このページの本文へ

CA、“ITマネージメントソフトウェア・フォーラム”を開催――上級副社長のマーク・J・ バレンシエ氏が講演

2004年10月09日 16時55分更新

文● 編集部 小板謙次

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

コンピュータ・アソシエイツ(株)は8日、都内で企業のIT部門の管理者やアナリストなどを対象とした“ITマネージメントソフトウェア・フォーラム”を開催。日本経済や企業がおかれたITの現状分析を踏まえ、同社の製品を活用していくことのメリットが解説された。特に注目されたのはアジア地域の現状視察のために来日している米コンピュータ・アソシエイツ社上級副社長のマーク・J・バレンシエ(Mark J. Barrenechea)氏のオープニングセッションだったが、中心となったのは“CA Enterprise Infrastructure Management”で、5月に米国ラスベガスで開催されたcaworld 2004でも核となっていたものだった。

上級副社長のマーク・J・バレンシエ(Mark J. Barrenechea)氏
マネージメントソフトウェアの重要性とEIM(Enterprise Infrastructure Manegement)について話す上級副社長のマーク・J・バレンシエ(Mark J. Barrenechea)氏

氏はITIL(Information Technology Infrastructure Library、ITサービスの管理運用に関する規格集)の例を挙げながら「今、ITの世界では統合や標準化が話題になっている。マネージメントソフトウェアはERP、CRPと同等の価値を提供できるもので70%、80%のコスト削減を実現できる」とはじめた。4000社の調査のなかでIT予算に関わる設備投資の平均は年間1900万ドル(約20億円)にもなるというデータを示し、マネージメントソフトウェアを使えばほぼ3年間で削減できる数値だと話した。また、具体例としてはカナダのAliantグループは“BrightStor”を導入することで、外部に委託していたデータ保管費用を年間74%削減し、米経済誌『フォーチュン』の企業番付に名を連ねる金融関連企業は2年間で670万ドル(約7億3000万円)を削減したと紹介した。インフラリスクの低減も例外ではない。これに関しては米マイクロソフト社の例が取り上げられた。「マイクロソフトは非常に巨大な企業だが、完璧なカンファレンスをユーザーに提供しようとする際にはCAに声がかかる」として、同社の“eTrust”シリーズがシステム管理者向けカンファレンス“Microsoft Tech・Ed 2004”開催中に試みられた9万8000の不正侵入から守ったことが紹介された。また、米国退役軍人の保険を扱っているWalter Reed Army Medical CenterはAsset Management(資産管理)とSoftware Delivery(ソフトウェア配信)のソリューションを導入したことで、180万ドル(約1億9700万円)のコスト削減とリスク低減を実現したとした。

同社のソフトを導入した企業としてマイクロソフトも紹介された
同社のソフトを導入した企業としてマイクロソフトも紹介された。「“eTrust”は“Microsoft Tech・Ed 2004”で9万8000の不正進入からカンファレンスを守った」
カナダのAliantグループは“BrightStor”を導入することで、外部に委託していたデータ保管費用を年間74%削減
カナダのAliantグループは“BrightStor”を導入することで、外部に委託していたデータ保管費用を年間74%削減

「ストレージ分野だけ、ネットワークシステムだけ、あるいはASSET(資産)管理だけを提供する企業はあるが、CAはIT運用からサービスまで統合・自動化された価値を提供していくベンダーだ」とバレンシエ氏は続ける。同社が目指す企業のITマネージメントはEIM(Enterprise Infrastructure Manegement)というものだ。ここで“caworld 2004”で何度も公開された概念図が登場した。

EIM(Enterprise Infrastructure Manegement)
EIM(Enterprise Infrastructure Manegement)

ハードやソフトの情報、そしてその情報を人と照らしあわせることができるMDB(Management DataBase)が概念図の中心に位置する。「これは非常に重要だ」と氏は話す。「私は、CIOに対して企業の必要な情報が今使っているデータベースのなかに入っているか?そこでASSET管理ができているか?と聞くことがあるが、手を上げることができる人が誰もいない。それどころか、何を調達したかというデータベースはあっても、運用し稼動しているデータベースがないという状況だ」と話す。CAでは16000人が働いており、20万台以上のデバイスやソフトがネットワークで接続され運用されている。稼動している国は70ヵ国に及ぶ。そこではソフトのライセンス遵守やハード情報などのデータが1ヵ所で管理できる。これはASEET管理が最適化されている例だ。つまり、どういう部門、人、コールセンターがその資産とからんでいるか、その資産のポリシーはどうなっているのかが把握でき、またこの資産をビジネスプロセスとマッピングできている。

EIM(Enterprise Infrastructure Manegement)を構成する“Security”。この分野では“eTrust”シリーズが有名。
4つの分野はサービスマネージメントでサービス、サポートが可能に
4つの分野はサービスマネージメントでサービス、サポートが可能に

さらにEIM(Enterprise Infrastructure Manegement)では、MDBが“Operation”、“Storage”、“Security”、“Life Cycle”といった機能とリンクし自動化される。Operationでは同社の“Unicenter”ブランド製品が位置づけられる。ここでは独SAP社、米ピープルソフト社、米シーベル・システムズ社などのアプリケーション管理、NetWaver、WebLogic、WebSphereなどミドルウェア、DB2、SQL Serverといったデータベースアプリケーションを管理できる。これらの機能には新しい技術が随時導入されている。同社は8月にスパイウェア対策ソリューションを提供する米PestPatrol社を買収し、その技術がeTrust PestPatrolとして組み込まれる予定。また、セキュリティーソフトのメーカーである米ネッテグリティ社の買収も6日(現地時間)に発表しており、アクセス管理の技術が取り込まれる予定だ。これら4つの分野はサービスマネージメントでサービス、サポートが可能となる。「ITは統合のために投資されなければいけない。例えば5社がいろんなソフトを持ち込んでくる。細分化されたマネージメントでは迅速性が失なわれる。結果資金を投入する。さらに統合のための費用が必要になる」「われわれのEIMでは迅速に改善することができる」とした。

氏によるとCAは第4四半期は17%の成長を見込んでおり、7年連続10億ドル以上のキャッシュフローを実現。また43億ドル(約4兆7000億円)相当の契約予定収入があるという。

カテゴリートップへ

注目ニュース

ASCII倶楽部

プレミアムPC試用レポート

ピックアップ

ASCII.jp RSS2.0 配信中

ASCII.jpメール デジタルMac/iPodマガジン