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【2004年年頭挨拶ニュースリリース】住商情報システム(株)取締役社長中川惠史氏

2004年01月05日 18時26分更新

文● 編集部

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2004年 社長年頭の辞(要旨)

一人一人の知的パワーと情熱を結集して、新たなる淘汰の時代に、大いなるフロンティアを獲得しよう!


<最近のビジネス環境>

当ITサービス業界は、全体としては、依然として、マイナス成長の局面から脱し切れておらず、厳しい情勢が続いている。代表的な具体的事象として、次のものが挙げられる。

(1)ERPブーム下における、大型商材の一巡と、これにとって代れる牽引車的担い 手の不在
(2)厳しい値引要請と、競争入札制の採用が一般化
(3)中国を中心に海外の安価な人的リソースの活用が常識化
(4)お客様における、ITを一段とビジネスの差別化目的・戦略目的への活用、ROIの重視
(5)お客様のIT担当部署の役割の変化・組織形態の変質、フルアウトソーシングへの方向性
(6)サービスベンダー側における、相次ぐ、大型の仕損じプロジェクの発生と業績への悪影響

以上の各事象は異なるように見えても、その背景には、企業におけるIT活用の世界で生じている「構造的・質的大変化」、即ち、「パラダイム・シフト」の進行があると考えている。

ITサービス業界において、こういったパラダイム・シフトに対応する力を有している企業が勝者となり、対応し得ない企業が敗者となる。規模が大きいから勝者、規模が小さいから敗者ということではない。私達は、現在、かつてなかった、新しい形の淘汰の時代を迎えている。

<危機意識と新フロンティア獲得のマインドを>

こういった状況のもとで迎えた今年の年頭に当り、私は、当社の役職員一人一人に対して、危機意識をもって、鋭く、しっかりと現実を直視していただくことをお願いしたい。

但し、危機だということで、徒らに萎縮したり、焦ったりすることは、無用である。
むしろ、危機を千載一遇のチャンスと捉えて、しっかりと足を地に着けて、確実に、前向きに挑戦して、新たなる、そして大いなるフロンティアを獲得するのだというマインドを、喚起していただきたい。

当社は、過去においても幾たびか、大きな困難に直面し、それらを克服し、力強く発展してきた。
そして、それらの蓄積・結果として、当社独特の特長・強みを形作ってきた。
例えば;

(1)業種に偏らない広範、且つ長年の継続的な取引関係という「顧客基盤」を有する こと
(2)優れた自社開発商品群を有すること
(3)当社オリジナルのソフトウェア開発標準や、CASEツールを有してきたこと
(4)高い生産性を維持し、売上高利益率、一人当りの各種指標で、業界のトップクラスであること
(5)財務基盤が、すぐれて健全であること

これらの蓄積は、他の誰でもない、今日、ここにお集まりの皆さん自身が自らの努力と工夫で築いてきたものである。

先程申し上げた、新しい形の淘汰の時代にあって、これに勝ち残るための取り組みは、決して楽なものとは考えていないが、知的パワーと情熱のSCS社員集団が、相互に信頼し合い、力を出し合っていけば、必ずや困難を乗り越え、一層逞しい当社を構築できるものと確信している。

以上の基本認識に立って、当社の「本年の重点的取り組み課題」として、次の4点を掲げる。

<本年の目標>
  1. 新たに構築した情報システム構築技術基盤「SMART」の普及・活用:
  2. 当社技術再生活動の一環として、全社的に取り組んできた「SMART」、即ち、「SCS版開発標準」と「開発フレームワーク」について、その普及・活用を推進し、それぞれの職場において具体的実効(実際の成果)に結びつけること。

  3. 「人事諸制度」の改革・再構築の一層の推進:
  4. 同じく、全社的に取り組んできた「人事諸制度の改革・再構築」に関して、「人材流動化」「目標管理」「専門性評価」について、それぞれの制度が目的とするところに向って、一段の前進を図ること。更には、この前進を基盤として、より一層納得性の高い「処遇制度」へと移行する体制を整えること。

  5. 個々のお客様の真のニーズの把握・深耕と対応計画の立案・実行:
  6. パラダイム・シフトへの対処策にも関連づけて、個々のお客様との関連を再点検し、再構成すること。即ち、お客様個々、あるいはお客様の属するマーケットにおいて、現場に立って、現実の動きを深く分析し、お客様が真に必要としているニーズが何かを感知して、「何が足りて、何が足らざるか」を、各人・各チームにおいて見極めること。

    更に、「自分で、何を、いつまでに、どうするのか」という計画を立てて、実行すること。

  7. 4.予算目標・経営計画目標を達成すること。
  8. 「FORWARD 21」の最終ゴールまで、あと僅か3ヶ月ではあるが、定性目標・定量目標の達成に向けて、各自・各部署において最大限の努力をしていただきたい。

以上の重点項目を申し上げたが、「天は、自ら助くる者を助く」である。自分のことは自分で行わなければならない。

最後に、「変化」ということについて、一言述べるならば、私達には、住友の事業精神として、「時勢の変遷・理財の得失を計るべし」を有しているが、私達にとっては、SCSのバリューを維持・向上するためには、片時も「変化」を止めることは許されないということである。

良き将来へ向かって、本年を良い年とするべく、皆さん共々、奮闘することをを祈念して、年頭の挨拶とする。

以上

(丸付き数字を括弧(パーレン)付き数字に置き換えた以外の用字用語は原文のまま)

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