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NEC、同社の環境対策活動をまとめた報告書“NEC環境アニュアルレポート2004”を発行

2004年06月14日 19時47分更新

文● 編集部 佐久間康仁

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CSR推進本部環境推進部長の斎田正之氏
CSR推進本部環境推進部長の斎田正之氏

日本電気(株)は14日、東京・三田の本社ビルで記者説明会を開催し、NECグループ(国内92社、海外103社)全体における2003年度の環境活動結果をまとめた“NEC環境アニュアルレポート2004”を発行・開示したことを発表した。従来は詳細を記した冊子での配布を行なっていたが、今年からウェブサイト経由での配信を主体とし、イラストで解説したダイジェスト版の小冊子を配布することで、本レポート自体でも昨年度に比べてCO2換算で約54%の環境負荷削減を実現したとしている。



各ITソリューションによるCO2削減効果の割合
各ITソリューションによるCO2削減効果の割合

説明会ではCSR推進本部環境推進部長の斎田正之氏が、環境活動の詳細やそれぞれの効果などを具体的に説明した。斎田氏はまず同社の環境活動におけるスローガン“IT、で、エコ”について、IT(情報技術)の進化・普及が生産性の向上や物流・人の移動などCO2排出につながる行動の削減、情報流通の多様化(紙ベースからウェブやメール配信へ)など、“資源効率の向上”“地球温暖化防止”といった環境への貢献というプラスの面と、端末・サーバーの増加やインターネットの普及・拡大による電力消費の増大、生産活動の活性化によるCO2排出量の増大など、環境への負荷というマイナスの面を併せ持つことを示した。その上で、両者を差し引きして貢献(プラス面)が残るように英知を結集すべき、と同社の方向性を語った。

水冷パソコン“VALUESTAR FZ”“同 TX”の発売 高難燃性バイオプラスチックの開発
2003年度の活動トピックス。水冷パソコン“VALUESTAR FZ”“同 TX”の発売高難燃性バイオプラスチックの開発

続いて、NECでの活動例を具体的に挙げた。同社のパソコン関連製品においてはSCM(サプライチェーンマネジメント、生産/物流/販売の効率的な運用管理)システムを導入して棚卸在庫や輸送量を低減しCO2排出量を23%削減。NEC製品の販売・流通を行なうNECパーソナルプロダクツ(株)はすでに導入していた統合SCMを汎用機主体の旧式から、事業部や販売店をより密接に情報交換できる新システムに全面置換。これにより消費電力の削減と需給リードタイム短縮、伝票類の削減が実現されてCO2排出量が約2100トン、約27%の削減につながったという。

廃棄物排出の11%削減 CO2排出量の推移
廃棄物のうち、リサイクル可能なものを資源として売却し、梱包容器の回収/再利用などを促進して、廃棄物排出の11%削減を達成。NEC本社と事業所、研究所では廃棄物をすべて再資源化する“ゼロエミッション”を2002年3月に達成以来維持しているというCO2排出量の推移。2003年度は131万トンで前年比3%の削減になったという

このほか、昨年度は水冷式デスクトップパソコン“VALUESTAR FZシリーズ”“VALUESTAR TXシリーズ”を発売。静音性だけでなく、筐体に再生プラスチック、内部シャーシに六価クロムレス鋼板を100%使用するなど、素材面でも環境配慮を行なっていることをアピールした。

また、パソコン関連では家庭向けパソコンの回収・リサイクルを2003年10月1日から実施し、回収実績はデスクトップ/ノートパソコン、CRT/液晶ディスプレーの合計で1万7930台(243トン)を数えた。さらに、2003年7月には個人ユーザーを対象に使用済みパソコンの買い取りサービス、およびそれを再生した“NEC Refreshed PC(NECリフレッシュPC)”の店頭販売を開始して、2003年度で約4000台の販売実績を挙げたことを報告した。

輸送トラック台数を2000年の約1200台から約700台に削減
配送の一部をトラック輸送から鉄道輸送に切り替える“モーダルシフト”を実施し、輸送トラック台数を2000年の約1200台から約700台に削減。これにより、輸配送にともなうCO2排出量を2000年度から約13%削減したという

このほか、同社の環境活動に関する詳細は、専用ウェブサイト“NEC環境アニュアルレポート2004”で誰でも閲覧できるようになっている。

なお、説明会の後のQ&Aで、記者から「鉛フリー化はどこまで進んでいるのか?」と聞かれると、「新規設計の製品についてはすべて鉛フリーになった。ただ、設計の古いものについては代替材料の選択などに時間がかかり、まだ完全ではない。基板枚数ベースでは、7~8割程度が鉛フリー化を完了したと言えるだろう」と答えた。

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