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【一足先に目撃!!】紙のシステム手帳を超える、ソニーの『CLIE PEG-TH55』

2004年02月10日 21時35分更新

文● Palm Magazine編集部 本多いずみ

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Palm Magazine Vol.22
Palm OS専門誌『Palm Magazine Vol.22』(発行:アスキー)。Vol.22では、CLIE PEG-TH55と『CLIE PEG-TJ37』のレビューをはじめ、Palmファンを芯まで愛する3大特集をお届け。2月27日発売予定、価格は1380円(税別)

話題の新製品を、編集部が入手した直後に各部の写真で一足先にレポートする“写真で見る話題の新製品 【一足先に目撃!!】”。今回はソニー(株)のPDA『CLIE PEG-TH55』のファーストルックを、Palm Magazine編集部が紹介する。



PEG-TH55は“デジタルなシステム手帳”

ソニーは、新しいPalm OS搭載機『CLIE PEG-TH55』(以下、TH55)を14日に発売する。同社はこれに、同時発売の『CLIE PEG-TJ37』と2003年10月発売の『CLIE PEG-TJ25』を合わせた3機種を『デジタル手帳』と位置づけ、その中でもTH55を、デジタル手帳のハイエンドモデルとしている。

搭載OSはPalm OS 5(Ver.5.2.1)、メモリーはDRAMが32MB(ユーザー領域32MB)、ROMが32MBとなっており、CPUには同社開発の『Handheld Engine』(123MHz)を搭載している。320×480ドット/6万5536色表示のバックライト付き半透過型TFTカラー液晶ディスプレーを採用。ハードウェアキーボードを搭載しないCLIEとしては初めてワイドハイレゾ画面を実現する。背面にはジョグダイヤルと左右ボタン、backボタン、そして内蔵デジタルカメラ(31万画素CMOSセンサー)のレンズを備える。シャッターボタンやメモリースティックスロット(メモリースティックPro対応)、電源ボタンなどは本体左側面に集められている。通信カード向けのCFスロットなどは搭載していないが、無線LAN機能(IEEE802.11b)を内蔵する。

本体デザインはTシリーズを踏襲したストレートタイプだが、表面にザラつき感があるので汗をかいた手でも滑りにくい。色は落ち着いた質感の“エグゼブラック”と、限定色の“セレブレッド”(赤)を用意している。

本体正面 本体背面
本体正面。ストレートタイプのCLIEでは初めて採用されたワイドハイレゾ画面。発色はもちろん、手書き入力の際の感触もいい。液晶を保護するプラスチックのカバーが付属する本体背面。ジョグダイヤルが背面になったことで今までよりも自然に操作でき、ホールド感も増したが、backボタンがやや使いづらいのが惜しい。カメラレンズにはカバーが付いているので、誤って指で触れてしまう心配はない
本体左側面 本体右側面
本体左側面。ボタン類はほぼ本体左サイドに配置されている。上からイヤホンジャック、シャッターボタン、レンズカバーボタン、メモリースティックスロット、 HOLD/POWERボタン、VOICE MICボタン本体右側面。上部には赤外線ポートとスタイラス(ペン)が収納されている
本体上部 本体下部
本体上部。プラスチックカバーは取り外すことができる。本体左上にはストラップ用の穴が用意されている本体下部。コネクターはT/TG/NX/NZ/SJシリーズと同じ。なお、リセットスイッチが背面からコネクターの右側に移動した

コンパクトな筐体にワイドハイレゾ画面という魅力的なハードウェア構成だが、『デジタル手帳』TH55の本領は今回から搭載された個人情報管理ソフト『CLIE Organizer Ver.1.0』(以下、CLIE Organizer)によって発揮される。ここでは、その機能を駆け足で紹介しよう。

TH55に電源を入れると、まず最初に表示されるのが、CLIE Organizerの『予定表』だ。CLIE Organizerは、『予定表』『アドレス』『To Do』『手書きメモ』『メモ帳』『ビューワ』『便利情報』『アプリケーション』の8つの機能で構成され、画面右側のタブで各ソフトを切り替える。

『予定表』と『手書きメモ』の下部エリアには、コンテンツビューワーとも呼べるプレビュー画面が表示され、その画面の“コンテンツ”メニューでは本体やメモリースティックに保存されている静止画、動画、手書きメモ、音声メモの表示・再生が行なえる。ここに表示されたコンテンツをスタイラスでドラッグ&ドロップすると、表示している『予定表』や『手書きメモ』にそのまま貼り付けられるのだ。

また、コンテンツビューワーの“コンテンツ”メニューを表示したままで、『予定表』を『週間』『月間』表示に切り替えると、コンテンツビューワーの部分に本日分の予定が表示されるので、一画面で確認できる情報量がグッと増す。このコンテンツビューワーはポップアップメニューで“コンテンツ”のほかに“To Do”“シール”といった項目も用意されている。

デイリー予定表画面 マンスリー予定表画面
『予定表』の1日表示。予定は色分けできるほか、同じ時間帯に重なった予定も見やすく表示できる。コンテンツビューワーから静止画などをドラッグ&ドロップなどで貼り付けることも可能。メモリースティックにあるデータには、メモリースティックを示すアイコンが付く。『手書きメモ』も『予定表』と同じように、静止画や動画、音声メモなどをドラッグ&ドロップで貼り付けることができる。手書き入力できるので、紙の手帳のように、ザツに書き込みを入れてもOK。上に月間、下に一日の予定を表示すれば、大事な約束をうっかり忘れるということもない!? 上を週間表示にすることも可能。ドラッグ&ドロップで貼り付けられるシールも用意されている
手書きメモ画面 アドレス画面
今では紙の裏側などに書いていた場所の確認のための地図も『手書きメモ』ならなくすことはない。顔写真を貼り付けておけば、誰に電話するんだっけ? というケアレスミスもなし『アドレス』では、検索がスムーズに行えるインデックスタブ機能が搭載された上、『手書きメモ』を登録して、データの連携ができるようになっている

背面のカメラレンズや、大胆な配置転換を行なったジョグダイヤルなど、外観の変化ばかりに気をとられがちだが、TH55の良さは『CLIE Organizer』を使いこなしてこそ理解できる。筆者自身、初めてTH55を触ったとき、実はあまり高く評価していなかった。なぜなら、最初に起動したのが、Palm OSで見慣れたHome画面でも『CLIE Launcher』でもなく、新たに搭載された『CLIE Organizer』の『予定表』で、その操作(インターフェースの違い)がまったく把握できなかったからだ。そういう意味では、Palm歴の長いユーザーほど、TH55には面食らうかもしれない。

しかし、このCLIE Organizerの操作を一度覚えてしまえば、手書きの感触や各PIMソフトの連携、付箋紙の感覚で使える静止画や音声メモなど、“デジタルなシステム手帳”の使い勝手の良さを大いに実感できる。TH55を購入したなら、まずは2日間はみっちりとCLIE Organizerに向き合ってみてはいかがだろう。


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