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NTTドコモ、FOMA携帯電話のOSはLinuxとSymbianに

2003年12月05日 17時33分更新

文● 永島和夫

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(株)エヌ・ティ・ティ・ドコモは4日、代表取締役社長の立川敬二氏による定例記者会見を行なった。今年の総括を述べるとともに、来年は「FOMAにとってジャンプとなる年」と位置づけた。また、FOMA対応携帯電話の搭載OSや、番号ポータビリティ、800MHz帯で3G(第3世代)携帯電話サービスを展開する点についても意見を述べた。さらに、KDDIの2GHz帯無線免許の返上を検討すべきなどの発言も飛び出した。

NTTドコモ 代表取締役社長の立川敬二氏
NTTドコモ 代表取締役社長の立川敬二氏


今年は好調、年明け早々にFOMAの新機種発売

まず、立川氏は「予想に反して好調だった」と2003年を振り返った。「携帯電話の契約数もそろそろ減退の時期」と市場で予測されている中で、年間で8%の増加を記録し、「まだまだ成長の可能性がある」と述べた。

FOMAについては、「ステップの年と位置づけて取り組んできた」とし、12月3日現在の契約数は全国で160万加入と発表した。年度末で200万台の目標は「この調子では確実」と自信をのぞかせた上で、端末については「来年は上半期と下半期の2回に分けて新端末を登場させる」計画があるという。中でも来年早々に発売する端末は、年内に発表する可能性もあるとした。

FOMAの特徴のひとつであるTV電話機能についても、100万契約を超えたあたりから利用数が増えており、「相手あっての機能のため、これから増加していく」と予想し、「単に顔を写すだけでなく、利用者が考えた活用法の登場に期待を寄せている」とした。また、サービスエリアについても新しい小型基地局を過疎地などに設置するほか、立川社長によれば「電波の到達距離が1.5倍」となる800MHz帯でのサービスを開始、地方でのエリア充実を図っていくという。

3.5世代と呼ばれる高速な通信方式の“HSDPA(High Speed Downlink Access)”の標準化が3G技術に関する国際プロジェクト“3GPP(Third Generation Partnership Project)”で行なわれたことを受け、各メーカーが端末の開発に着手したことを明らかにした。最大14.4Mbps、実効速度で2Mbpsのこの通信方式では「(auの)“CDMA2000 1x EVDO(Evolution Data Only)”よりも高速化が担保できる」と優位性を強調した。

そのほか、関係企業とコラボレーションを進め、FOMAと無線LANの融合実験や無線タグや赤外線通信との連携を検討しているという。すでに発表された、(株)ソニーの非接触ICカード技術“FeliCa(フェリカ)”を使った決済サービスも来年実施予定だ。

3G携帯電話のワールドワイドでの普及見通しについては、欧州の通信事業者が弱気になっていて、サービス開始が遅れていると指摘した。各社とも端末の調達に苦労しているが、来年の下半期にはサービス地域が増えると期待を表明した。

一方で、現在のPDCについては、今年の9月にPDC加入数のピークを過ぎて、W-CDMA(FOMA)との世代交代がはじまっていると話した。FOMAとPDCが同数になる時期は2006年と予測、そのときはどちらも2500万加入になっているという。いずれにしても、その時期でもPDCの加入者は存在するので「その方たちへのサービスを忘れてはいけない」とし、PDC方式においてもサービス拡充を今後も続けていくのだという。



FOMA携帯電話のOSはLinuxとSymbianに

先日、FOMA携帯電話のOSにLinuxを搭載すると報じられた件については、「ドコモが推奨するOSはLinuxとSymbian(シンビアン、英シンビアン社が開発するソフトウェアプラットフォーム)」と明言した。立川社長は「決めるのメーカーの問題」と述べ、ドコモにとってはどちらでも問題ないとした。

なお、この2つのOSを推奨する理由は、“オープンであること”だという。逆に、米マイクロソフト社のOSについては「“オープン性”を担保できない」として推奨しない。



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