このページの本文へ

新たな船出にかけて、ユーリードがサンセットクルージングでの『Ulead DesignWire』製品発表会を開催

2003年10月31日 00時12分更新

文● 編集部 佐久間康仁

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷
『Ulead DesignWire』発表会

ユーリードシステムズ(株)は29日、東京・竹芝から出港する観光客船“ヴァンテアンクルーズ号”にプレス関係者を集め、携帯電話向けウェブサイト作成・管理ソフト『Ulead DesignWire(ユーリード・デザインワイヤー)』の発表会を開催した。製品の発売時期は12月5日で、価格は1万4800円(パッケージには、静止画編集ソフト『Ulead PhotoImpact 7SE』が含まれる)。



観光客船“ヴァンテアンクルーズ号”
発表会の会場となった観光客船“ヴァンテアンクルーズ号”

ユーリードシステムズは従来から動画や静止画の編集ソフトなどマルチメディアコンテンツ作成アプリケーションを開発/販売してきたが、今回携帯電話向けウェブサイト作成ソフトという新たな戦場(=船上)に船出することを記念して、東京湾のサンセットクルージングを企画したという。

参加者1 参加者2
左からボーダフォン(株)の桑原正光氏、(株)イッツの久保田達也氏、ソフトバンク・モバイル(株)の酒谷正人氏(株)サンライズの内川拓也氏、(株)翔泳社の伊藤義典氏

発表会には、代表取締役社長の下村慶一氏、台湾ユーリードシステムズ社(Ulead Systems)の副社長のエリック・チェン(Eric Chen)氏、DesignWireのβテストにも参加していたという(株)サンライズの代表取締役社長の内川拓也氏、(株)翔泳社のコミュニケーションデザイン局企画制作部第3クリエイティブグループ プランナの伊藤義典氏、ならびにボーダフォン(株)のプロダクトマネジメント統括部サービスマネジメント課課長代理の桑原正光氏、(株)イッツの代表取締役社長で冒険家でもある久保田達也氏、ソフトバンク・モバイル(株)の代表取締役CEOの酒谷正人(さかたにまさと)氏らが出席した。

モバイルマーケットを洗練されたものに変えていきたい

代表取締役社長の下村慶一氏挨拶に立った代表取締役社長の下村慶一氏

最初に挨拶に立った下村氏は、携帯電話向けウェブサイト開発ソフトを発表した理由について、「ユーリードはマルチメディアデータ編集ソフトを展開してきたが、これらで作成したコンテンツを携帯電話にも展開できないか、2年半前から検討を重ねてきた。近い将来、地下鉄に乗っても携帯電話にイヤホンを差して動画を見ている、そんな時代がやってくるだろう。その際のキラーアプリケーションは、あらゆるモバイル系マルチメディアデータに対応するウェブサイトの作成管理ツールだと考えた。DesignWireをきっかけに、モバイルマーケットをもっと洗練されたものに変えていきたい」と話した。

本社副社長のエリック・チェン氏本社副社長のエリック・チェン氏

続いて、エリック氏が開発の背景などについて、「携帯電話の成長性には目を見張るものがあるが、ウェブサイトの構築に関していうと、パソコン以上にコストがかかる。一説には1ページあたり500万円とも言われる。携帯電話の成長は日本が最も進んでいて、次いで欧州、アジア地域と続く。これらの地域間ではページ作成のルール(iモード、WAPなど)も異なっている。そこで、低価格にページ作成ができてキャリアーごとの変換も可能な使いやすい作成ツールが必要になると考え、DesignWireを開発した」「ユーリードはマルチメディアに関する技術や知識の蓄積はあったが、XMLについては未着手だったので、2年前から必要なソースコードを購入するなどして研究を重ねてきた。ユーリードの製品では最も開発規模が大きく、15地域から35名のエンジニアを集めてプロジェクトチームを作り、各国各地域での携帯電話による互換性テストを重ねてきた。元来、ユーリードには3Dロゴ作成やムービー編集などのノウハウを持っているため、これらの技術が将来の携帯電話向けウェブサイトに生かせると考えている。特に自信を持っているのが“ウェブページシミュレータ”でこれを完成させるのに4000ページ以上での確認を重ねてきた」「本製品はリリースこそ初めてだが、長いβテスト期間を経ており、すでに3GPP/3GPP2など次世代の携帯電話向け規格への対応準備を含めて設計してある。従来のソフトは英語版を先にリリースしてきたが、今回は携帯電話市場がもっとも成熟している日本で日本語版を最初に発売することになる」と、ソフトへの自信を見せつつ語った。

DesignWire1 DesignWire2 Preview Simulator
DesignWireの特徴である、ドラッグ&ドロップでの簡単レイアウト構文エラーがある場合には、そのエラーのある行と内容を示す作成したサイトをキャリアごとの表示機能に合わせてプレビューできる“Preview Simulator”
WebSite “画面遷移図作成機能”

Ulead DesignWireは、携帯電話向けウェブサイトで用いられるマークアップ言語cHTML(コンパクトHTML)/HTML/HDMLに対応し、国内の携帯電話キャリアー各社が行なうウェブサービス“iモード”“Vodafone live!”“EZweb”に対応可能な携帯電話向けウェブサイト作成ソフト。各マークアップ言語間のコンバート機能や絵文字の変換(変換候補がない場合には、ユーザー指定のマークに変更するか空白にするか削除するかを選択可能)、表示端末に応じた画像ファイルの解像度変換機能、構文チェック機能やリンク確認機能などを備える。主なターゲットユーザーは、多キャリアーに対応する必要があるCSP(コンテンツサービスプロバイダー)や、企業内のウェブページ作成管理者、およびコンシューマーユーザーで自分の携帯電話向けサイトを持ちたい人、などとしている。

DesignWireの変換画面 絵文字変換機能1 絵文字変換機能2
DesignWireのデバイス間変換画面。ソースを選択してターゲットとなる機種名を一覧から選ぶと、マークアップ言語や表示解像度に応じて自動的にソースコードや画像を変換するキャリアーごとに異なる絵文字を自動的に変化する機能も備える対応する絵文字がない場合には、ユーザーが指定したり文字に置き換えることもできる

本ソフトは、ウェブページ制作を行なう“DesignWire”、端末ごとの表示イメージや操作形態を確認できる“Preview Simulator”、ftp経由で作成したウェブページデータのアップロードやリンクチェック、サイト管理などを行なう“Web Site”の3つのアプリケーションで構成されている。DesignWireは、Internet Explorer(6.0以降)からドラッグ&ドロップで本文や画像の取り込みが可能で、既存のウェブページを携帯電話向けに移植する際に、ソースコードから必要な情報のみを切り出す手間が省ける。画像については、端末に応じて表示可能な解像度に自動的に変換される。DesignWireでレイアウトやリンク設定を行なった後は、Web Site機能でリンク切れや孤立ファイルや、携帯電話端末ごとに異なる1ページあたりのファイルサイズ許容量などのチェックを行なう。エラーがなくなった段階でPreview Simulatorで操作確認し、Web Siteでサーバーにアップロードして、最後に携帯電話の実機で動作確認を行なう、という手順になる。また、別売でページごとのイメージ画像を出力して、ページ間のリンク構造を作成する“画面遷移図作成機能”を提供予定。

対応OSはWindows 98/Me/2000/XP。動作環境はPentium III(もしくは同等性能のCPU)以上、メモリー256MB以上、HDD空き容量100GB以上、対応アプリケーションサーバーはPHP/JSP/ASP。

なお、Ulead DesignWireのパッケージには通常版のほか、マクロメディア(株)のウェブページ作成ソフト『DreamWeaver』、アドビシステムズ(株)の『GoLive!』、日本アイ・ビー・エムの『ホームページビルダー』からの乗り換えユーザー向けの“優待版パッケージ”(9800円)、学生/教育関係者向けの“アカデミック版”(7800円)が用意されている。

カテゴリートップへ

注目ニュース

ASCII倶楽部

プレミアムPC試用レポート

ピックアップ

ASCII.jp RSS2.0 配信中

ASCII.jpメール デジタルMac/iPodマガジン