このページの本文へ

コダック、日本のデジタルカメラ事業に再参入!──“絶対プリント主義!”で市場拡大をねらう

2004年10月01日 18時33分更新

文● 編集部 新海宏一郎

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

コダック(株)は9月29日、都内・六本木の六本木ヒルズで新製品発表会を開催し、10月より再参入する日本市場でのデジタルカメラ事業戦略および新製品の発表を行なった。発表会では、同社代表取締役社長の堀 義和氏(本日付けで代表取締役会長に就任)と取締役副社長の小島佑介氏(本日付けで取締役社長に就任)が出席した。

デジタルカメラ事業を二人三脚で行なう!

堀 義和氏
代表取締役社長の堀 義和氏

初めに堀氏が、今月から自身が代表取締役会長に、現在副社長の小島氏が社長に就任することを報告した。同氏は社長に小島氏を選んだ理由について、「36年間カメラメーカーに勤めていたキャリアーや、かつていたオリンパスでのデジタルカメラ事業の実績などを見て、これからのコダックには欠かせない人材だ。やる気も根性もある!」と小島氏をアピールした。「今後は新社長小島氏の得意なコンシューマー向けデジタルカメラ事業を二人三脚で行ない、社長の良きコーチ役かつ相談役になりたい」と、今後の抱負を語った。



米イーストマン・コダック社の売り上げを表わすスライド
米イーストマン・コダック社の売り上げを表わすスライド

同氏は、米イーストマン・コダック(Eastman Kodak)社が掲げる中間戦略“Digital Transition”についても発表し、今後年率7~8%の成長が見込めると発表した。内訳は、フィルム・感光材料が年率15%のマイナス成長、デジタル製品・サービスは年率36%のプラス成長が見込め、後者で前者を穴埋めするというもの。また、売上高は現在133億ドル(約1兆4600億円)で、2006年には160億ドル(約1兆7660億円)を見込んでいるとした。


“絶対プリント主義!”で日本市場を変える

小島佑介氏
取締役副社長の小島佑介氏

続いて小島氏が登壇し、同社が掲げる目標として“デジタルへの変革”“国内ブランド力の強化”“Eastman Kodakにおける日本法人の重要性の向上”を挙げ、国内デジタルカメラ市場への再参入を最重要課題とした。現在、海外で販売されている同社製のデジタルカメラはすべて日本で開発しており、日本法人の重要性が増しているという。同氏は「ブランドは広告だけでは成りえない、顧客満足度の高い製品の提供することこそがブランド力につながる」と述べ、同社が米JD パワー・アンド・アソシエイツ(J.D.Power and Associates)社の価格帯別顧客満足度調査の200ドル~399ドルと400ドル~600ドルの価格帯で1位の評価を得たことをアピールし、その実績を日本でも生かしたいと抱負を語った。



“絶対プリント主義!”のスライド
“絶対プリント主義!”
同氏はデジタルカメラの新しい提案として、独ケルンで開催されている世界最大級の映像機器展示会“フォトキナ(Photokina) 2004”で9月27日に発表されたダイレクトプリントの統一規格“イメージリンク プリントシステム”(以下イメージリンク)を紹介した。イメージリンクは、専用のコネクターを装備したプリンターに、イメージリンク対応のデジタルカメラを直接載せることで、デジタルカメラ内の画像の印刷や充電ができる規格。9月27日現在、同社のほかにコニカミノルタフォトイメージング(株)、(株)ニコン、オリンパス(株)、ペンタックス(株)、(株)リコー、三洋電機(株)の6社が参加を表明している。同氏はイメージリンクを策定した背景について、「最近はデジカメで写真を撮ってもパソコンに取り込むのが面倒で理由で印刷しない傾向がある、イメージリンク対応のプリンターなら、対応のデジカメを載せてボタンを押すだけでプリントできる。イメージリンクを使って、撮ったらプリントする“絶対プリント主義!”を推し進めたい!」と述べ、“絶対プリント主義!”をスローガンにし、パソコンに取り込まない印刷をより簡単にすることで、“撮影したら印刷したくなる”という流れを作りたいとした。



イメージリンクに参画するメーカー 『Kodak EasyShare PrinterDock 6000』購入ユーザーのプリンター購入比率を表わすスライド
イメージリンクには、コニカミノルタフォトイメージング(株)、(株)ニコン、オリンパス(株)、ペンタックス(株)、(株)リコー、三洋電機(株)が参加を表明している『Kodak EasyShare PrinterDock 6000』購入ユーザーのプリンター購入比率。60%以上のユーザーがカメラとプリンターを同時に購入している

最後に小島氏はイメージリンク対応のデジタルカメラやプリンターなど下記製品について紹介した。同氏は「PD-26(後述)のような製品で手軽にプリントできてこそ、デジカメで撮った写真をプリントする習慣付くのであって、そこからお店プリントの美しさや手軽さ価格に気づくはずだ。コダックはホームプリントの手軽さと、銀塩写真並の画質を提供する店プリントをともに幅広く展開し、新しいビジネスモデルを日本に構築する」と述べ、“ホームプリント”と“お店プリント”の共存をアピールした。

『Kodak EasyShare LS755 Zoom』
有効500万画素/光学3倍ズームレンズ/イメージリンクプリントシステム対応/PictBridge対応
10月下旬発売/4万円前後
『Kodak EasyShare DX7590 Zoom』
有効500万画素/光学10倍ズームレンズ/イメージリンクシステム対応/PictBridge対応
10月下旬発売/5万円前後
『Kodak EasyShareプリンタードック PD-26』
昇華型プリンター/L版サイズ対応/イメージリンクシステム対応/PictBridge対応
10月下旬発売/1万8000円前後
『Kodak EasyShare LS755 Zoom』

『Kodak EasyShare DX7590 Zoom』

『Kodak EasyShare LS755 Zoom』を載せているところ
『Kodak EasyShareプリンタードック PD-26』。右の写真はプリンターに『Kodak EasyShare LS755 Zoom』を載せたところ

カテゴリートップへ

注目ニュース

ASCII倶楽部

プレミアムPC試用レポート

ピックアップ

ASCII.jp RSS2.0 配信中

ASCII.jpメール デジタルMac/iPodマガジン