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サン・マイクロシステムズ、オープンソースの3次元デスクトップ環境“Project Looking Glass”のプレスセミナーを開催

2004年09月01日 16時46分更新

文● 編集部 内田泰仁

サン・マイクロシステムズ(株)は31日、米サン・マイクロシステムズ(Sun Microsystems)社が開発を進める3Dデスクトップ環境“Project Looking Glass”に関するプレスセミナーを開催した。解説を行なったのは、米国で同環境の開発に携わる、米サンのソフトウェアCTOオフィス、シニア・スタッフ・エンジニアの川原英哉氏。

米サン・マイクロシステムズ、ソフトウェアCTOオフィスのシニア・スタッフ・エンジニア、川原英哉氏

“Project Looking Glass”の開発チームは、米本社のソフトウェアCTOオフィスの“Advanced Development Group”が担当。川原氏によるとこのグループは、5~10年後に向けた研究を行なうというサンの研究所や、「1~2年先の製品リリースに向けた開発を行なう製品チームとは独立した組織で、3~4年先の製品化に向けた研究や開発を行なっているとしている。「シリコンバレーのソフトウェア開発企業によくある」多国籍なチームで、米国、カナダ、中国、インド、イギリス、日本など各国のスタッフで構成されているという。

“Project Looking Glass”使用時のデスクトップ。この状態ではごく一般的なデスクトップ環境と大差ないが……ウィンドウを複数立ち上げ、そのうち1枚を画面右側に“最小化”せずに片付けた状態。奥行きを利用した表示方法

現在の『Sun Java Desktop System』の構成
“Project Looking Glass”は、同社のLinuxディストリビューション『Sun Java Desktop System』などのLinux上で動作するウィンドウマネージャー。現在ソースコードがオープンにされており、コミュニティーと共同で開発が進行しているという。デスクトップおよびウィンドウの描画や管理に、現在一般的な縦×横に、奥行きの概念を加えた“3次元”空間を用いるというものだ。デモンストレーションでは、奥行きを生かしたウィンドウの整列、今までには考えられていなかったウィンドウの“裏側”の利用法(メモ帳や設定変更ダイアログブロックの設置)、仮想デスクトップの切り替え(人間が首を振って視点を変えるようなイメージで切り替える)、3次元で表現されたCDプレーヤーアプリケーションが紹介された。また、専用に書かれた“3次元”アプリケーションのほかに、従来の“2次元”アプリケーションもこれまでどおりの使い勝手で使用できる(ウィンドウの最小化/整列などは3次元で行なわれる)。



すべてのウィンドウを斜め表示にして右側に片付けた状態。ウィンドウのタイトルは、ウィンドウの“側面”にあたる部分に表示されている3D化された音楽プレーヤーアプリ。奥行きが生かされた立体的なイメージ。動画で見せられないのが残念だが、表示位置を移動すると移動で生じる慣性によって並んでいるCDが動いたりする
ウィンドウの“裏側”の使用例。これはメモ帳機能を利用しているところ“裏側の使用例その2。こちらは設定変更用のダイアログボックスが配置されている”

川原氏は今から20年前となる1984年を「2次元GUIにおいて大きな技術革新があった年」とし、米アップルコンピュータ社の『Lisa』や、マサチューセッツ工科大学の“Athena Project”を紹介。しかし、これらの現在のデスクトップ環境の原点といえる“2次元”のGUI環境が登場して以来20年、大幅にコンピューター自体のスペックは向上しているのにもかかわらず、デスクトップのGUI環境には劇的な変化がなく、増える情報量(同時に立ち上げるウィンドウやアイコンの数、メニューの階層表示など)の前に、無理が生じてきていると指摘している。

過去に考案された3次元デスクトップ環境。左はファイルマネージャー、右はファイルをアバターがファイルなどを取りに行くという動作をするものとのこと。いずれも使い勝手はあまりよくなかったという
このような状況に至った理由のひとつとして川原氏は、「デスクトップ環境の進化はごく限られた一部の人たちに全て委ねられていた」ことを挙げており、“Project Looking Glass”では、オープンソース化することにより、コミュニティーの力を取り入れ、幅広い知恵を募って新しいGUIを生み出していきたいとしている。また川原氏は、今年5月に公開された次期Windows“Longhorn”のデスクトップも例に上げ、「マイクロソフトも(デスクトップ環境の進化について)視点が同じ方向(=3次元化)を向いているというのは、協力な企業なので(ライバルとしては)怖い面もあるものの、ある意味心強い」と述べ、将来のデスクトップ環境の進化の方向性として、3次元化にさらに取り組んでいくとした。



現在の“Project Looking Glass”の構造。このうち、左側のブロックのコードはほとんどがJavaで書かれているという
画面は実験的にシミュレーターを組み込んだ例。重力やウィンドウの質量が設定されているが、ウィンドウが画面下まで落下すると、重力の影響で倒れてしまうため、このまま利用することはできないという。開発中のジョークといったところか将来に向けた展開

今後は、物理シミュレーターを組み込んだウィンドウの挙動の追加などが考えられているというが、「先進的なところを行き過ぎると使い勝手が悪くなるので、加減が必要」だとしている。また、質疑応答の中で、自由度の高いウィンドウデザインが可能になる反面、操作性の統一性が失われてしまうのではないかという質問が出たが、これに対しては、オープンソース化により広く意見を求め、デザインのガイドラインを練り上げていくとした。また、「当初はクレイジーなデザインのアプリケーションも登場してくるだろうが、使いにくいものは自然に淘汰され、結果優秀なものが残る」という見通しも示しつつ、「今の2次元デスクトップをベースに、要所要所に3次元化したデザイン機能を盛り込んでいく保守的な方法も考えられる」としている。

また、3次元デザインされたアプリケーション作成にあたっては、「2次元アプリで見落としていること」を洗い直し、「同じ対象を違う角度から見ることにより、ユーザーにとって直感的にわかるようなインターフェース」を目指していくことがヒントになると述べた。

なお、今後の開発に向けた最近のトピックスとして、同社では日本人によるコミュニティーをJava.net内に設立したほか、開発スタッフに、「現代GUIの祖」(川原氏)の元・米アップルコンピュータのフランク・ルドルフ(Frank Ludorph)氏が参加するといった話題が紹介された。これに関して川原氏は、「彼(ルドルフ氏)が20年前に作った2次元GUIの概念を、彼自身が新しく作り変えるということに因縁めいたものを感じる」とした。

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