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松下電器産業、長時間録画や高速ダビングなどを強化したDVD/HDDビデオレコーダー“DIGA”シリーズ5製品を発表

2004年03月09日 22時06分更新

文● 編集部 内田泰仁

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松下電器産業(株)は9日、DVD/HDDビデオレコーダー“DIGA(ディーガ)”シリーズの新製品として、250GBのHDDとDVD-RAM/Rへの録画に対応した『DMR-E95H』など5製品を発表した。価格は全製品ともにオープンプライス。また、同日に開催された発表会では、“Blu-ray Disc”およびDVD-RAM/Rへの録画が可能なDVDビデオレコーダーが参考出品として紹介された。

この日発表された“DIGA”最新機種を肩に担いでポーズを取るCMキャラクターのボブ・サップ氏

この日発表された“DIGA”シリーズのラインナップは以下のとおり。

『DMR-E55』
DVD-RAM/Rへの録画と再生に対応。3月20日発売。編集部による予想実売価格は5万円前後。
『DMR-E75V』
DVD-RAM/R、VHSテープへの録画と再生に対応。4月21日発売。編集部による予想実売価格は7万円前後。
『DMR-E85H』
HDD(160GB内蔵)、DVD-RAM/Rへの録画と再生に対応。4月1日発売。編集部による予想実売価格は9万円前後。
『DMR-E95H』
HDD(250GB内蔵)、DVD-RAM/Rへの録画と再生に対応。SD/PCカードスロット搭載。5月10日発売。編集部による予想実売価格は12万円前後。
『DMR-E150V』
HDD(80GB内蔵)、DVD-RAM/R、VHSテープへの録画と再生に対応。6月21日発売。編集部による予想実売価格は11万円前後。

今回の製品に共通した特徴は、画像エンジン“NEW・ディーガエンジン”の搭載による高画質化、DVD-RAM/RおよびHDDへの録画時間を従来より長時間化する“新・長時間モード”の搭載、HDDおよびDVD-RAM/R間でのダビング速度の高速化、リモコンやメニューの改良による操作性の向上の3点。

“スーパーハイブリッドVBR”“インテグレイティッドDNR”“インテリジェント・ダビングDNR”
“NEW・ディーガエンジン”の3機能

“カンタンプログラムナビ”のプレビュー一覧画面。写真ではわかりにくいが、選択している映像(黄色く囲まれている場所)は動画表示、そのほかは静止画表示となっている
新画像エンジンの“NEW・ディーガエンジン”は、VBR(Variable Bit Rate)録画時の画質を向上させる“スーパーハイブリッドVBR”と、MPEG-2動画に発生しやすいモスキートノイズとブロックノイズを1画素単位で除去できる“インテグレイティッドDNR”、ビデオテープ信号を自動検出し、横揺れを軽減するTBC(タイム・ベース・コレクター)とランダムノイズを除去する3次元DNR(デジタル・ノイズ・リダクション)により、テープダビング時に発生する画質劣化を低減する“インテリジェント・ダビングDNR”、の3機能を搭載。また、“スーパーハイブリッドVBR”により、低ビットレート時での録画画質が向上したことにより従来よりも録画時間の延長が可能になり、DVD-RAM/Rメディア1枚に最長で16時間(DVD-RAM両面使用時)の録画が可能だという。操作性の向上については、テレビ番組ガイド(EPG)の搭載(DMR-E85H/E95H/E150V)、静止画/動画によるプレビュー表示とHDDに録画した番組のリスト表示という2種類の番組一覧表示を備えた“カンタンプログラムナビ”、機能を簡単に選択設定できる“カンタン機能選択”のメニュー機能改善と、レコーダー本体表示部の大画面化、リモコンの改良を行なうことにより、ビデオレコーダーの高機能化に伴って複雑になった操作系の使いやすさ向上を図っているという。



『DMR-E55』『DMR-E75V』

製品ラインナップのうち、『DMR-E55』『DMR-E75V』の2製品はHDDを搭載しない製品。『DMR-E75V』はVHSテープの録画再生も可能な“VHSビデオ一体型”のDVDビデオレコーダーで、DVD-VHSテープの双方向ダビングができる“ワンタッチ2WAYダビング”を備える。『DMR-E75V』には2つのTVチューナーが搭載され、DVDおよびVHSテープにそれぞれ別チャンネルの別番組を同時に録画できる“ツインチューナー2ch同時録画”機能が装備される。また、同社のDVD&VHSビデオレコーダーとしては初めてS-VHSに対応し、S-VHSの高画質ダビングも可能となっている。

『DMR-E85H』『DMR-E95H』

HDD内蔵タイプの『DMR-E85H』『DMR-E95H』は、それぞれ160GB、250GBのHDDを搭載。録画時間は、前述の“新・長時間モード”により、『DMR-E85H』で最長約284時間、『DMR-E95H』で約443時間となっている。また、DVD-RAMの3倍速、DVD-Rの4倍速記録に対応したことにより、HDDからDVDメディアへのダビングの高速化。ダビング速度は、HDD→DVD-Rダビングでは従来の24倍速から32倍速に、HDD→DVD-RAMは従来の12倍速から24倍速にそれぞれ高速化されている。さらに『DMR-E95H』には、デジタルカメラの画像をHDDまたはDVD-RAMに保存したり、本機を介してテレビに表示したりできるように、SDメモリーカード/PCカードスロットを搭載し、メモリーカードやHDD/DVD-RAMに記録された画像データのアルバムやスライドショーの表示が可能。対応画像フォーマットはJPEGまたはTIFFで、DPOF設定も行なえる。また、DV入力端子(IEEE 1394端子、4ピン、1系統)を装備し、“DV入力自動録画”機能を利用することにより、DV経由で接続されたデジタルビデオカメラから自動的に映像のダビングが可能。HDD/DVD-RAMへのダビング時には、撮影したシーンの切れ目を検出してプレイリストを自動生成する。

『DMR-E150V』

『DMR-E150V』は、DVD-RAM/R、HDD、VHSテープの3メディアに対応した“3in1レコーダー”で、DVD/VHSビデオレコーダーにHDDが内蔵される初めて製品となる。HDD容量は80GBで、最長録画時間は“新・長時間モード”で142時間。HDD/DVD/VHS間での双方向ダビングに対応する“ワンタッチ6WAYダビング”を搭載し、『DMR-E85H』『DMR-E95H』と同様にHDD→DVD-Rでは32倍速、HDD→DVD-RAMは24倍速でのダビングが可能。VHSビデオ部の機能としては、600倍速巻き戻しと、120分テープで10時間録画可能な“5倍速モード”を搭載する。“S-VHS高画質ダビング”にも対応。

各製品の本体サイズ/重量と搭載する入出力端子は以下のとおり。

『DMR-E55』
幅430×奥行き274×高さ79mm/約3.3kg、S映像入力×3/コンポジット映像入力×3/2chアナログ音声入力×3、D1/D2映像出力×1/S映像出力×1/コンポジット映像出力×1/デジタル音声出力×1/2chアナログ音声出力×1
『DMR-E75V』
幅430×奥行き352×高さ89mm/約5.8kg、S映像入力×2/コンポジット映像入力×2/2chアナログ音声入力×2、D1/D2映像出力×1/S映像出力×1/コンポジット映像出力×1/デジタル音声出力×1/2chアナログ音声出力×1
『DMR-E85H』
幅430×奥行き274×高さ79mm/約4.2kg、S映像入力×3/コンポジット映像入力×3/2chアナログ音声入力×3、D1/D2映像出力×1/S映像出力×2/コンポジット映像出力×2/デジタル音声出力×1/2chアナログ音声出力×2
『DMR-E95H』
幅430×奥行き291×高さ79mm/約4.5kg、S映像入力×3/コンポジット映像入力×3/2chアナログ音声入力×3、D1/D2映像出力×1/S映像出力×2/コンポジット映像出力×2/デジタル音声出力×1/2chアナログ音声出力×2、DV入力端子×1、SD/PCカードスロット×1
『DMR-E150V』
本体サイズ/重量は現時点では未公開、S映像入力×3/コンポジット映像入力×3/2chアナログ音声入力×3、D1/D2映像出力×1/S映像出力×1/コンポジット映像出力×1/デジタル音声出力×1/2chアナログ音声出力×2

参考出品のBlu-Ray Disc対応のDVDビデオレコーダー

参考出品されたBlu-Ray Disc対応のDVDビデオレコーダーについては、詳細なスペックや価格については未定。片面2層のBlu-Ray Discに対応し、容量約50GBのメディアにハイビジョン映像を約4.5時間記録可能だという。また、地上/BS/CS110度デジタルチューナーを内蔵し、DVD-RAM/Rへの録画にも対応する予定とのこと。同社によると、7月ころの発売を目指すとのことだが、現時点では発表日、発売日ともに未定となっている。

松下電器産業(株)・パナソニックマーケティング本部本部長の牛丸俊三氏砲丸を片手に登場したボブ・サップ氏は「DIGA!」と絶叫!!

発表会の冒頭に市場、戦略の解説を行なった松下電器産業(株)パナソニックマーケティング本部本部長の牛丸俊三氏は、アテネオリンピックが開催される今年は、録画機の需要が例年より大きくなると予測、“オリンピックはDIGAで録る”をキャッチコピーに、大規模なマーケティング展開を行なうと述べた。また、2003年末時点でDVDビデオレコーダーの世帯普及率は7%に達しており、2004年は10%にまで伸びるという。牛丸氏によると、「家電製品は(世帯普及率)10%からが爆発的普及期」とのことで、オリンピック需要と合わせ、今年は昨年までよりもさらにDVDビデオレコーダー市場が大幅に伸びると見込んでいるという。CMキャラクターを今シーズンも務めるボブ・サップ氏は、“DIGA”ロゴの入った金メダルを首から下げ、金色の砲丸を構えて登場。「昔は砲丸投げの選手だったが、続けていたらオリンピックで金メダルを取れたね、フハハハハ」と語り、「オリンピックはDIGAで録る!!」と雄たけびをあげた。

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