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エプソン、異物検出機能を搭載した無接点電力伝送モジュールを展示

2004年07月09日 22時35分更新

文● 編集部 小板謙次

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セイコーエプソン(株)は東京国際展示場(東京ビッグサイト)にて開催されている“第7回組込みシステム開発技術展”にて、現在開発中の無接点電力伝送モジュールを展示した。

注目を集めていた無接点電力伝送モジュールのデモ

無接点電力伝送モジュールは電磁誘導を利用し、金属部分の接点がなくても電力送信を可能にするもの。ブースで展示されていたのはサイズ50×30mmの送信側モジュールと40×30mmの受信側モジュール。それぞれに薄い円形コイルがついている。送信距離は3mmだ。同社によると「距離はのばせるが、アンテナ(コイル)のサイズが大きくなる」とのこと。このサイズは携帯電話の電池部の大きさを想定しているようで、「やはり携帯電話に入れるのが理想だ」と話す。「携帯電話を契約すると、本体と充電器が一緒に入っている。作っている方は、その携帯にあわせた充電器をいちいち作り直している。(これが実用化されれば)充電器は1個あればいいということになり、コストダウンにもなるし環境にも優しい」。

無接点電力伝送モジュール
無接点電力伝送モジュール
マルチ充電のデモとシングル充電のデモ。携帯電話の電池部に受信モジュールが搭載されている
マルチ充電のデモとシングル充電のデモ。携帯電話の電池部に受信モジュールが搭載されている

そのほか、同モジュールの応用例としては、ガラス・プラスチック越しの電力伝送、水中へ伝送、回転体などへの伝送が考えられる。また、モバイル機器にモジュールを組み込むことによって、携帯電話の電池がなくなってもほかの携帯電話から電力を供給してもらうことが可能となるという。また、従来のように接点の位置決めする必要がないため、上の写真のように受信部を組み込んだ複数台の携帯電話を置いて1台で充電が行なえる“マルチ充電”といった用途も考えられる。

モジュールの応用例モジュールの応用例

なお、今回のデモのポイントは異物検出機能だ。従来は受信側の近くに金属があるとそこに電力送信し、熱をもってしまう傾向が見られた。この対策のためにID認証の機能を組み込み、まったく異なる製品の場合には異物と認識し電力を送らないように改良されている。

認証のとれた対象物に電力を伝送しているところ
認証のとれた対象物に電力を伝送しているところ
認証がとれないものは異物と識別する
認証がとれないものは異物と識別する

同社ブースの説明員は、現在の伝送効率は約70%。年内には製品化にこぎつけたいとと話している。

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