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VMware、複数のサーバー仮想化ソフト『VMware ESX Server』を一元管理する『VMware VirtualCenter』を発売

2004年02月02日 21時17分更新

文● 編集部 佐久間康仁

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米ヴイエムウェア(VMware)社の日本法人であるヴイエムウェア(株)は2日、東京・恵比寿の同社オフィスで記者説明会を開催し、2003年6月より(株)ネットワールドなどを通じて企業向けに販売されているサーバー仮想化ソフトウェア『VMware ESX Server(ヴイエムウェア イーエスエックス サーバー)』を一元管理するサーバー統合プラットフォーム『VMware VirtualCenter(ヴイエムウェア ヴァーチャルセンター)』を日本市場に投入、従来からのパートナーを通じて順次販売開始すると発表した。米国では2003年11月に発表、発売されている。価格は導入規模や動作CPUなどによって異なる。パートナー(販売代理店)としては、日本電気(株)をはじめとするハードウェアパートナー、ネットワールドなどのソフトウェアパートナーなどを挙げている。

ダイアン・グリーン氏米ヴイエムウェアの社長兼最高経営責任者のダイアン・グリーン氏

説明会には、米ヴイエムウェアの社長兼最高経営責任者のダイアン・グリーン(Diane Greene)氏、ヴイエムウェア(株)の代表取締役で米ヴイエムウェアのアジアパシフィック部部長を兼任するジム・レノックス(Jim Lenox)氏、シニア システムズ エンジニアの名倉丈雄(なぐらたけお)氏らが出席し、サーバー市場に置けるVMwareの位置づけや販売戦略を紹介した。

ジム・レノックス氏 名倉丈雄氏
ヴイエムウェア(株)の代表取締役のジム・レノックス氏シニア システムズ エンジニアの名倉丈雄氏

VMware ESX Serverは、1台のIA(インテル・アーキテクチャー)サーバー上で複数のサーバーOSを同時実行するサーバー仮想化ソフト。Windows系サーバーOSをはじめ、レッドハット(株)のLinux系サーバーOS“Red Hat 7.3/8.0/9.0”“Red Hat Advanced Server 2.1”、独SUSE LINUX社のLinux系OS“SuSE Linux 8.2”“SuSE Linux Enterprise Server 8.0”、ノベル(株)のネットワークOS“NetWare 6.5/5.1 Support Pack 6”に対応し、1台の実サーバーに対して最大80台の仮想サーバーを構築・運用可能。

従来のIAサーバー環境 VMware ESX Serverを導入した複数サーバー環境
従来のIAサーバー環境を模式図で示したスライド。ハードウェアに対してOSが1対1で対応し、直接コントロールしているVMware ESX Serverを導入した複数サーバー環境。1台のサーバーに仮想サーバー環境を構築し、そこで複数のサーバーOSを同時実行できる

VMware VirtualCenterは、このESX Serverを複数台運用するデータセンターなどの環境で、サーバーのメンテナンスやパフォーマンスの最適化を図る際に、動的にリソースの割り当てを変更する“VMotion(ヴイモーション)”機能を搭載したサーバー統合管理プラットフォーム。実サーバー(複数台)のうちの1台にトラブルがあった場合に停止・再起動するメンテナンス作業で有用なほか、アクセスが多い時間帯にはCPUパワーがあるサーバーに、少ない時間帯には別のサーバーに割り当てるなどリソースの有効活用を図ったり、特定の実サーバーのみに負荷が集中しないようサーバー間での負荷分散(ロードバランシング)を行なう機能を持つという。

VMware VirtualCenterの役割
VMware VirtualCenterの役割は、複数の実サーバーで運用しているESX Serverをまとめて管理・運用するというもの

VMware VirtualCenterをインストールするホストOS(マネージメントサーバー)はWindows 2000 Server/2000 Advanced Server/2003 Server/XP Professional、仮想化プラットフォームはVMware EXS Server 2.0.1以降に対応。必要なハードウェア環境は、CPUがPentium 4-2.0GHz以上、メモリー1GB以上(2GB以上を推奨)。VirtualCenterの各種設定をリモートコントロールする“VirtualCenterクライアント”の対応OSはWindows 98/98 SE/Me/NT 4.0(SP6a)/XP/2000/2003 Server。

VirtualCenterのインターフェース画面 VirtualCenterのインターフェース画面2
VirtualCenterのインターフェース画面VirtualCenterで各リソースの使用状況をモニタリングしているところ

なお、今年1月に米VMwareが企業向けストレージを展開する米国イーエムシー(EMC)社に6億2500万ドル(約663億円)で買収された件について、グリーン氏は「EMCが展開するストレージビジネスのインフラとしてのレイヤーにVMwareの主軸(仮想デスクトップ/サーバービジネス)が合っていることから、傘下に入ることになった。傘下に入っても独立した子会社として、これまでと同様に活動していく。そのために社員の増強も図っている」と説明した。

エンドユーザーや開発者向けのデスクトップ製品“VMware Workstation”については、「まだ時期尚早で詳しいことは話せないが、Ver.4.5やVer.5の計画があり、開発も進めている。これまで同様、“Workstation”はサーバーソリューションを包括的な完成度の高いプラットフォームとして作り上げる上で重要な製品として位置づけている」と述べた。

また、記者から米マイクロソフト社が米コネクティクス(Connectix)社の仮想デスクトップソフト“Virtual PC”開発部門を買収したことについて質問されると、「マイクロソフトはVirtual PCを使ってWindows系OS用のアプリケーション/ドライバーなどの開発を促進するのが狙いだと思う。しかし、VMwareは(Windowsだけでなく既存のOS)全領域に向かってサポートしているので、方向性が異なる」として、脅威には感じていないことを強調した。

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