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三洋、携帯ディスプレーの低消費電力化を実現する低ポリ技術!来年から量産開始!

2004年03月11日 19時07分更新

文● 編集部 小板謙次

三洋電機(株)は11日、モバイル機器用ディスプレーの大幅な低消費電力化を実現するという低温ポリシリコンTFTの新駆動技術“SmartDIDM(スマートディダム)”を発表、都内で記者会見を開催した。携帯電話向けに来年の第1四半期から量産を開始する。

コンポーネント企業グループディスプレイカンパニーシステム技術BUリーダーの横山良一氏は「携帯電話の液晶が高精細になり、データの書き込みも高速になるにつれて消費電力が高くなっているなかで、低消費電力化の要望が強くなった」と背景を話した。氏は低消費電力化について「約2年前にピクセルにメモリーを内蔵しながら消費電力の低いものを作ったケースが見られたが、回路に工夫を凝らして液晶に近い部分でユニークな駆動をさせることで、パフォーマンスをアップすることができる」と今回の技術についてアピールした。

新駆動技術“SmartDIDM(スマートディダム)”の説明にあたったコンポーネント企業グループディスプレイカンパニーシステム技術BUリーダーの横山良一氏
新駆動技術“SmartDIDM(スマートディダム)”の説明にあたったコンポーネント企業グループディスプレイカンパニーシステム技術BUリーダーの横山良一氏

液晶は材料特性によって、劣化を防ぐためにガラスの間に印加する電圧の極性を反転させており(反転駆動)、現在ではドット反転駆動とライン反転駆動の2つが用いられている。ドット反転駆動は電圧の振幅を小さくすることが難しいがフリッカーノイズに強い。一方ライン駆動方式は電圧の振幅を小さくできるが、ノイズが目立ちやすいという特性がある。現在の携帯電話やデジタルカメラの液晶は、消費電力が低いということでライン反転駆動を採用するようになってきているという。

「消費電力を下げようという時の方法としては、電圧を下げる方法と周波数を下げる方法がある。たとえば、60Hzのフレームレートを30Hzに落とせば書き込みのスピードは半分になるので消費電力を半減できる。しかし、30Hzというのは、人間の目にはフリッカーが目立ってくる。ライン反転駆動方式はこれが画質劣化になり目障りになる。ドット反転駆動はそのちらつきがドットごとなるので見た目にわからない。しかし、LSIの電圧が上がってしまう」とし、今回の技術は両方の長所を生かしたものだと話した。つまり、フリッカーの少ないドット反転方式を用いて低周波駆動を行ないながらも駆動電圧の振幅を小さくしたのだ。保持容量に回路を設けることで、電極電圧をプラスとマイナスにシフトさせる。これによって、電圧の振幅を低く抑えることができるという。

左がライン反転駆動、ドット反転駆動、SmartDIDM。 新ドット反転駆動方式“SmartDIDM”の動作原理。
左がライン反転駆動、ドット反転駆動、SmartDIDM。ライン反転駆動は電圧振幅が少なく消費電力が低いが、周波数を低くしたときにフリッカーノイズが目立つ。ドット反転駆動はフリッカーノイズは目立たないが、電圧が高くなる。新ドット反転駆動方式“SmartDIDM”の動作原理。ビデオ信号を画素電極に書き込んだ後、保持電流の一方の電極電圧を変化させ(回路にハイ・ローの電位操作を行ない)、電位をマイナス・プラス側にスライドさせる。これによって電圧の振幅を低く抑えることができる。

しかし、“SmartDIDM”にも欠点がないわではない。氏によると「この方式は回路をドットごとにプラスとマイナスに振っていくために、1本余分にラインを通さなけらばならない。それは非常に細いラインだが液晶を透過モードにした時に、少し透過率が落ちる」という。しかし、これもそれほど問題がないようだ。その理由として現在は、半透過の液晶が主流になってきていることが挙げられる。「半透過というのは反射領域を作る関係上、いくらか透過率を落として反射面積を増やしているので、そこの領域を使えば、半透過使用時の透過領域を削ることなくラインを通すことができる」としている。

従来の駆動方式との比較
従来の駆動方式との比較。
会場ではライン反転方式の液晶と比較モデを行なっていた。
会場ではライン反転方式の液晶と比較モデを行なっていた。30Hzや20Hzまで落とすと違いは一目瞭然だった

記者からは「今回の方式はアモルファスでも可能なのではないか?」との質問がでたが、これに対して横山氏は「ゲート側のドライバーで保持容量ラインを駆動するような信号を付加すれば可能だ。しかし、低温ポリシリコンはゲートドライバーを内蔵できる。それを少し工夫して対極をプラスとマイナスにフルことで簡単にできる」と低温ポリシリコンの優位性を強調した。

アナログのOPアンプは貫通電流を流しているので、その分だけは削れない。
液晶の画像信号は最終的にはアナログで書き込んでいるので、アナログアンプがついている、アナログのOPアンプは貫通電流を流しているので、その分だけは削れない。そのためアナログは半分の25%ではなく、30%になっている

また30Hz駆動という低電圧になることの動画への影響についてついては、FOMAの例も引き合いに出して説明した。「FOMAはデータが動画でやってくるといっても60Hzではない。実際にはインフラの関係で15Hzという低いレートできている。これを30Hzで駆動させるのは全然問題がない」と話した。また、「地上波デジタルで60Hzの動画がやってきたときには60Hzで駆動するようにすることもできる」と付け加えた。

具体的にはライン反転駆動の消費電力を100%とした場合、新形式では55%に低減することができるとしている。

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