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ブラザー工業、パソコンに接続できるラベルライター『P-touch 18R/18N』の製品発表会を開催

2004年01月15日 20時47分更新

文● 編集部

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ブラザー工業(株)とブラザー販売(株)は15日、ブラザー工業が14日付けで発表した、パソコンに接続できる“ラベルライター”『P-touch 18R/18N』の製品発表会を、東京都中央区京橋にある同社の東京支社において開催した。同社の製品ラインアップでは、単体でテープにプリントできる製品を“ラベルライター”、パソコンに接続できる製品を“PCラベルプリンタ”として販売してきたが、今回発表した『P-touch 18R/18N』は、単体でも使用でき、パソコンにも接続できるという、その間の市場を狙った製品。14日の記事でも触れているが、この製品は市場の大きいオフィス市場でのシェア拡大を図るための戦略的な位置付けのもの。愛知県名古屋市に本社を置く同社が東京で製品発表を行なうのは珍しく、それだけ今回の新製品に力を入れていることがうかがわれる。

神谷純氏
ブラザー販売(株)常務取締役の神谷純氏

最初にブラザー販売の常務取締役である神谷純氏が、ブラザーグループの電子文具ビジネスの現状と新製品の位置付けなどについて説明した。同社は社内カンパニー制を採用しており、複合機やファクスなどの製品を担当する“インフォメーション・アンド・ドキュメント カンパニー”、電子部品や工業用ミシンなどの産業・工業製品を担当する“マシナリー・アンド・ソリューション カンパニー”、そしてラベルライターや家庭用ミシンなどを担当する“パーソナル・アンド・ホーム カンパニー”の3つのカンパニーを持つことを紹介した。パーソナル・アンド・ホーム カンパニーが現在販売している電子文具の主力製品は、ラベルライター、PCラベルプリンタ、モバイルプリンター、スタンプを作成する“スタンプクリエーター”と“スタンプクリエータープロ”などで、ラベルライターの生産は1988年に、ラベルプリンターの生産は1995年に開始したという。

社内カンパニーの構成 売り上げ構成
社内カンパニーの構成ブラザーグループの売り上げ構成

グループ全体の2002年度の連結売り上げ高は4086億円で、そのうちパーソナル・アンド・ホーム カンパニーの売り上げは656億円、電子文具は308億円であり、電子文具が全体の8%を占めることを示した。そこで、電子文具の地域別売り上げ構成が、米国などが58%、ヨーロッパが30%で、日本国内は10%にとどまっていることを挙げ、“P-touch”の全世界でのシェアは50%を超えているが、日本国内では競合他社の(株)キングジムやカシオ計算機(株)に後れをとっていると説明した。

地域別売り上げ構成 新製品がターゲットとする市場
地域別売り上げ構成新製品がターゲットとする市場

同社では、単体でプリントできるラベルライターやコンパクトタイプのPCラベルプリンターを1万円前後までの価格帯で販売しており、パソコンに接続できるプロ仕様のラベルプリンターを3万円以上の価格帯で販売しているが、今回発表した製品は、その間を埋めるもので、ボリュームゾーンとなるオフィス市場がターゲット。しかし、ラベルライターの市場がフラットで伸びていないことから、市場を活性化しなければ売り上げも伸びないと考えており、特色のある製品の投入が必要であるとしたうえで、ラベルライター市場そのものの活性化が最も重要であるとの見方を示した。

販売戦略については、家電量販店のほか、オフィス向けの販売を拡大するために、カタログ通販だけでなく、事務機ディーラーやディストリビューター、パソコン関連のディーラーなどを経由する販売ルートを構築すると説明した。

樋口幹也氏
パーソナル・アンド・ホーム カンパニー営業企画部の樋口幹也氏

次に、ブラザー工業のパーソナル・アンド・ホーム カンパニー営業企画部の樋口幹也氏が製品の説明を行なった。同社のラベルライターなどで使用するテープは、印刷時にラミネート加工を施すため水や油がかかっても文字が消えず、こすれにも強いため長期間にわたって利用できるという従来からのメリットを紹介したのち、新製品は、18mm幅のテープに対応していながら本体サイズが小さいこと、ビジネス用途向けに新たにQWERTY配列のキーボードを採用したこと、プレビューも行なえる8文字×3行の液晶ディスプレーを搭載したこと、P-touch 18Rは充電池を内蔵したことで経済的かつ環境対策にもなっていること、パソコンとのUSB接続が可能でMacintoshにも対応していること、などを特徴として挙げた。

『P-touch 18R』 『P-touch 18N』
『P-touch 18R』『P-touch 18N』
新製品の特徴

続いて、製品に付属するラベル編集ソフトの紹介などをプロジェクターを利用して行なったのち、最後に実機を利用した説明に移った。これは、報道関係者に実際の製品を渡し、会場で実際に使ってもらうことで、機能や使いやすさなどを知ってもらうというもの。ひとりに1台ずつ『P-touch 18R』が渡され、パッケージを開封し、本体に充電池を入れ、テープカートリッジをセット、そして実際にプリントまで行なうことになった。なお、製品は2月1日に発売される予定。

アプリからラベル作成
日本語ワープロソフト(Word)などから範囲指定してラベルを作成することもできる
本体を開けたところ 本体正面
本体を開けたところ。左の白い棒状のものは充電池で、その右にテープカートリッジをセットする。発表会の中で実際に操作しながら説明するという趣向も珍しい本体正面

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