった。また、クリスマスカラーの赤×緑のようなコントラストがはっきりとした被写体を撮影する場合は、彩度の設定を変更すると仕上がりに大きく差が出るので、試してほしい(写真参照)。また、メモリーカードの容量いっぱいまでの連写を可能にする画像処理システム“RTUNE(アールチューン)”を搭載しており、毎秒3コマないし、AFを動作させた状態で毎秒1.4コマの撮影が可能。今回は、連写機能を使って水鳥が潜水する様子を連続撮影したが、例えば被写体の表情などに少しずつ動きをつけてもらいながら連写すれば、本物よりもいい(!)“奇跡の1枚”が撮れるかもしれない。

マクロ撮影(1) マクロ撮影(2)
2272×1704ドットで撮影した画像を、Adobe Photoshop Elementsを使って640×480ドットにリサイズ左と同じ被写体に約5cmまで近寄って撮影。周辺部はぼやけたが、中央部は刻みパセリの輪郭、ミートソースや麺の質感がよく出ている。2272×1704ドットで撮影した画像を、Photoshop Elementsを使って640×480ドットにリサイズ
マクロ機能は被写体に5cmまで近寄ることが可能
彩度設定(1A) 彩度設定(1B)
写真は彩度-1で撮影。2272×1704ドットで撮影した画像を、Photoshop Elementsを使って640×480ドットにリサイズ彩度-1で撮影した写真の部分。2272×1704ドットで撮影した画像の部分(640×480ドット)を切り出したもの
彩度設定(2A) 彩度設定(2B)
彩度±0で撮影した写真の部分。2272×1704ドットで撮影した画像を、Photoshop Elementsを使って640×480ドットにリサイズ彩度±0で撮影した写真の部分。2272×1704ドットで撮影した画像の部分(640×480ドット)を切り出したもの
彩度設定(3A) 彩度設定(3B)
彩度+1で撮影した写真の部分。2272×1704ドットで撮影した画像を、Photoshop Elementsを使って640×480ドットにリサイズ彩度+1で撮影した写真の部分。2272×1704ドットで撮影した画像の部分(640×480ドット)を切り出したもの
彩度は3段階で設定の変更が可能
シャープネス(元画像) シャープネス(2)
元画像。2272×1704ドットで撮影した画像を、Photoshop Elementsを使って640×480ドットにリサイズシャープネス-1で撮影した元画像の一部を切り出し、さらに拡大したもの
シャープネス(3) シャープネス(4)
シャープネス+1で撮影した元画像の一部を切り出し、さらに拡大したものシャープネス+3で撮影した元画像の一部を切り出し、さらに拡大したもの。文字と背景の境界が強調されている
シャープネスは5段階の設定。ここでは、シャープネスが最もかかっていない-1、中間の+1、シャープネスが最もかかっている+3をピックアップした
鵜(1) 鵜(2)
2272×1704ドットで撮影した画像を、Photoshop Elementsを使って640×480ドットにリサイズ。望遠側で撮影2272×1704ドットで撮影した画像を、Photoshop Elementsを使って640×480ドットにリサイズ。望遠側で撮影
鵜(3) 鵜(4)
2272×1704ドットで撮影した画像を、Photoshop Elementsを使って640×480ドットにリサイズ。望遠側で撮影2272×1704ドットで撮影した画像を、Photoshop Elementsを使って640×480ドットにリサイズ。望遠側で撮影
毎秒3コマの連写機能で水鳥が潜水する様子を撮影。今回のように連続写真として楽しむもよし、最高のカットを1枚撮るためのツールとして使うもよし
ビル 皇居の堀
2272×1704ドットで撮影した画像を、Photoshop Elementsを使って640×480ドットにリサイズ2272×1704ドットで撮影した画像を、Photoshop Elementsを使って640×480ドットにリサイズ
イルミネーション 東京駅
夜景モードを使用せずにイルミネーションを撮影。2272×1704ドットで撮影した画像を、Photoshop Elementsを使って640×480ドットにリサイズ。ISO 50夜景モードを使用した作例。2272×1704ドットで撮影した画像を、Photoshop Elementsを使って640×480ドットにリサイズ
自然な、落ち着いた色合い

撮影中に最も注意したいのは手ブレで、CONTAX i4Rには三脚の穴が備えられていないので、本体を床や壁に置いたり、ネックストラップを用意して首と両手の3点で固定するなどして撮影したい。また、一度電源をOFFにすると、フラッシュの設定(オート/赤目軽減/発光禁止/強制発光)が自動的にオートに戻る仕様となっている。連写機能をONにしたり夜景や夕焼けモードを設定していれば自動的に発光はしないのだが、フラッシュ撮影が禁止されている場所では特に気にかけたい。

なお、使用条件によっても異なるが、今回のレビューでは、フル充電の状態から2272×1704ドットの写真を160枚撮影することができた(フラッシュを使った撮影は全体の3%)。メーカーによると、同じ解像度でフラッシュの使用率が50%の場合は約100枚撮影が可能という(CIPA基準による同社測定値)。CONTAX i4Rの充電は付属のクレードル経由でしか行なえないので、旅行に出かける場合は、クレードルを持ち歩くか、オプションとして販売されている予備バッテリーを持ち歩くことを勧める。本体と直結できるUSB充電ケーブルが製品化されれば、携帯性がより高まるだろう。

左側面のカバーは樹脂製 パソコンとクレードルをUSBケーブルで接続したところ
左側面のカバーは、写真のように細いプラスチックで本体から外れないようになっている。SDカードを抜き差しせずに撮影画像をパソコンで見られるので、カバーを開閉する機会は少ないだろうパソコンとクレードルをUSBケーブルで接続したところ。USB 2.0対応
パソコン側では外部ストレージとして認識される クレードルの背面
パソコン側では外部ストレージとして認識される(写真の“リムーバブル ディスク(G:)”がCONTAX i4R)クレードルの背面。左からUSB端子、D3映像出力端子、ビデオ出力端子、電源入力端子
CONTAX i4RはUSBマスストレージクラスに対応し、本体をクレードルに設置すれば、パソコンとの間でデータをやりとりできる


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