“FOMA 901iシリーズ”。左から『D901i』『F901iC』『N901iC』『P901i』『SH901iC』 (C)1988,2004 SQUARE ENIX CO.,LTD. All Rights Reserved. |
(株)エヌ・ティ・ティ・ドコモは17日、W-CDMA方式の第3世代携帯電話“FOMA”の新機種“FOMA 901iシリーズ”『SH901iC』『D901i』『F901iC』『N901iC』『P901i』の開発を発表した。同シリーズのうち、最初に発売される製品は、シャープ(株)製造の『SH901iC』で、26日に全国一斉に発売する。本稿では、同日に開催された記者発表会の模様を中心にお伝えし、各製品については別記事で紹介する。
今回発表された“FOMA 901iシリーズ”の主な特徴は以下のとおり。
- “3D×3D”コンセプト
- ステレオツインスピーカー(全機種搭載)と、音の定位情報を操作できるよう拡張されたメロディー機能により空間表現が豊かになった“3Dサウンド(スーパーリアルサラウンド)”機能を搭載。従来機種にも搭載されていた3Dグラフィックス機能と合わせ、“3D×3D”コンセプトを実現
- “Gガイド番組表リモコン”iアプリプレインストール
- 電子番組表の利用が可能なiアプリ“Gガイド番組表リモコン”をプレインストールとし、8日先までの番組表取得、2日分一括での番組内容ダウンロード、ジャンル/キーワードによる番組検索、お気に入り番組設定、スケジュール登録、番組開始通知、ビデオレコーダーやテレビ向けのリモコン機能、などを装備
- “iモード FeliCa”対応(『SH901iC』『F901iC』『N901iC』)
- iモード対応携帯電話と非接触ICカード技術“FeliCa”を連携させたサービス“iモード FeliCa”に、5機種中3機種が対応。紛失/盗難時などに、あらかじめ登録した電話番号から指定回数着信させることで同サービスの利用をロックする“遠隔ロック”機能を搭載
- メール添付ファイル/着モーション/着うた/着信メロディーの容量を拡大
- iモードメールに添付可能なファイル容量を500KBまで拡大し、200万画素クラスの内蔵カメラで撮影した画像の送信が可能となった。また、毎秒15フレームの動画を着信画面に設定できる“着モーション”や、CD音源を元に作られた楽曲データを着信音にできる“着うた”の容量を500KBに、“着信メロディ”の容量を100KBにそれぞれ拡大し、従来よりも高音質/長時間のコンテンツ利用を可能とした
- Flashの機能拡張
- “Macromedia Flash”によるコンテンツから、携帯電話端末の時刻/電波状況/バッテリー残量などのデータを取得できるように機能を拡張し、これらのデータに応じた動作をするリッチコンテンツの作成が可能になった
- “セキュリティスキャン”機能搭載
- 外部から取り込むコンテンツに対して、端末動作上の問題を引き起こす可能性がある要素が存在するかどうかを自動検出する機能を標準で搭載し、高機能化が進む携帯電話のセキュリティー対策を強化
3Dサウンドと3Dグラフィックスによるiアプリの紹介 | “Gガイド番組表リモコン”の概要 | “Gガイド番組表リモコン”の機能 |
新製品『SH901iC』を手にプレゼンテーションを行なう夏野剛氏 |
同社プロダクト&サービス本部 マルチメディアサービス部部長の夏野剛氏は、昨年発表した“FOMA 900iシリーズ”に続く一斉ラインナップ改定となる今回の製品は「3G(第3世代)携帯の完成形」だとし、これらの機能強化により「901iが世界の主流になっていく」という展望を述べた。
“FOMA”契約者数の推移 | 外部サービス/コンテンツ/デバイスとの連携機能の普及状況 |
前シリーズ“FOMA 900iシリーズ”の登場により、同社の第3世代携帯電話の契約数は順調に伸び、“FOMA”サービスの契約者数は約730万、“FOMA 900iシリーズ”の累計販売数は約560万に到達、夏野氏は「(“FOMA 900iシリーズ”発表時の)公約どおり」とするとともに、今年度中に契約者数1000万を達成したいとの目標を示した。
また、携帯電話以外のサービス/コンテンツ/デバイスの連携も着実に進んでいるとして、同社携帯電話に広く搭載されている機能の普及状況についても紹介。“iモード FeliCa”対応端末は約60万台、赤外線通信対応端末は約2720万台、QRコード(2次元バーコード)リーダー搭載端末は約1400万台を販売したという。「3G端末の象徴的機能」(夏野氏)と位置付けるテレビ電話については、今年8月の実利用率(対応端末を使って実際にテレビ電話を利用した人の数)が18.1%となったといい、着実に定着しつつあるとの見解を示した。
夏野氏はこれらの状況に関連し、同社の製品展開の基本戦略について、「全機種に同じ機能を搭載し、プラットフォームとして、コンテンツプロバイダーや他社・第三者と連携」することを重視していると述べ、共通の基本機能を備えたプラットフォーム展開を今後も継続していくとした。なお、今回発表された製品が全機種で“iモード FeliCa”対応とならなかった理由については、ICチップの部品調達を考慮した“安全策”だと述べており、来年度発売される第3世代携帯電話については、全機種対応の予定だとしている。
前シリーズから引き続き、“FOMA 901iシリーズ”でもCMキャラクターを務める長谷川京子さん(左)と坂口憲二さん(右) |
発表会の最後には、従来に引き続き“FOMA 901iシリーズ”でもCMキャラクターを務める俳優の坂口憲二さんと女優の長谷川京子さんがそろって登場、坂口さんは『SH901iC』を、長谷川さんは『N901iC』をそれぞれ手に持ってステージ上でトークショーを行なった。
新CMは、長谷川さんはすでに収録を終え、坂口さんはこの発表会のあと収録とのこと。CMについてお2人は、「(CM撮影中に)実際にゲームをやらせてもらったらすごく楽しくて熱中しちゃって、いつ撮られたかわからないくらいずっと熱中してしまいました」(長谷川さん)、「新しい製品なので、気持ちも新たに」(坂口さん)と語った。
また、新製品についての感想を聞かれ、坂口さんは「洗練されたデザインで、以前に比べるとシンプルになった」と、長谷川さんは「今までにない色、アクセサリー感覚」と答えた。新機種で楽しみな機能としては、坂口さんは高画質画像の送信が可能なカメラ機能を、長谷川さんはサラウンドサウンドをそれぞれ挙げた。
トークショー中のお2人。坂口さんはカメラ、長谷川さんはサウンドが楽しみとのこと |