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【LinuxWorld Conference & Expo 2004 NY Vol.1】LinuxWorld Conference & Expoが開幕

2004年01月22日 00時00分更新

文● 塩田紳二

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現地時間の21日から23日まで、米国ニューヨーク市で“LinuxWorld Conference & Expo 2004”が開催される。LinuxWorldは、年2回、年初にニューヨークで開催されたあと、8月にサンノゼやサンフランシスコで開催される。開発者が中心の西海岸での開催に対して、ニューヨークでの開催は、ビジネスやエンタープライズがキーワードとなる。メインのスポンサーは、米オラクル社や米IBM社、米ヒューレット・パッカード社など。

会場となるニューヨーク、マンハッタンのJavits Convention Center
会場となるニューヨーク、マンハッタンのJavits Convention Center。今年のニューヨークは、寒く、まだあちこちに雪が残る

初日のキーノートスピーチは、米ノベル(Novell)社。同社は、独SUSE LINUX社の買収が完了、本格的にLinuxビジネスの展開を開始した。今回は、同社のグループウェアである『GroupWise』のLinux版のβテスト開始をアナウンス。同社が持つ多くの製品、技術をSuSE Linux上に移行させ始めた。また、IBMのeServerとSuSE Linuxの組合せでISOに準拠し、米国政府が利用しているCAPP/EAL3+というセキュリティ認証を取得したことを発表した。LinuxでCAPP/EAL3+を取得したのはこれが最初だという。また、IBMで作られた開発ツールであるEclipseのプロジェクトに参加することも合わせて発表された。

Jack L.Messman(ジャック・メスマン)氏
初日のキーノートスピーチを行なった米ノベル(Novell)社の会長Jack L.Messman(ジャック・メスマン)氏

キーノートスピーチでは、米ノベルの会長であるJack L.Messman(ジャック・メスマン)が、今年はLinuxの年であるとし、成長分野としてはデータセンターやミッションクリティカルアプリケーション、そしてデスクトップなどになるだろうと予測した。また、ビジネスのためには、企業のCEOにLinuxでどれだけコストを削減できるかを認識してもらう必要があるだろうと述べた。

SUSEは、IBMなどと組んで、企業向けにビジネスを展開している。しかし、まだ、Linux自体は、技術者レベルでは認識されているものの、CEOなどの経営陣には、きちんと理解されていないと考えているようだ。

★来年2月にはボストンで開催

また、昨年から、ニューヨークで開催されるLinuxWorldでは、IBMなどが、同時に自社顧客を招待してプライベートイベントを併設している。これは来場者を増やすことにはなるが、キーノートスピーチなどがまるでIBMのコマーシャルみたいになってしまい、イベントとしてのおもしろさに欠けるきらいがある。

写真1 写真2
IBMやHPが招待した顧客は、入場のための登録ブースも別になっている

米マイクロソフト社は、昨年に引き続いてブースを持ち、今日は、Windows Server 2003のオプションソフトである『Windows Services for UNIX』関連の展示などを行なう。これは、UnixからWindows Serverへの移行ツール。ブースにあったのは、これを使うサードパーティー製品で、立っていたのもサードパーティーの説明員。マイクロソフトの社員は今日は居なかった。ブースのメイン部分には黒い布がかけられ、明日から本格的な説明を開始する予定だとか。

写真3 写真4
マイクロソフトブースには黒い布がかかり、明日より説明を開始する予定

さて、2001年の大規模テロの影響が残る2002年1月の開催はかなり寂しいものだったが、昨年2003年には少し回復。今年はもう少し回復するのかと思ったが、昨年と規模的にはほとんど変わらず、キーノートスピーチ会場が縮小されたことなどを勘案すると、どちらかといえば、縮小傾向にあるといっていいかもしれない。

また、いままでこの時期にニューヨークで開催していたLinuxWorldは、来年からボストンでの開催となるらしい。主催者である米IDG(International Data Group)社は、Macworldもボストンでの開催を決めており、ボストンにイベントを集中させて会場費を抑えようということなのだろう。さて、ボストンへ移っても現在の規模を維持できるだろうか?

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