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NTTドコモ 夏野 剛氏インタビュー――「もう、FOMAが売れない理由はなくなった」

2003年12月20日 09時34分更新

文● 取材 永島和夫、週刊アスキー編集部 関口 賢、編集部 伊藤咲子/構成・文 永島和夫

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506iの半分にはFeliCaを搭載する

夏野氏愛用の『ムーバSO505iS』。プラダのストラップ(黒)、505iシリーズと同時に発表されたキャラクター“Dimo(ディモ)”のマスコット、鍵などが付いている。画面に『Macromedia Flash』版の“iメニュー”が表示されているが、これにアクセスできるのは、本サービスでは900iシリーズだけ

こうなると、気になるのはPDC端末の行方だ。夏野氏は「“506i”は恒例行事だから……」と、次期movaが“いつもの時期”(2004年の春から初夏にかけてか?)に登場することを認めた。ただし「通信速度の問題から、新しいアプリケーションはFOMAにしか乗せられない。これからは900iに載せることを前提で開発を進める」と、最先端のサービスを搭載する携帯電話は、今後はFOMAなのだということを強調した。

では、PDCはどうなるかというと「506iの半分には“FeliCa(フェリカ:非接触ICカード技術)”を搭載する。もちろん、同時期に出すFOMA“900iCシリーズ”にも搭載する。FeliCaのような通信スピードに依存しないアプリケーションは、PDCにも搭載できる。PDCはより小さくできるから、最先端の機能はFOMAに移行しても、デザイン上のトライアルはPDCで引き続きやるだろう」と、PDCに対しても新しい試みを行なう姿勢を明らかにした。





TVチューナーの搭載は慎重に

地上デジタル放送対応の携帯電話
ドコモは、地上デジタル放送対応の携帯電話を、展示会で時々参考出展している(写真をクリックすると“Wireless Japan 2002”の記事に移動します)

TVチューナー搭載の携帯電話については、慎重な姿勢を見せた。発売されたばかりのボーダフォンの『V601N』を、「あの“映り”では、難しい」と評価した。「カーナビのTVでさえ、大きなダイバシティーアンテナをつけてあの程度の画質。あれ以上にはならない。アンテナのない携帯電話では、さらに期待できない。もっとも、地上デジタルになるともう少しまともに映るという話もあるので、TVチューナーの搭載に否定的なわけではない」とした。

さらに夏野氏は、TVの受信性能以前の問題を掲げた。「携帯電話を横に構えて、長時間の視聴はきつい。(録画した人気バラエティ番組を携帯電話で再生しながら)例えばこの番組、携帯電話の小さな画面で見続けるのはつらいし、家のTVだといつも笑うところも何だか笑えない。携帯電話でTV番組を見せるには、コンテンツの工夫が必要なのだ。例えば、一定時間同じ内容を繰り返し放映するニュースのような地上デジタル放送があれば、受けるだろう」と新たな専用コンテンツの必要性を唱えた。





1年先に向かって石を投げている

夏野氏とN900i その2
「もう、FOMAが売れない理由はなくなったと言えるでしょう」

最後に夏野氏は、今後の端末展開について語った。「506iシリーズはもちろん、901iシリーズについてもおおまかに決まっている。901iに移行する前に900iS(Sは“セカンド”の意味)が出るかもしれない。そして、新しいモノが入る場合は、番号がひとつ進んで901iになる」と、従来のPDCと同様の進め方で、シリーズを展開していくことを明らかにした。

現在の端末やサービスの開発について「1年先に向かって石を投げている」と表現。常に先に向かっていく姿勢を見せた。



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