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SAP、病院・医療業界向けソリューション導入を加速!聖隷福祉事業団に初のERP会計モジュール

2004年09月16日 23時53分更新

文● 編集部 小板謙次

SAPジャパン(株)は16日、同社の病院・医療業界向けソリューションについての記者説明会を開催した。独SAP社は業種別ソリューション展開に力を入れており、例えば自動車業界、ハイテク業界、石油・ガス業界など業種のニーズに合わせたソリューションを展開し、これらは『SAP for Automotive』、『SAP for HighTech』、『SAP for Oil&Gas』などと呼ばれ、統合パッケージである『mySAP Business Suite』のビジネスプロセスを支援するSCM、SRMなども導入される。医療業界向けには『SAP for Healthcare』というソリューションを展開しており、現在世界中に医療関係のクライアントを約1000件抱えている。そのうちアジア地域は300件。内訳はシンガポール、オーストラリア、フィリピンをはじめ一部韓国となっている。国内では5施設の事例がある。

サービス産業営業本部第一営業部部長の本間誠氏は「SAPにとって病院・医療業界へのERP導入は追い風となっている」と話す
サービス産業営業本部第一営業部部長の本間誠氏は「SAPにとって病院・医療業界へのERP導入は追い風となっている」と話す
SAPでは業種別ソリューションを数多く用意。医療業界向けのソリューションとしてはSAP for Healthcareを用意している
SAPでは業種別ソリューションを数多く用意。医療業界向けのソリューションとしてはSAP for Healthcareを用意している

サービス産業営業本部第一営業部部長の本間誠氏は、今、SAPジャパンが医療業界に力を入れる意味について「病院自体が経営管理を強化していこうという動きがある。今後は、小子化などの影響も含め患者の取り合いが起きることを想定すると、病院もうかうかしてられないのが現状だ」と話し、SAPのERPが受け入れられ、追い風が吹いてきていると自信をみせた。

mySAPをコアとするmySAP Busineess Suite
mySAPをコアとするmySAP Business Suite

サービス産業営業本部ソリューションアーキテクトの栗原絵里子氏は、日本の医療業界は手作りのシステムや比較的小規模のパッケージソフトでシステム運用を行なっているところが多いと話す。システム導入自体も病院ごとや各施設ごとに行なうことがよくあり、グループ全体でのデータがとりにくいのが現状。こうした事情は一般の企業にも見られるもので、新たな課題が持ち上がった場合にプログラミング改変に時間やコストがかかる。また、システムそのものが陳腐化しブラックボックス化していくと栗原氏は警告する。

同社のmySAP Business Suiteは『mySAP ERP』という戦略的経営管理から会計管理、人事管理、ロジスティックス一般といったトータルな基幹業務系の支援ソフトウェアと、それをさらに強化するmySAP PLM(設計・製造)、SRM(調達)、SCM(顧客管理)、CRM(サプライチェーン)といった機能を備えている。氏は「これらはすでに統合されたパッケージになっているので、例えば購買部門と財務部門で確認したいデータに整合性がないとか、時間的なズレがあるといったような問題は起きない設計になっている。こちらの製品を使って、医療業界に基幹業務パッケージを提案していきたいと思っている」と話した。

SAPでは病院のシステムは大きく3つ大別されると考えている。電子カルテシステム、オーダリングシステム、医事会計システムなどの診療業務系システム、人事管理、財務会計、管理会計などの管理業務系システム、そしてそれらが網羅するインフラまわりのシステムだ。同社としてはmySAP ERPで、まずは管理業務系システムの支援を行ない、『SAP Netweaver』でインフラ系の支援、さらにはmySAP Healthcareで電子カルテシステムやオーダリングシステムとの連携、患者のライフサイクル管理を行なう。最終的には地域の医療機関と患者、薬局と連携まで見据えたソリューションの提案をしていくのが狙いだ。

病院のシステムは診療業務系システム、管理業務系システム、インフラまわりのシステムに大別される
病院のシステムは診療業務系システム、管理業務系システム、インフラまわりのシステムに大別される

導入事例として紹介されたもののひとつが長野県厚生農業協同組合連合会のケースだ。この医療施設は従業員5916名、総病床数4692。病院数11、分院数3、診療所数3、訪問看護ナースステーション数20など長野県下最大の医療グループ。SAP導入プロジェクトは2003年4月にスタートしたが、当時は各病院ごとに異なるシステムを使用しており、リアルタイムで総合的なデータを見ることができない、経営分析資料の作成に工数がかかりすぎるなどという問題を抱えていた。ちなみにデータの本部への転送は月次で行なわれていたという。ここに会計管理、人事管理、財務会計など『SAP R/3』(後にmySAP ERP)モジュールを導入することで、データをリアルタイムに参照可能にした。導入の決定要因となったのは、本格的な原価計算システムと従業員情報管理の強化だった。本格導入が完了したのは今年4月で、1年足らずのスピード採用となった。今後はデータウェアハウスであるSAP BWとの連携により患者情報や財務会計に導入範囲を広げる予定だ。

長野県厚生農業協同組合連合会の導入スケジュール
長野県厚生農業協同組合連合会の導入スケジュール

また、すでにプロジェクトがはじまっており来年4月に本番稼動を開始予定の案件として、社会福祉法人 聖隷福祉事業団が挙げられる。ここではSAP for Healthcareの財務会計モジュールを導入。順次、管理会計、情報システムにおける管理会計も支援していく予定となっている。社会福祉法人 聖隷福祉事業団は病院5施設(2216床)、介護老人保健施設など67施設、有料老人ホームなど7施設など全国81施設175事業を抱える。このような全国規模の病院施設に会計モジュールが導入されるのは、聖隷福祉事業団が初だという。

本間氏は2004年中にはあと2~3件を獲得、来年は10件ほどを獲得したいと話す。具体的には提案先を中規模以上(400床以上)、中規模以下(399床以下)に分類、400床以上の病院チェーンについて会計のエリアにSAP ERPの部分を導入。その後、電子カルテなどシームレスな統合を図っていく。400以下の中堅では、1病院1病院いれるという戦略はとらずに、他ベンダーと協業しながら提供していく。総コストは中堅以上(400床以上)向けで2億円以上、中堅以下(399床以下)では1億円以下としている。

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