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エンテラシス、インテリジェントスイッチ“Matrix”の新製品を発表――日本市場戦略では“Secure Networks”に注力

2004年02月24日 00時00分更新

文● 編集部

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エンテラシス・ネットワークス(株)は24日、主力製品であるエンタープライズ向けスイッチ“Matrix N”シリーズ用スイッチモジュールとして“Gold DEFモジュール”を追加するとともに、中小規模の企業向けレイヤー3スイッチとして“Matrix E1”と“Matrix C1”を投入すると発表した。販売代理店を通して25日に販売を開始する。価格は、“Gold DFEモジュール”が142万5000円から、“Matrix E1”が49万8000円から、“Matrix C1”が67万円から。併せて複数のユニットの集中管理に対応した無線アクセスポイント『RoamAbout AP3000』も提供する。3月1日に販売を開始し、価格は10万5000円。また、同日より新ロゴマークを採用することも発表した。

土本良司氏
エンテラシス・ネットワークス(株)代表取締役社長の土本良司氏

都内ホテルで開催した記者発表会では、1月15日付けで代表取締役社長に就任した土本良司氏が、ビデオにより新ロゴマークを紹介し、日本市場での戦略について説明した。

海外の調査会社によるデータを示し、約70%のセキュリティー違反が組織内部で発生したということや、ほとんどのネットワークに多数のセキュリティーホールが存在し、“信頼できるマシン”という考え方はもはや通用しないという現状について述べ、これまでは“Capacity(速い)”、“Connectivity(つながる)”、“Cost(安い)”の“3C”による価格競争が市場で繰り広げられていたが、これからは“Continuity(セキュアーなネットワーク環境をビジネス向けに保証して継続するか)”、“Context(パケットではなく情報を転送する)”、“Cotrol(状況に応じてネットワークをアクティブに変更/対応する能力)”、“Compliance(外部/内部のコンプライアンスに企業としていかに遵守していくか)”、“Consolidation(異なる通信環境やユーザーニーズに対して、妥協せず、通信環境を強化/統合していけるか)”の“5C”により、顧客のセキュリティーに対する問題意識を高める差別化戦略が重要であるとした。

新ロゴ
同日付けで採用した新ロゴマーク。“entera”はスペイン語で“全体(entire)”を意味し、「Networks that Know」は、“ネットワーク自体が人間のように考え、理解をし、行動する”を意味するという

そして、3Cの(価格競争などで利益の上がらない)“箱売り”から、5Cの“ソリューション・ビジネス”へのパラダイムシフトがここ1~2年で到来すると考えていることを話し、現在の企業のネットワークは、ウイルス対策/パーソナルファイアーウォール、ファイアーウォール、IDS、VPNなど、異なるベンダーの異なる製品が利用されているため、全体として見ると“穴だらけ”であるとしたうえで、同社が提唱する“Secure Networks”による一元管理を提供することで差別化を図るとした。“Secure Networks”では、企業のセキュリティーポリシーの管理と制御の一元化、ネットワーク設定の自動化、ユーザーIDやリソース利用に対する標準に準拠した認証/許可、ロールベースのフレームワーク、レイヤー2~4トラフィック分類によるアプリケーションとサービスの特定、イベント検出をトリガーとして自動ネットワーク設定によるレスポンスなどを差別化の要素として挙げ、同社が「業界初となる、セキュリティポリシーアーキテクチャのためのネットワーク基盤」を提供すると説明。これまでの部分的、単発的な、後付けのネットワークのセキュリティーでなく、人間のように、考え、理解し、行動することのできる、セキュアーなネットワークソリューションを提供する“Secure Networks”の考え方を強調して締めくくった。

森本信一氏
マーケティング本部マネージャの森本信一氏が新製品に関して、“仮想分散ファイアウォール”の考え方や、ロール(役割)によるフレームワーク、セキュリティー(侵入検知)製品“DRAGON”との連携、1ポートにつき1ユーザー認証/1ポリシー適用から、1ポートにつき複数ユーザー認証/複数ポリシー適用の“Multi-User Authentication and Policy”に向かうロードマップなどを紹介

“Gold Distributed Forwarding Engine(Gold DEF)モジュール”は、10/100BASE-TX、10/10/100BASE-T(1GbE)、100BASE-FXをサポートするスイッチモジュール。1モジュールあたり18Gbps(6.5Mpps)の処理が可能。“エッジ”に最適化したスイッチングやルーティング、QoS、動的ポリシー、セキュリティー機能を搭載するのが特徴。VLANは4096までサポートする。本体サイズは幅60.5×奥行き295.1×高さ464.3mm、重量は4.10kg。電源はAC100~125/200~250V。“Gold DFEモジュール”のラインアップは、10/100BASE-TX(RJ45)×48ポートと拡張スロット×1個の『4H4282-49』、10/100BASE-TX(RJ21)×48ポートと拡張スロット×1個の『4H4283-49』、 100BASE-FX(MTRJ)×48ポートと拡張スロット×1個の『4H4284-49』、10/100/1000BASE-T(RJ45)×40ポートと拡張スロット×1個の『4G4282-41』、10/100BASE-TX(RJ45)×72ポートの『4H4202-72』、10/100BASE-TX(RJ21)×72ポートの『4H4203-72』、10/100/1000BASE-T(RJ45)×60ポートの『4G4202-60』。格納するシャーシには、7スロットのMatrix N7シャーシと、3スロットのMatrix N3シャーシを用意する。

『4G4282-41』 『7H4382-49』
Gold DEFモジュール『4G4282-41』Platinum DEFモジュール『7H4382-49』
Matrix N用スイッチモジュール

上位製品の“Platinum DFEモジュール”にはIPv6対応の拡張版が追加されている。ポート単位のMAP(マルチユーザー認証/ポリシー)機能を搭載するのが特徴で、サイズや重量はGold DEFモジュールと同じ。価格は176万円から。ラインアップは、10/100BASE-FX(MTRJ)×48ポートの『7H4284-49』 、10/100BASE-TX(RJ21)×48ポートの『7H4283-49』、10GBASE-X(XENPAK)×2スロットの『7K4290-02』など。

“Matrix E1”
“Matrix E1”

“Matrix E1”は中規模向けのハイエンドのレイヤー3スイッチで、IP電話やリアルタイムマルチメディアアプリケーション、ERPなどの大量のデータを扱うアプリケーションに対応した製品。スイッチング容量は24ポートモデルが10Gbps/6.5Mpps。レイヤー2~4でパケット分類を実行でき、アプリケーション/ポート/ユーザーの各レベルでの制御が行なえる。スパニングツリー(IEEE 802.1D/802.1w)やVLAN(IEEE 802.1Q)もサポートする。本体サイズは幅445×奥行き439×高さ89mm(2U)、重量は8.75kg。ラインアップは、10/100BASE-TX×24ポートと拡張スロット×1個のFast Ethernetスイッチ『1H582-25』、分散スイッチングに対応したMini-GBIC×6スロットと拡張スロット×3個を搭載するGbEスイッチ『1G587-09』。

“Matrix C1”
“Matrix C1”

“Matrix C1”は、“Matrix E1”の下位モデルに相当するワークグループ向けスイッチ。本体サイズは幅444.5×奥行き440×高さ43.9mmで、重量は5.5kg。10/100BASE-TX×48ポートと10/100/1000BASE-T×2ポート、Mini-GBIC×2スロットを装備するFast Ethernetスイッチ『C1H124-48』、10/100/1000BASE-T×24ポートとMini-GBIC×4スロットのGbEスイッチ『C1G124-24』をラインアップする。初年度販売目標は、Gold DFEモジュールが1000台、Matrix E1が3000台、Matrix C1が5000台。

『RoamAbout AP3000』
『RoamAbout AP3000』

『RoamAbout AP3000』は、エンタープライズ向け無線アクセスポイント『RoamAbout R2』の下位モデルに相当し、ラインアップを補完する製品。IEEE 802.11aとIEEE 802.11b/gの“デュアル無線タイプ”(RB3K-AJ)と、IEEE 802.11b/gの“シングル無線タイプ”(RBT3K-1G)の2タイプを用意する。セキュリティー機能は、WPA(Wi-Fi Protected Access)、AES(Advanced Encryption Standard)、WEPをサポートし、セッションごとの暗号化やIEEE 802.1x認証にも対応。IEEE 802.3af準拠のPoE(Power over Ethernet)をサポートしており、ネットワークケーブルによる給電が可能(DC48V)。本体サイズは幅137.3×奥行き32.7×高さ218.3mm、重量は0.8kg(プラスチックカバーを含まず)。初年度の目標販売台数は5000台。

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