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“第7回 組込みシステム開発技術展”で“第11回 LSI・オブ・ザ・イヤー”グランプリ製品発表――デバイス部門グランプリはAMD Athlon 64プロセッサ

2004年07月07日 22時54分更新

文● 編集部 内田泰仁

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半導体産業新聞((有)産業タイムズ社)とリード エグジビション ジャパン(株)は7日、LSI製品/技術や市場の発展に貢献した製品を表彰する“第11回 LSI・オブ・ザ・イヤー”を発表し、東京国際展示場(東京ビッグサイト)で同日に開幕した“第8回 組込みシステム開発技術展”(“第1回 情報セキュリティEXPO”ほかと併催)の会場で表彰式を行なった。

優秀賞受賞メーカー代表者一同。受賞メーカーの詳細は下記本文を参照表彰式でプレゼンターを務めた選考委員で京都大学教授の小野寺秀俊氏

“LSI・オブ・ザ・イヤー”は、デバイス部門および設計環境/開発ツール部門の2部門で構成され、デバイス部門では約1150点、設計環境/開発ツール部門では約150点がエントリーしたという。この日発表されたグランプリは、全エントリー製品/技術から選ばれた“優秀賞”(デバイス部門6点、設計環境/開発ツール部門4製品)から選考されている。優秀賞およびグランプリの選考基準については、表彰式でプレゼンターを務めた選考委員で京都大学教授の小野寺秀俊氏によると、「これから新世界、新時代を切り開いていく技術を持ったデバイス」「新しい設計フローと、今後生じるであろう問題にあらかじめ対応した設計環境/開発ツール」であると述べ、既存技術を単純に高性能化したものではなく、新しいアイデアや技術を盛り込んだ製品/技術を重視しているとした。

デバイス部門グランプリを受賞した日本AMD(株)のCPGマーケティング本部部長、秋山一雄氏設計環境/開発ツール部門グランプリを受賞したキャッツ(株)の取締役副社長、渡辺政彦氏

グランプリを獲得した製品/技術は、デバイス部門が日本エイ・エム・ディ(株)(日本AMD)のパソコン用CPU“AMD Athlon 64プロセッサ”、設計環境/開発ツール部門はキャッツ(株)の“UML(Unified Modeling Language)”とSystemC表記法を用いたグラフィカルなシステムLSI設計環境『XModelink SoC Modeler』。

“AMD Athlon 64プロセッサ”の概要『XModelink SoC Modeler』の概要

このほかの優秀賞受賞製品は以下の通り。

デバイス部門

NECエレクトロニクス(株)
DVDレコーダー用画像/音声データ処理LSI『μPD61181』
エルピーダメモリ(株)
256Mbit DDR/SDRモバイルRAM
キヤノン(株)
一眼レフデジタルカメラ用CMOSセンサー
松下電器産業(株)
0.18μmFeRAM混載システムLSI(準グランプリを受賞)
(株)ルネサステクノロジ
カーナビ向け2D/3DグラフィックスLSI『SH770』

設計環境/開発ツール部門

米アプライド・ウェーブ・リサーチ社(Applied Wave Research)
RFIC対応のIC開発環境『Analog Office』
シンプリシティ(株)
RTLソース・コードデバッガー『Identify』
ティーエスエムシージャパン(株)
LSI設計フローソフトウェア『Reference Flow 5.0』

選考委員で半導体産業新聞編集長の泉谷渉氏

表彰式冒頭に挨拶を行なった選考委員で半導体産業新聞編集長の泉谷渉氏によると、世界のLSI業界の成長率は昨年+17%となった見せたが、その中で日本のLSI業界は世界平均を10%も上回る+27%に達し、国別売り上げはアメリカを抜き10年ぶりに世界トップに立ったという。同氏はこの要因を「デジタル家電市場の急速な拡大」にあると分析し、「日本のLSI業界が再び世界のLSI業界を牽引していく」との見解を示した。また、表彰式最後に総評を述べた小野寺氏は「新しい未来社会を作っていくような製品を次回もエントリーしてほしい」と、日本のLSI業界の一層の発展を促すコメントを述べた。

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