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コクヨS&T、紙とデジタルの文書を一元管理する“情報管理ソリューション”を発売――QRコードを使った管理システムも開発

2004年11月09日 18時36分更新

文● 編集部 佐久間康仁

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コクヨ(株)の持株制移行に伴い、ステーショナリー事業/PCサプライズ事業を継承して10月1日に発足したコクヨS&T(株)は9日、東京・品川の東京ショールームで記者説明会を開催し、紙やデジタルデータで管理されている文書を一元管理する“情報管理ソリューション”を11月中旬から首都圏を皮切りに提供開始すると発表した。

コクヨS&Tの代表取締役社長の岡本光弘氏ら
発表会に出席した、コクヨS&Tの代表取締役社長の岡本光弘氏(中央)、黒田英彦氏(右)、岩津博文氏(左)

今回発表された情報管理ソリューションで提供されるサービスは、以下の6つ。

文書管理コンサルティング
企業・団体などで保存管理している文書情報を調査分析して、問題点の抽出と把握、解決策の提案や実施などの技術指導を行なう
文書外部保管サービス
法定上保存年限の定められた書類など、破棄できないが利用頻度の低い文書を外部の倉庫で保管(必要に応じて配送)する
アクティブアーカイブ
契約書や定型の伝票など、必要な場合にすばやく参照したい文書を外部保管し、必要な場合には電子化して30分以内にメールで配信する
機密文書リサイクルサービス
保存期限の過ぎた重要文書を、機密を保持しつつ紙資源としてリサイクル。繊維を裁断しない方法で粉砕処分する
文書メディア変換サービス
紙文書をスキャン/OCR処理して、イメージデータとテキストデータを作成、およびタイトルや検索用インデックスを付与する。マイクロフィルムでの出力にも対応
ファイリングサポートサービス
紙文書のデジタル化、管理ソフトへの登録・検索、維持管理など外部に持ち出せない文書を社内で管理するための人材を派遣する

文書管理コンサルティング 文書外部保管サービス アクティブアーカイブ
文書管理コンサルティング文書外部保管サービスアクティブアーカイブ
機密文書リサイクルサービス 文書メディア変換サービス ファイリングサポートサービス
機密文書リサイクルサービス文書メディア変換サービスファイリングサポートサービス
今回発表された情報管理ソリューションの具体的な内容

発表会には、コクヨS&Tの代表取締役社長の岡本光弘氏、情報管理ソリューションBU長の黒田英彦氏、情報管理ソリューションBUの岩津博文氏らが出席し、コクヨS&Tの企業概要や“情報管理ソリューション”の詳細、ならびに現在開発中で2005年4月に提供開始予定のQRコード(2次元バーコード)を利用した文書管理システム『Relational Filing System(RFS)』の説明などを行なった。

コクヨS&Tの掲げるビジョン “モノ”から“コト”の提案へ
コクヨS&Tの掲げるビジョン“モノ”を売るだけから、“コト”を提案できる会社へ変貌すると宣言

岡本氏はコクヨS&Tの社名の由来に触れながら、「既存のステーショナリとIT用品の販売事業を引き継ぎつつも、これにこだわることなく、顧客が求めるソリューション(S)とテクノロジー(T)の提供を目指して、S&Tと名づけた。扱う製品も、労働環境も変わっており、それに合わせて自分たち(コクヨ)も変わらなければならない。ステーショナリーは市場の縮小が叫ばれているが、自ら積極的にその枠を広げていく。“モノ”だけの提案から、“コト”の提案へと切り替える。具体的には、購買方法や購買の効率化を提案したり、購買管理のソリューション、環境を視点にした課題解決/カスタマイズ、セキュリティーの提案などを今後行なっていく。そのひとつが今回発表する“情報管理ソリューション”である。今後も随時こうしたメニューを増やしていきたい」と意気込みを語った。

情報管理の重要性の高まり 市場の拡大
情報管理の重要性に注目が集まり、文書管理ソリューションのニーズが高まって、市場が拡大するという

続いて黒田氏が、“情報管理ソリューション”を市場投入する背景について、「ヒト・モノ・カネに続いて、“情報”が経営の重要な資源となっている。しかし、情報の管理運用にはコストがかかるほか、個人情報保護が叫ばれ、災害への対策も求められている。こうした企業の文書管理のニーズの高まりを受けて、今回のソリューションを提案していきたい」と語った。

同社が提案する情報管理ソリューションと、文書サイクルの位置づけ
同社が提案する情報管理ソリューションと、文書サイクルの位置づけ

例えば、“文書外部保管サービス”では、単なる倉庫ではなくセキュリティーの確保を行なう。さらに、専用のウェブページを作成し、出庫依頼の受け付けや保管情報の提供を行なう。前日の午後4時までに注文を受ければ、翌日中の配送に対応する。文書箱1つから受け付ける、と具体的な事業内容に触れた。

QRコードによる文書ファイリングとデータの一元管理を実現 アクセス権の制御、アクセスログ管理などによるセキュリティーの確保を実現
RFSの特徴

さらに、現在開発中のRFSについてもデモンストレーションを交えて紹介された。RFSは、紙文書を保管するファイリング/フォルダーにQRコードを割り当てて、書庫のどの場所に必要な紙書類が保管されているかをパソコン上で管理・検索できる文書管理ソリューション。QRコード付きのラベルを印刷して、ファイリング/フォルダーの内容と管理するほか、パソコン内に保管しているデジタル文書(Word/Excel/PowerPointなどのOfficeアプリ、PDF、JPEG/BMPなどの画像ファイル)にQRコードを付けて印刷し、紙文書として保管することで、紙文書を閲覧しながら欲しいファイルのQRコードを専用リーダーで読み出して、パソコン内のファイルを探し出すといった機能も持つ。なお、デジタル文書の全文検索については当初は対応せず、導入後にユーザーからのリクエストに応じて機能追加の形で対応したい、としている。文書管理ソフトは、利用者をID/パスワードで認証。利用者/文書ごとに閲覧可不可の権限を割り当てることができるほか、アクセスログの管理も行ない、情報漏洩を防止できるという。将来的には、QRコードのほかRFID(無線ICタグ)を使ったソリューションも提供するべく、現在コスト面や機能面の研究を進めているとのこと。

ファイリングを専用リーダーで読み取る RFSの管理画面
棚に収めたファイリングを専用リーダーで読み取るRFSの管理画面
紙文書から元のデジタル文書を呼び出すことができる QRコードから呼び出したデジタル文書の一覧
デジタル文書はQRコード付きで印刷してファイリングしておくことで、紙文書から元のデジタル文書を呼び出すことができるQRコードから呼び出したデジタル文書の一覧
デモンストレーション

RFSの導入に必要なスペック(現時点のもの)は、サーバーとしては対応OSがWindows 2000 Server(SP4)、動作環境はXeon-2GHz以上/メモリー2GB以上/HDD 300MB以上(データ保存領域を除く)。クライアント側は、対応OSがWindows 98 SE/Me/2000/XP、動作環境はCeleronまたはPentium 4-1.60GHz以上/メモリー256MB以上/HDD 100MB以上、となっている。

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