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バッファローがDDR2メモリモジュール開発を完了!担当者を直撃インタビュー!

2004年02月20日 00時00分更新

文● 増田

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Elpida製のチップ
Elpida製のFBGAパッケージのチップが実装されたバッファローのDDR2メモリモジュール

 いよいよ次世代の主力メモリとなるDDR2メモリモジュールが、市場に現れる日も近いようだ。秋葉原では、先週末から製品のサンプル版が出回るとともに、本日もTSUKUMO eX.にて玄人志向ブランドのDDR2メモリモジュールの展示がスタート。また、同じく玄人志向のWEBサイトでは“先行モニタ販売”という条件付きながら販売もスタートしている。
 そんな中、20日付けで株式会社バッファローがDDR2メモリモジュール開発を完了、動作を確認したとのニュースリリースが発表された。そこで今回、同社のパソコン関連事業本部 PCコンポーネント事業部 資材グループの新海氏と同開発グループの重倉氏にお話をうかがった。



担当者の2人
お話をうかがった同社のパソコン関連事業本部 PCコンポーネント事業部 資材グループの新海氏(右)と同開発グループの重倉氏(左)

――はじめに、御社のDDR2メモリモジュールに対する取り組みの経緯を教えていただけますか?

当社は、1996年からJEDEC(Joint Electron Device Engineering Councilの略。米国の電子デバイスに関する標準化団体で260社以上が加盟している。俗にいうJEDEC準拠とは同団体の基準に基づいて製造されたメモリモジュールをさす)に加盟しているのですが、“DDR2”の規格策定に関しましては国内のメモリモジュールメーカーとしては唯一、初期から参加しています。実際にこちらから社員を派遣するなど設計段階から携わっていまして、中でもDDR2 SO-DIMMのコモンガーバー(標準規格)は当社のものが採用されております。



3モデル SO-DIMM
開発が完了したというDDR2メモリモジュール 左から240-pin Unbuffered DIMM 256MB/240-pin Registered DIMM 512MB/200-pin Small Outline DIMM 512MBJEDEC規格のDDR2 SO-DIMMガーバーは同社が設計したものが採用されているという

――現在のDDR2メモリモジュールの状況を聞かせていただきますか?

ご存知の通り、今日20日付けで当社から「DDR2」メモリモジュール開発の完了と動作確認の報告を皆様にさせて頂きました。現在は、各マザーボードメーカーと互換検証を行っている最中で、インテル社のバリテーション(認証作業)も申請中という状態です。

表
従来のDDRと次世代規格DDR2の主な違い。このほか動作電圧がDDRの2.5VからDDR2は0.7V低い1.8Vに下がっているなどの特徴をもつ

――実際の動作確認や検証作業はどのようにして行われるのですか?

動作検証というか互換検証は、今現在も台湾のマザーメーカーと続けていまして、私(重倉氏)も何度となく現地に足を運んで行っています。また、DDR2のメモリテスタを使用しても行っています。

――では、すぐにでも販売はスタートできる状態のあると?

えぇ、ただし動かす環境はどこにもないですが(笑)。実はご存知と思いますが、当社の自作パーツブランドである“玄人志向”。そこのWEBサイトでは今日から販売するんです。“先行モニタ販売”という条件付きですけど。でも売れるのかなぁ~

――今、手元にあるこれら3製品にはすべてElpida製のチップが実装されていますが、実際の販売時にもElpida製が採用されるのでしょうか?

そればかりは、わかりません。常に価格が動いているものなので。今回、Elpida製のチップを採用したのは、たまたまといってはなんですが、早く入手できたというのが単純な理由です。品質にこだわるのはもちろんですが、採用するチップはその時々の相場や在庫との兼ね合いになると思います。



Elpida Japan
今回見せて頂いた3モデルにはすべてElpida Japanのチップを採用 唯一の国内チップメーカーして自作ユーザーには人気のメモリチップだ

――当初、販売される製品のラインナップはどのようになるのですか?

ワークステーションやデスクトップPC向けのUnbufferedタイプはDDR533を中心に、サーバ市場向けのRegisteredタイプやノートPC向けのSO-DIMMはDDR400が中心となると思います。これは市場全体に言えることだと思いますが、現状のDDRメモリでもDDR400に対応するデスクトップPCは、DDR2メモリのDDR400やDDR533ではそれほどのパフォーマンス向上は期待できませんし。ただ、DDR333までのサポートがほとんどのサーバーやノートPCに対しては、効果が期待できます。特にDDR2のウリである低電圧(DDRの動作電圧2.5VからDDR2は0.7V低い1.8Vに下がっている)と、それに伴う発熱の低下も見逃せません。よって、はじめはデスクトップPCよりもそれらの需要の方が高くなる可能性もあると見ています。

――実際の販売時期は決まっているのでしょうか?というか玄人志向のサイトでは「メモリの素Ver.2(某E社のDDR2メモリチップ)」なんてやってましたけど…(ちなみに“事情により販売中止いたしました”という記述が玄人志向のサイトにはある)

あっ、やっぱりバレテました…まぁそれは置いといて。玄人志向ブランドとしてはゲリラ的に販売する可能性も否定できませんが(笑)…。バッファローとしては、当然需要ができたら(対応PCやマザーが市場に投入されてから)すぐにでも販売を開始します。こればかりはインテルさん次第ということになりますね。



某E社
玄人志向のサイトでは「メモリの素Ver.2(某E社のDDR2メモリチップ)」なんてやってました…16日で事情により販売中止

――予価のようなものは?

決まってません。他社さんの価格動向や、その他諸々の事情がありますので。その時にならないと正確な値段は出ないと思います。当然、今のDDRのように普及して皆さんが使うようになれば値段も下がりますし。

 今月に入って次々と出てくるDDR2関連の情報だが、関係者の話ではこのほかにもいくつかの情報が入っている様子。各チップメーカーもDDR2チップの生産を本格化させており、今後もサンプルモジュールの類がいくつか出てくることになるだろう。DDR2メモリモジュールの量産体制は、かなり本格的な段階に入りつつあると見てよさそうで、後は肝心の対応チップセットを搭載したマザーボードのみという状況ができつつあるようだ。



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