■パソコンなしでスキャニングが可能
「F-3200」は、35mm判(ストリップ/スライド)/ブローニー判/4×5インチ判──に対応したフィルムスキャナーだ。MacとUSBまたはFireWire接続した状態でのほか、本製品単独でもスキャニングを行うことができる。
最近のフラットベッドスキャナーは、透過原稿ユニットが付属している製品が多い。ただし、付属するフィルムホルダーにセットしても、フィルムがゆがんでしまうことがあり、平面性に不安が残るものもある。これに対してF-3200は、フィルムホルダーにアンチニュートンリング処理(※1)されたガラスと、フィルムの四方を固定するキャリアを採用することで、平面性を向上させ、高品位なスキャニングを可能にしている。
※1 アンチニュートンリング処理 フィルムホルダーのガラスとフィルムが接触している部分に現れる、虹色の円形のモアレをニュートンリングといい、これを防ぐ処理のこと。写真1 前面には2.5インチモニター/本製品単独で操作を行うためのボタン類/メモリーカードスロット、背面にはパソコンやプリンターを接続するためのFireWireおよびUSB 2.0ポートを備えている |
Macと接続してスキャンを行うには、付属の「EPSON Scan」を使う。スキャンモードは簡単な設定のみの「ホームモード」と、マニュアルで設定できる「プロフェッショナルモード」の2種類がある。さらに、ホコリ除去機能や退色復元機能も備えている。
ちなみに、35mmのポジフィルムを最大光学解像度の3200dpi/48ビットでスキャンした場合に要する時間は、44秒67とかなり高速だ。また、6×9インチ判を2400dpi/48ビットで、4×5インチ判を1200dpi/48ビットでスキャンしてみたが、それぞれ1分1秒09/1分18秒11と、これも非常に短時間で読み取ってくれる。
画質は、商業印刷にも十分に堪えられるレベルだ。スキャンサンプルは多少彩度の高いポジフィルムでテストしているが、色再現性は優れており、かなり忠実な部類に入る(写真2)。シャドウ部も豊かな階調だ。また、ネガフィルムのスキャンも階調が崩れることはない。
写真2 セミ判カメラで撮影した富士写真フイルム(株)の「velvia 100F Professional」をスキャンした結果。同フィルム独特の発色はもちろん、シャドウ部の階調もよく出ている |
現在ではデジタルカメラが普及したとはいえ、まだまだフィルムカメラを使い込んでいるユーザーも多い。パソコンを介さずに気軽にスキャンしたいユーザーはもちろん、DTPの現場でも十分に利用できるフィルムスキャナーだ。
対応システム | Mac OS X v10.2以降/Mac OS 8.6以降 |
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本体サイズ | 幅210×奥行き250×高さ94mm |
本体重量 | 2.8kg |