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【CEATEC JAPAN 2004 Vol.3】世界最小の燃料電池モジュール、AV無線伝送ソリューションなどを展示――東芝

2004年10月05日 16時22分更新

文● 編集部 佐久間康仁

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東芝が開発した名刺より小さな燃料電池モジュール
東芝が開発した名刺より小さな燃料電池モジュール。小型オーディオプレーヤーなら20時間の連続再生が可能という

ホール5~8の電子部品・デバイス&装置ゾーンは、製品化前の最新デバイスやテクノロジーなどが展示されるスペースが、従来とはことなり単なるデバイスとスペックだけの展示にとどまらず、具体的な用途提案を含むソリューションとしての展示が近年増えている。

東芝のブースでは、“Tomorrow Technologies(トゥモローテクノロジー)”という、現在開発中の最新技術をまとめて展示するコーナーを設けている。そこで興味を引いたのが、同社が世界最小という燃料電池モジュールだ。名刺の半分以下で、サイズと重量は幅22×奥行き56×高さ9.1(最薄部4.5)mm/8.5g(燃料1.6g込み)。燃料となるメタノールの収容量は2ccで、出力は100mW。同社の計測では小型オーディオプレーヤー(詳細は不明)を最長20時間駆動可能という。会場には燃料電池本体の展示しかなかったが、イラストでは首掛けタイプのポータブルオーディオプレーヤーなどへの展開が提案されていた。



コンデンサースピーカー 東芝が量産出荷中の低消費電力のデジタルオーディオアンプ用コンデンサー
コンデンサースピーカー。会場では高い指向性をデモしていた東芝が量産出荷中の低消費電力のデジタルオーディオアンプ用コンデンサー

同じくTomorrow Technologiesコーナーに、カーテンのように垂らしたコンデンサースピーカーが展示されている。コンデンサースピーカーは、アルミを蒸着した樹脂フィルムを振動板として利用し、電圧を掛けることで振動して音が出るというもの。平板ながら指向性が高く。正面方向にはかなり離れた場所でも大音量で伝わるが、少し角度をつけると音がかなり小さくなる。このデモはコンデンサスピーカーそのものを展示するのが目的ではなく、同社が開発した高応答性&低消費電力を実現したというデジタルオーディオアンプ用コンデンサー(型番:2SK3669、量産出荷中)の利用提案として、早稲田大学・山崎研究室の開発したコンデンサースピーカーと組み合わせたもの。同社では、平板で丸めて持ち運びできるコンデンサースピーカーと、他社製品より2/3程度の低消費電力をほこる同社のデジタルオーディオアンプ用コンデンサーを組み合わせることで、屋外で燃料電池などをバッテリーに使って音響システムを手軽に組み立てられると提案している。

ソニーの『PSX』に似たホームAVサーバーとAV無線伝送チップセットなどをソリューションとして提案
ソニーの『PSX』に似たホームAVサーバーとAV無線伝送チップセットなどをソリューションとして提案

AV向け無線伝送チップセットのデモンストレーションも興味深い。ソニーの『PSX』に似た縦置きタイプのホームAVサーバーから、無線LANモジュールとビデオデコーダーを内蔵する液晶TV、さらに別室のSTB(セットトップボックス)へと無線/有線LAN経由で録画済みの映像を配信し、同じ番組もしくは異なる番組を見たいときに視聴できるというAVサーバーソリューションを提案するデモンストレーションを行なっていた。同社でこうしたAVサーバーをすぐに製品化する予定はなく、同様のAVサーバーを販売したいメーカーに提案・ソリューション提供するとのこと。

東芝の携帯電話向けグラフィックスアクセラレーター“T4G” すでに採用されていることと、対応アプリケーションが出てきていることが一番のアドバンテージ
すでに出荷中というボーダフォンの携帯電話『V601T』『V602SH』などに搭載されている、東芝の携帯電話向けグラフィックスアクセラレーター“T4G”。3Dの野球ゲームなどをデモ米NVIDIA社やカナダATIテクノロジーズ社の製品に対するアドバンテージを聞いたところ、「すでに採用されていることと、対応アプリケーションが出てきていることが一番のアドバンテージでしょう」と答えた

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