世界の主要な半導体/液晶ディスプレーの製造装置や材料メーカーが所属する国際工業会組織の“SEMI(Semiconductor Equipment and Materials International)”主催による半導体製造技術や部品材料の展示会“SEMICON Japan 2003”が本日、幕張メッセ(日本コンベンションセンター)で開幕した。ウェーハーの加工装置からパッケージング装置、そして安全装置まで幅広い装置や関連技術が11のホールにわたって展示されている。ここでは、そのなかからいくつかのブースを紹介しよう。
(株)アルバックは、金属ナノ粒子のペーストを使った微細配線用スクリーン印刷機(最小配線パターン20μm)の実機展示や、ウエハープロセス前工程の配線に欠かせないメタライゼーション装置『ENTRON W300』を紹介。富士裾野工場と幕張の展示会場とをライブ中継も行なっていた。ウエハーの上に金属膜がどれだけの厚みで堆積しているのかを測定する装置『MESEC』が『ENTORN W300』に組み込んだ状態で稼動しており、その様子が実況で会場に伝えられた。
金属ナノ粒子のペーストを使った微細配線用スクリーン印刷機をピーアール |
幕張のブースと富士裾野工場をライブ中継してのデモ解説風景 |
また、(株)日立超LSIシステムズは半導体チップ識別技術をアピール。この技術は、半導体チップの設計段階で半導体チップ識別セルをLSIに埋め込み、組み立て・テスト段階で個々のチップから電気信号パターンを取り出すことができるというもの。
チップ出荷前にはウエハーの状態ではできなかった熱試験やストレステストが行なわれるが、ここで不良となったチップからIDを認識することにより、エラーがウエハーのどの段階に集中しているか、あるいはどのウエハーだけそうなるのか、など故障の特長が明確になり、製造工程での対策が早く確実にできるようになるとのこと。説明にあたったモジュール設計部主任技師の舘宏氏は「トランジスターを微細化していくと同じ寸法で作ったものや同じ不純物を注入したものでも完全に同一の状態にはなっていない。例えば電流が少しずつバラついていたりする。その差をうまく拾って、ある条件の時は1という信号、ある条件のときは0という信号という風に判別する回路を作ったんです」と説明。同技術の応用例として、製造工程対策のほかに“トレーサビリティ”を挙げた。「従来ですと、何年何週目の製品であることを示すマーキングをチップ上に行なっていた。これは非常にアバウトな情報でしかないが、今回はLSI1個1個が情報を持っているため、ウエハーができた直後から製品に組み込まれた後まで一連の関連付けができるようになっている」とのこと。
0.13μmで試作したものの写真 | IDを識別しているデモ |
一方、(株)安川電機はウエハー搬送ロボット『MOTOMAN-RC1000G』や2400mmの超大型ガラス基板搬送に対応した液晶ガラス搬送ロボット『MOTOMAN-CSL2200D』、超精密な位置決めが特長の『精密XYエアステージ』1時間に300枚のウエハーの搬送が可能というウエハーソーターシステムなどが注目を集めていた。
精密XYエアステージ | ウエハーの上に設けたカメラでウエハーの位置を測定しXYステージの精度をモニタ表示している | |