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ソニー、富士通、三菱重工業がロボットサービス関連技術の開発を促進する新組織を発足――“第2回ロボデックスフォーラム”開幕

2004年03月24日 21時45分更新

文● 編集部 佐久間康仁

“第2回ロボデックスフォーラム(ROBODEX FORUM)”

東京・銀座の朝日ホール(有楽町マリオン内)において24日、ロボット関連技術の開発・研究成果を披露し意見交換を行なう“第2回ロボデックスフォーラム(ROBODEX FORUM)”が開催された。主催はロボデックス実行委員会。テーマは“「ロボット学とロボットビジネス」-新しいロボット産業が世界を変える-”。



ロボット関係各社の面々 出席した各社のロボットたち
会場に出席したロボット関係各社の面々。左から、三菱重工業の日浦亮太氏、富士通の成田雅彦氏、NECシステムテクノロジーの土岐泰之氏、ソニーの景山浩二氏会場に出席した各社のロボットたち。左から、三菱重工業の『wakamaru』、富士通の『MARON-1』、ソニーの『QRIO』『AIBO』

会場では、ソニー(株)の『QRIO(キュリオ)』『AIBO(アイボ)』、富士通(株)の『MARON-1(マロン・ワン)』、三菱重工業(株)の『wakamaru(ワカマル)』が、それぞれ共通のアプリケーション(統一プロトコル)でコントロールされるデモンストレーションが行なわれた。さらに、これら3社が発起人となって“ロボットサービス(※1)”を家庭や職場に円滑に導入するためのプロトコルなど基本技術の開発・公開、サービスの提案、ならびにプロトタイプテストなどを行なう推進組織“ロボットサービスイニシアチブ(略称:RSi)”を5月に設立することが発表された。

※1 ロボットサービス ネットワークを利用してロボットがユーザーの利便性を図る情報サービスならびに物理的サービス

3社は設立準備委員会として、ロボット開発/情報通信/サービス提供などの各業種に参加を呼びかけ、5月中旬に設立総会を実施(予定)。2004年度第3四半期(10~12月)にプロトタイプ1号機の実証実験と第2回総会、2005年度第2四半期(2005年7~9月)にプロトタイプ2号機の実証実験と第3回総会の開催を目指すとしている。現在すでに、NECシステムテクノロジー(株)、(株)テムザック、ニフティ(株)、(株)PFU、(株)お天気.com、(株)ディービーシーが賛同を表明しており、NECシステムテクノロジーはロボット開発のためのソフトウェアプラットフォームを開発・提供するという。

ロボットの共通命令形態と通信プロトコルの実装を示した図 4つのロボットを同時にコントロールする制御ソフトの画面
“RSi”が目指す、ロボットの共通命令形態と通信プロトコルの実装を示した図Javaアプレットで試作された、4つのロボットを同時にコントロールする制御ソフトの画面

会場には、ソニーのエンターテインメントロボットカンパニー 第一開発部統括部長の景山浩二(かげやまこうじ)氏、富士通のソフトウェア事業本部開発企画統括部 第一計画担当部長の成田雅彦氏、三菱重工業の神戸製造所 新製品・宇宙部ロボットグループ主任の日浦亮太(ひうらりょうた)氏、NECシステムテクノロジーのシステムテクノロジーラボラトリ主任研究員の土岐泰之(ときやすゆき)氏が列席し、ロボット開発の現状やネットワークインフラを利用した今後のビジネスへの展開・展望などを語った。

景山氏は、「1999年にAIBOの一号機を発売した。そのときから、AIBOで撮った画像を伝送するネットワーク関連機能を搭載しているが、これからは他社のロボットとも協調・連携して働くことが求められるだろう」「AIBOは、AV機器やIT機器(パソコンなど)とは違った面白さやユーザーへの親和性がある。例えば、長野の“AIBOクリニック”(AIBOの補修を行なう部署)から直したAIBOを発送すると、ユーザーから“直してくれてありがとう”とお礼のハガキが届くことも多い。こうしたケースが目立つのは、AV機器やIT機器とは大きく異なる現象だ」と語った。

日浦氏は発売前のwakamaruについて、「(同席した2社と比べて)わが社が遅れているという印象を持つかもしれないが、ロボットを会社のマスコットではなくビジネスとして捉えている。ネットワークインフラの普及した今だからこそ、ロボットビジネスもより広がりを持つと考え、(wakamaruを)開発した。2005年中に100~200万円の範囲の“なるべく手ごろな値段”で販売したい」と新規ビジネスチャンスの創出に期待を示した。

番組予約のリストを参照するデモンストレーションの説明パネル
DHWG準拠のプロトコルを使って、番組予約のリストを参照するデモンストレーションの説明パネル

会場で行なわれたデモンストレーションでは、まず4体のロボットがひとつの制御システム(Javaアプリケーションによる専用コントロールソフト)から同時に“1m前に進んで、挨拶する”という命令を受け、実践する様子が披露された。これは3社が共同開発した“RoboLinkプロトコル”をSOAP(Simple Object Access Protocol)で通信(無線LAN経由)して実現しているという。

QRIOに話しかけて、リストアップされた番組一覧表を表示する命令を下しているところ 画面に映し出された番組一覧表
QRIOに話しかけて、リストアップされた番組一覧表を表示する命令を下しているところ画面に映し出された番組一覧表

さらに、QRIOとMARON-1がDHWG(Digital Home Working Group、デジタルコンテンツを家電機器間で共有するための業界標準技術)準拠のプロトコルを利用して、ユーザーの嗜好に応じて推薦された番組情報(デモでは“今晩放送されるアニメ番組”の一覧)をTVに表示。wakamaruではユーザーの話しかけた言葉(デモでは“ゴールデンウィークに行ける近くの温泉宿はない?”という質問)を音声データとして記録、サービスセンターに転送して、センターのコンシェルジュサービスによって得られた回答をテキストファイル(電子メール)で受信し、wakamaruの音声合成機能で読み上げる、といったデモンストレーションも滞りなく行なわれた。

wakamaruに話しかけて質問しているところ wakamaruに話しかけて質問し、オンライン経由でコンシェルジュサービスからの回答を受け取って、wakamaruが音声合成で答える、というデモンストレーションの説明パネル
wakamaruに話しかけて質問しているところ。wakamaruはマイクで音声を取り込み、そのまま音声データとしてメールでコンシェルジュサービスに転送するwakamaruに話しかけて質問し、オンライン経由でコンシェルジュサービスからの回答を受け取って、wakamaruが音声合成で答える、というデモンストレーションの説明パネル

このほか、AIBOやMARON-1のデジタルカメラ機能を用いて部屋の監視を行なう、ロボットを通じて会社や外出先から自宅にあるロボットの遠隔操作を行なう、ロボットに対して行なったユーザーの行動/命令などにより、ユーザーの趣味嗜好に合わせたサービスの提案・提供を行なう、などの利用シーンが提案された。

AIBOやMARON-1を使って、外出先から家庭内の監視を行なうデモンストレーションの説明パネル AIBOやMARON-1の位置/カメラコントロールを行なう試作制御プログラムの画面
AIBOやMARON-1を使って、外出先から家庭内の監視を行なうデモンストレーションの説明パネルAIBOやMARON-1の位置/カメラコントロールを行なう試作制御プログラムの画面

4社の代表者は、まず今日の発足発表を持って各社への働きかけを開始し、参加企業が集まった段階で、ロボットが行なう/提供するべきサービスの選出と、それを実装するためのコマンド体系の抽出などの作業に取り掛かりたい、としている。これは、現在すでに開発されているロボットを基準とするのではなく、今後も各社から登場してくるであろう家庭用ロボットにおいて、標準的に必要とされるであろうサービスを統一した命令体系/命令プログラムでコントロールできるために、必要な基礎技術開発や整備を進めるためだと説明している。

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