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ビットフォン、携帯電話のファーム/ソフトを遠隔で診断/更新/追加する『SmartCare』などの製品群の最新版を日本市場でも展開

2004年10月12日 18時50分更新

文● 編集部 内田泰仁

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米ビットフォン(Bitfone)社は12日、携帯電話端末のソフトウェアを無線ネットワーク通信を利用して遠隔で診断/修復/機能拡張を行なう製品群『SmartCare』『mProve 4.0』『Mobile Variance Platform(MVP)』の販売を、日本市場で開始すると発表した。この日行なわれた記者説明会には、会長兼最高経営責任者のジーン・ワン(Gene Wang)氏とアジアパシフィック地域担当副社長のフランフ・フー(Frank Fu)氏が来日、製品の説明などを行なった。

会長兼最高経営責任者のジーン・ワン氏『SmartCare』『mProve 4.0』『Mobile Variance Platform(MVP)』による統合ソリューション

ワン氏の解説によると、現在の携帯電話業界では、端末が高機能になったことで“複雑化”が進んでおり、ソフトウェアの問題によるサポート費用の増加やブランドイメージの低下による携帯電話事業者の損失は全世界でおよそ80億ドル(約8800億円)にも上るという。また、各ユーザーの端末にどんなソフトがインストールされているのかを確認することや、端末に生じたトラブルの診断やソフトウェア設定を変更を行なうことが困難になってきており、特に高機能端末機器ではデバイスの管理機能が必要であり、その重要性が増してきているとしている。

携帯電話端末に生じる“問題”の種類と対応策。ソフトウェア上の問題の58%は端末自体の交換によって対応しているが、この方法は非常にコストが高くつくという問題が発生したことによる保守/サポート/トラブル対策の損失は全世界で80億ドルに達するという

しかし、現在の携帯電話端末の多くでは、ごく限られた機器パラメーターの設定変更程度しか行なえないため、メニュー/プリケーション/ドライバーのアップデートは、サービスセンターなどに端末を持ち込んでもらってフラッシュROMを書き換えなければならず(書き換え機器と端末をケーブルで接続する必要もある)、新たなサービスを展開するには、新端末を市場に投入する時期に合わせざるをえない状況にあるという。

『SmartCare』の概要『mProve 4.0』の概要『Mobile Variance Platform(MVP)』の概要

今回日本市場での販売を発表した3製品では、携帯電話の無線ネットワークを利用し、事業者側が遠隔で各ユーザーの端末のファームウェアや導入しているアプリケーションの情報や設定を診断/調査し、さらにプッシュまたはプルでのファームウェアやソフトウェアの更新/設定変更、新サービスに対応したアプリケーションの追加を可能にするという。

3製品の働きと機能概要は以下のとおり。

『SmartCare』
遠隔診断ソフトウェア。携帯電話の無線ネットワークを利用して、対応した端末から自動的に情報を収集と分析を行なう。携帯電話事業者のカスタマーサポートセンターなどに向けたソリューションで、リアルタイムなサポート支援などに用いる。
『mProve 4.0』
携帯電話の無線ネットワークを利用して、ユーザーが簡単な操作で導入可能なアップデートファイルの配布を行なうソフトウェア。新しいファームウェア/ソフトウェアのアップデートパッケージの生成や配信を行なう。今回のバージョンでは、アップデート時間の短縮や、アップデートエージェントの生成の高効率化、Symbian OSやLinuxを用いた端末のファイルシステム上にあるソフトウェアのアップデートへの対応などが新機能として追加されている。
『Mobile Variance Platform(MVP)』
モバイル通信業界団体“Open Mobile Alliance(OMA)”の標準規格に準拠した携帯電話端末のファームウェアやソフトウェアを一元的に管理するデバイス管理サーバーソフト。地域/人口分布/業種/会社などの情報による利用者区分も可能で、カスタマーサポートなどでのアップデーターの配布に加え、マーケティングデータに基づいた特定グループに対するソフトウェア配布/プレミアサービスの提供が可能。

各製品に対応する携帯電話端末のコンポーネント構成

なお、各製品を利用するには、端末側に各製品に対応したエージェントが組み込まれている必要がある。また、3製品によるデータ配布では、デジタル署名とSSL通信を用いてセキュリティーの確保が図られているという。また、これらの製品を利用することで、携帯電話端末内のOSやアプリケーションのセキュリティーホールを解決し、ウイルス対策に向けたファイルの提供なども可能だとしている。

現時点での同社製品の日本における採用例としては、(株)エヌ・ティ・ティ・ドコモの『ムーバSO505iS』『ムーバSO506iC』(いずれもソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズ(株)製造)が従来バージョンの『mProve』に対応しているという。今後同社では、NTTドコモ以外の携帯電話事業者にも、同社製品の導入をアピールしていきたいとしている。また海外では、韓国ではSKテレコム社の『SKTT IM 6500』がすでに『mProve』に対応しているほか、北米およびヨーロッパ市場では、米モトローラ社、韓国・LGエレクトロニクス社、米ユーティースターコム(UTStarcom)社が2004年第4四半期をめどに同社製品の採用を計画しているという。

ワン氏のプレゼンテーションの後に紹介されて挨拶を行なった新任のアジアパシフィック地域担当副社長のフランフ・フー氏。「アジアパシフィック地域での展開を同社のサクセスストーリーに加えたい」と抱負を述べた

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