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【一足先に目撃!!】使って分かった『PSX』できること、できないこと、できてほしいこと!!

2003年12月26日 18時52分更新

文● 編集部 佐久間康仁

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不要なシーンをカットして
DVDにまとめて保存

続いて録画映像の編集とDVD書き込みについて、できること、できないことを列記しておく。

録画済み映像のHDD上編集=○
(GOP単位の非再生設定、データ自体の削除はしない)
複数の映像を1本化するつなぎ編集=×
(いったんDVD-Videoに書き出して、パソコンなどで読み込み再編集する)
録画済み映像のビットレート変換=×
(いったんDVD-Videoに書き出して、パソコンなどで読み込み再編集する)
録画済み映像の番組情報編集=○
(タイトルの変更が可能)
複数の録画済み映像のDVD書き出し=○~△
(順番指定は可能、メニューやチャプター設定は不可)
ダビング中のTVや録画済み番組の視聴、ゲームプレイ=×

録画済み映像の編集機能は、GOP(Group of Pictures:MPEGファイルでの映像管理の単位)のIピクチャー(フレーム内圧縮を行なう、15フレームに1枚ずつ作成される)が横一列にリストアップされ、非表示部分の開始/終了点を指定することで、次に再生する際にはCMや余分な前後をスキップすることができる。この編集では、ファイルには変更を加えないため、いつでも元の状態に戻せる反面、余計な部分を削除してもHDDの空き領域を増やすことはできない。また、誤って録画を一時停止した場合など、複数のファイルにまたがった映像を1本化することはできない。

編集メニュー 編集中の画面
録画済み映像のリスト画面で△ボタンを押すと編集関連のメニューが表示されるビデオ編集といっても、Iピクチャーがずらっとリスト表示され、非表示設定にしたい部分の開始/終了点を指定するだけ。複数の映像をつなぎ合わせることはできず、HDD上ではファイル自体の消去・編集は行なわない(映像ファイルを削除しない限り、HDDの空き容量は増えない)

DVDに書き出す(ダビングする)場合には編集結果が反映されるため、1枚のDVDメディアに記録できない長い映像を録画した場合、まず編集機能で後半部分を非表示にして1枚目を書き込み、編集結果を元に戻し、前半部分を非表示に、という具合にして2枚以上のメディアに分割して書き出すことができる。複数のビデオをまとめて1枚のDVDメディアに記録することも可能だが、チャプター(1本の映像の途中に再生開始点を指定する)設定や映像を選択して再生する“メニュー作成”の機能がなく、指定した順番で連続再生するシンプルなDVD-Videoしか作成できない。

DVDに記録しきれない映像は、パソコンなどの場合ビットレート変換でファイルサイズをメディア1枚にぎりぎり収まるように調整できるが、PSXではそうした機能は搭載していない。代わりに前述のような手段で、複数メディアに書き込むことになる。 なお、DVD-Rへのダビングにかかる時間を、3本の映像(合計で約2時間分)を使って実際に計測したところ、半分の約1時間でオーサリングからDVD書き込み(ファイナライズ)が完了した。DVD-R/RWドライブの記録速度は公表されていないが、DVD-Rに関しては2倍速相当とみられる。

DVDへのダビング機能
HDD⇒DVDへの書き出し(ダビング)を実行しているところ。選択した順番で映像が連続して再生されるシンプルなDVD-Videoが作成できる。メニュー作成などの機能はない

最後に画質についても触れておこう。21インチCRTのTV画面で見比べた印象だが、標準のSPモードは、DVDメディア1枚(4.7GB)で約2時間の記録が可能なビットレート設定(5.5Mbps程度、記録時間とファイルサイズから算出した実測値)で、粗さやブロックノイズなどは見られず、画質的には文句はない。HDD全体に記録した場合も約107時間(DESR-7000)もしくは約67時間(DESR-5000)と、1週間の番組を撮り溜めて週末にまとめてみるには十分な時間が確保できるので、特に変える必要はないだろう。試しにSLP/EP/LP(左ほど低ビットレートで長時間記録が可能)を試してみたが、SLPは文字の周囲にも色にじみが散見し、お世辞にも高画質とはいえない。放送内容を確認するなら問題ないが、保存する気にはならないだろう。EPとLPはニュース映像などでも動きのあるキャスターと背景部分の差異が際立ってしまい、人物が浮いて見えるほか、動きの部分ではノイズが目立つ。また、画面全体に輪郭の甘さが感じられる。なお、手動録画で画質を変更した場合でも、予約録画がスタートするとあらかじめ設定した画質に自動的に切り替わる。


短期間ではあるがPSXをじっくり使ってみて感じたのは、付属リモコンでの使い勝手を強く意識したインターフェースの作りこみや、すっぱり割り切ったAV機能の潔さに開発者の意図が強く出ていることだ。すでにデジタルAV環境の便利さを享受している人には、物足りないと感じるかもしれないが、そこに踏み出せていない人にはPSXは絶好の機会となるだろう。再び見るかどうかもわからない、あるいは録画しても見ないで消してしまうかもしれない、そんな弱い動機でも“とりあえず録画しておける”環境を手に入れられるのがPSXの存在だ。

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