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カシオ、『EX-S100』『EX-Z55』の発表会を開催――「“軽薄短小ローパワー”を徹底し、デジタル戦争を勝ち抜く!!」

2004年08月25日 21時54分更新

文● 編集部 佐久間康仁

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常務取締役の鈴木洋三氏が、左には『EX-S100』を、右には『EX-Z55』を手にしたコンパニオンを並べてフォトセッションを実施
常務取締役の鈴木洋三氏が、左には『EX-S100』を、右には『EX-Z55』を手にしたコンパニオンを並べてフォトセッションを実施

カシオ計算機(株)は25日、東京・南青山のイベントスペース“MODAPOLITICA(モーダポリティカ)”にプレス関係者を集めて、本日発表のコンパクトデジタルカメラ“EXILIM CARD(エクシリム・カード)”『EX-S100』、“EXILIM ZOOM(エクシリム・ズーム)”『EX-Z55』『EX-Z50』の3製品の製品発表会を開催した。

発表会には、常務取締役の鈴木洋三氏、開発本部QV統括部商品企画部次長の中山 仁氏らが出席したほか、筐体設計に携わった開発本部デザインセンターの第二デザイン室室長の井田幸彦氏らがビデオ出演し、デザインコンセプトなどを説明した。なお、各製品の詳細については、こちらのニュース記事を参照いただきたい。



厚みや重量は異なるものの、EX-S100とEX-Z55はどちらも女性の手のひらにすっぽり収まるコンパクトタイプのデジタルカメラ
厚みや重量は異なるものの、EX-S100とEX-Z55はどちらも女性の手のひらにすっぽり収まるコンパクトタイプのデジタルカメラ

国内シェア15%、海外シェア10%を目指す

最初に挨拶に立った常務取締役の鈴木洋三氏
最初に挨拶に立った常務取締役の鈴木洋三氏

最初に挨拶に立った鈴木氏はデジタルカメラの市場概況について、「CIPA(カメラ映像機器工業会)などの発表資料では、全世界で6000万台、成長率130%といわれているが、新聞報道によると6500万~7000万台で成長率150%という数字も出始めている。ただ、国内マーケットは飽和状態に近づきつつあり、競争はいっそう熾烈を極め、勝ち組と負け組の差が顕著に出始めている。ここで重要なのは、競合他社と差別化するキーテクノロジーを持ち、独創的な技術/製品を開発していけることだと考える」と述べた。

その上で、「カシオはデジタルカメラ向けTFT液晶パネルの供給が世界No.1であり、さらにカスタムLSIの設計技術も、他者と十分に差別化できるものを持つ。加えて、カシオのコンシューマー製品群は“軽薄短小ローパワー”をスローガンに作り続けてきたが、これからもそれを実現し続けていけるだけの“高密度実装技術”を有する。これらを軸に、これからもコンシューマーエレクトロニクス、デジタルコンシューマー製品に独創的な企画を持ち込んで、デジタル戦争を勝ち抜いていきたい」と意気込みを語った。なお、記者からシェア目標について具体的に問われると、「数字の取り方はさまざまあるが、目標としては国内では13~15%、海外では10%を達成したい」と答えた。



EXILIM新製品登場のセレモニー1 EXILIM新製品登場のセレモニー2 EXILIM新製品登場のセレモニー3
EXILIM新製品登場のセレモニー。銀色のアタッシュケースが会場中央奥からせり出してきて、左右から赤と黒のカクテルドレスに身を包んだコンパニオンが登場し、ケースを開けると……中にはEXILIM CARD『EX-S100』(左)とEXILIM ZOOM『EX-Z55』が1台ずつ収納されていたそれらを1つずつもって、コンパニオンがプレス席の中央をファッションショーさながらに歩きながら見せて回った
赤いドレスの女性が手にしているEX-S100 黒いドレスの女性はEX-Z55を構える
赤いドレスの女性が手にしているEX-S100黒いドレスの女性はEX-Z55を構える。どちらの“カメラ”がお好み!?
各製品の特徴を説明した開発本部QV統括部商品企画部次長の中山 仁氏
各製品の特徴を説明した開発本部QV統括部商品企画部次長の中山 仁氏

続いて中山氏が、各製品の特徴などを説明した。EX-Z55は、「薄型化と長寿命のバッテリー駆動時間を実現という(コンパクトカメラにおける)2つのトレンドを築いたカシオが、その流れを継承したモデルとして発表する」と説明。EX-Z55の製品化にあたって、自社製の2.5インチ液晶パネルの駆動/制御回路を収めた“ドライバー部分”を、従来の側面や下部ではなく上部に配置して、さらに回路基板の一部をファインダー窓のためにくりぬいた新設計のパネルを開発したことを説明。なお、このパネルの外販については現時点では予定していないとのこと。



カシオが築いてきた豪語する、コンパクトデジタルカメラのトレンドの年表 ファインダー窓付きの2.5インチ液晶パネル
カシオが築いてきた豪語する、コンパクトデジタルカメラのトレンドの年表ファインダー窓付きの2.5インチ液晶パネル
従来機種『EX-Z40』に比べて、電池駆動時間の長寿命化(10%以上)をアピール 他社製品との電池寿命の比較
従来機種『EX-Z40』に比べて、電池駆動時間の長寿命化(10%以上)をアピール他社製品との電池寿命の比較

また、斜めから撮影した発表資料(プロジェクター画面)や名刺、紙資料などを、コントラストの違いから四辺を割り出して対辺が平行に、四隅が直角になるようにゆがみ補正/画像拡大/トリミングして保存する“ビジネスショット機能”を新たに搭載したことも強調した。この、ビジネスショットは、コントラストの差(白い部分と黒い部分の境界線)から自動的に四辺を割り出すため、画像から四辺の候補が複数検出された場合は、ユーザーにそれを選択させるようになっている。ただし、ユーザー自身が四辺をピクセル単位で指定する機能はない。

ビジネスショットの機能や利便性を説明するパネル ビジネスショットを実際に試したところ
ビジネスショットの機能や利便性を説明するパネルビジネスショットを実際に試したところ。このようにいくつかの輪郭の候補が表示されるケースもある。この場合は最適なものをユーザーが選択できる

EX-S100については、中山氏の前にデザイナー諸氏がビデオで登場して、開発コンセプトを説明した。要約すると、

  • 初代EXILIM CARD『EXILIM EX-S1』が“カードカメラ”という衝撃を業界に与えたような、インパクトのある商品を作るのがメインコンセプト
  • どれ(他社のどの製品)にも似ていないオリジナリティーと完成度の高さ、高品質を具現化したかった
  • コインや鍵のような、ポケットに入れて歩いても自然なパーツ、調和性の高さを追及
  • 前面はズームレンズのサークルを、背面は液晶パネルのスクウェアをモチーフにデザインをまとめた
  • 本製品のために開発した“透光性セラミックスレンズ”による光学系の小型化、および同社が誇るLSI設計技術“WLCSP(ウエハーレベルチップスケールパッケージ)”の採用による基板の縮小化などにより、最薄部14.2mm、容量79cc(79cm3)を実現した

のようになる。最後に中山氏がこれらの発言内容を受けて、EX-S100を筆頭にEX-Z55やEX-Z50、ならびに今年2月に発表した最上位モデルの『EXILIM PRO EX-P600』とラインナップし、今後も独特の発想・企画力による市場創造を続けていきたい、と締めくくった。

ビデオで登場した開発本部デザインセンター 第二デザイン室室長の井田幸彦氏 EXILIM CARDシリーズの変遷 EX-S100の小型化を実現した要素技術のひとつである“透光性セラミックレンズ”
ビデオで登場した開発本部デザインセンター 第二デザイン室室長の井田幸彦氏EXILIM CARDシリーズの変遷EX-S100の小型化を実現した要素技術のひとつである“透光性セラミックレンズ”
同じく重要な要素技術である高密度実装技術による小型基板成型 丸やスクウェアなど、デザインコンセプトが反映された部分を強調した製品ショット

今回の発表会場は、富士写真フイルム(株)の本社ビルから数十mほどしか離れていない場所にある。そこで、「(富士写真フイルムへの)セラミックスレンズなどの供給や共同開発などの予定があるのか?」と質問したところ、開発担当者は笑いながら、「それはないです。たまたまこの会場になっただけですよ。セラミックスレンズやファインダー穴付き液晶パネルは、今回の新製品のために開発したもので、外販はいまのところまったく予定していません」と答えた。

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