米カーライル・グループ(The Carlyle Group)と京セラ(株)は21日、KDDI(株)の子会社であるディーディーアイポケット(株)の事業を、カーライルと京セラのコンソーシアムで買収することで合意したと発表した。DDIポケットの事業を継承する新会社の株主構成は、カーライルが60%、京セラが30%、KDDIが10%となる。買収は、現在の経営陣の続投を前提として行なわれ、従業員の雇用調整も想定していないという。
今回の買収は、定額制PHSデータ通信サービスAirH”(エアーエッジ)の加入者が年々増加していることから、法人向けモバイルデータ通信事業における中長期的な競争優位性などを評価したカーライルが、京セラとコンソーシアムを組んで行なうもので、京セラはPHS関連製品事業に注力するために出資比率を上げるとしている。
コンソーシアムには、カーライル、京セラ、KDDIが出資しており、保有する受け皿会社がDDIポケットの全事業を吸収分割する。その一方で、DDIポケットは現金2200億円を受け取り、有利子負債全額の返済などに充てた後、残った現金を既存株主に支払う。DDIポケットは年内をめどに清算されることになる。
新会社は、通信速度の高速化を進め、低価格の定額制モバイルデータ通信サービスの提供を中心に、新サービスも加え、拡大が期待されている法人向けデータ通信事業を中心に事業展開するとしている。