セミナーの様子 |
本日19日(日)、イーアリーナの主催により秋葉原のラジオ会館で“インテル LGA775 EXPO”が開催された。その中の、インテル(株)チャネル事業本部記述部の天野伸彦氏によるセミナー「インテル新プラットフォームの利点」で、LGA775版Pentium 4の利点が紹介された。
TDP値はステッピング変更の度に改善
天野氏は、まず“デスクトップ用の高性能CPU”“Hyper-Threading対応”“MMX、SSE、SSE2などのマルチメディア命令”といったPentium 4の概要を述べたが、「一般には“最大でTDP(消費電力)が115Wもあって、発熱がすごいんじゃないの?”、あるいは冷却機構の騒音が激しくなるために、“リビングに置くようなPCには向かないんじゃないの?”と思われているようだ」と語った。
インテル(株)チャネル事業本部記述部の天野伸彦氏 | Pentium 4の概要とともに、発熱と騒音に対する対策が語られた |
それらの点について、まずTDP値についてはシリコンの改版(ステッピングの変更)の度に改善されていると説明。「現在出荷中の“D0”ステッピングでは、Pentium 4-540(3.2GHz)でTDP値が84Wにまで下がっている」とのこと。またLGA775版からはTDP水準が明記されたスペックラベル(パッケージ前面左側)が採用されており、“04A”という記載があるものが発熱を抑えたCPU、という識別方法が解説された。来年半ばには、さらに改良されたステッピングが出荷されるとのことだ。
「現在出荷中の“D0”ステッピングでは、Pentium 4-540(3.2GHz)でTDP値が84Wにまで下がっている」とのこと | LGA775版からはTDP水準が明記されたスペックラベル(パッケージ前面左側)が採用されている |
新たに採用された“LGA775”に対しては、「CPUからピンがなくなったことにより、誤って落としたりしてもピンが曲がるようなことはなく、扱いやすくなった」と述べた。そしてその技術的アドバンテージとして、「775の接点のうち、実は3/4は電源用に割り当てられたもの。将来、より動作クロックが上がっても安定動作するように設計されている」とアピール。
また渦巻き状のデザインとなった新リテールクーラーは、冷却風をマザーボード本体へ流すことにより、電源レギュレータやチップセットといったCPU周囲のパーツを冷却する仕組み。これに現在普及しつつあるサイドパネルダクト付きケースを併用することにより、静音性を維持しつつより効率的な冷却が行えるとのことで、「冷却システムの出来はかなり優れている、と自負している」と自信を見せた。
775の接点のうち、3/4は電源用に割り当てられたもので、より動作クロックが上がっても安定動作するように設計されているという | 自信アリ、という新リテールクーラー |