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am3、ゲームボーイアドバンスでアニメを再生する“アドバンスムービー”を11月20日に発売――第1弾は“名探偵コナン”

2003年10月24日 23時05分更新

文● 編集部 佐久間康仁

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(株)am3(エーエムスリー)は24日、東京・有楽町の東京国際フォーラムでプレス関係者および流通/販売・コンテンツ開発関係者を集めて、任天堂(株)の携帯ゲーム機『ゲームボーイアドバンス』『ゲームボーイアドバンスSP』で動画を再生するシステム“アドバンスムービー”に対応する周辺機器を11月20日に発売すると発表した。

“アドバンスムービー” アドバンスムービーのブリスターパック
『ゲームボーイアドバンス』『ゲームボーイアドバンスSP』で動画を再生するシステム“アドバンスムービー”アドバンスムービーのブリスターパック

アドバンスムービーは、ゲームカートリッジに代えて装着する専用アダプター“アドバンスムービーアダプタ”とムービー&再生ソフトを収録した専用スマートメディア(ID付き32MB、24分程度収録可能)“アドバンスムービーカード”で構成される。11月20日発売の第1弾は、小学生にされてしまった探偵・コナンが次々に事件を解決していく“名探偵コナン”(原作:青山剛昌氏、小学館・少年サンデー連載中 よみうりテレビ/日本テレビ系放映中)の第1話~第4話をアドバンスムービーカード1枚に1話ずつ収録する。価格はアドバンスムービーアダプタが3200円、アドバンスムービーカード(コンテンツ入りスマートメディア)は各2380円。初回3万台限定で、アドバンスムービーアダプタと第1話収録のアドバンスムービーカードのセットが3800円で販売されるほか、提供時期は未定だが、コンテンツ配信サービスの開始に合わせてブランクメディアを1800円で発売予定。

代表取締役会長の吉田 望氏 代表取締役CFOの黒川文雄氏
代表取締役会長の吉田 望氏代表取締役CFOの黒川文雄氏

アドバンスムービーは、ゲームボーイアドバンスのCPU(ARM7コア)を用いて、ソフトウェア処理で動画再生を行なうプレーヤーソフトとコンテンツ(圧縮映像)を32MBのスマートメディアに収録したもの。アダプター側には動画再生用のハードウェア(DSPなど)は一切搭載しないという。動画圧縮/伸張のCODECは仏actimagine社が独自開発したFastVideoを採用し、240×160ドットで毎秒30フレームの再生が可能。圧縮率は40:1~200:1まで設定可能。

コンテンツの著作権保護のために、

  • ROM部分にコンテンツ個別のコード(ID)を記録した専用スマートメディアを採用、RAM部分のデータをほか(市販)のスマートメディアに転送しても映像の再生が不可能
  • プレーヤーソフトとコンテンツをDES(暗号鍵方式)で暗号化し、1つのファイルに一体化して管理

といったコピープロテクト機能を備える。コンテンツを専用スマートメディアへ書き込む際に、メディアのROM部分に記録された128bit長のIDから暗号鍵を作成し、メディアとコンテンツを相互に検証してから再生が始まるという仕組みになっている。なお、専用スマートメディアにパソコンやデジタルカメラのデータを記録することは可能。

情報キヨスク端末“アドバンスガチャガチャ”
現在開発中の情報キヨスク端末“アドバンスガチャガチャ”

製品の流通は、(株)ハピネットと共同で進めており、メディア/アダプターの店頭販売のほか、来年4月以降には玩具店の店頭などに設置される情報キヨスク端末“アドバンスガチャガチャ”(現在開発中)や、インターネット経由で各ユーザーのパソコンからデータの配信を行ないたいとしている。発表会で壇上に立った代表取締役会長の吉田 望氏は、「現在はコンテンツ1本の価格が、メディア1枚込みで2380円となるが、コンテンツのみであれば(コンテンツホルダーとの合意が必要だが)、数百円レベルで配信したい。メディアの容量も将来的には2話以上入る大容量のものにしたい。また、当初はアニメーションの流通でスタートするが、将来は電子ブックや英会話学習のコンテンツを配信して、ゲームボーイアドバンス/ゲームボーイアドバンスSPを教材として使うなど、ビジネスシーンへの展開も検討している」と語った。



アドバンスムービーにおけるam3のビジネス戦略 アドバンスムービーに関連する各社の関係 アドバンスムービーに採用されたセキュリティーシステムの概要
アドバンスムービーにおけるam3のビジネス戦略アドバンスムービーに関連する各社の関係アドバンスムービーに採用されたセキュリティーシステムの概要

今後のスケジュールは、12月18日に第2弾として「タイムボカン」4タイトル(第1~4話)と名探偵コナンの第5~7話、2004年1月20日に第3弾新作とタイムボカン、名探偵コナンの続編、2月20日、3月20日にも第4弾、第5弾の新作が予定されている。気になる新作の内容は今日のところは明らかにされなかったが、代表取締役CFO(最高財務責任者)の黒川文雄氏は、「任天堂さんから、“ゲームとアダルトビデオはNG”と言われている。これはやらないが、スタジオぴえろ、プロダクションIG、マッドハウス、手塚プロなどのアニメスタジオが参入を決めている。今後の展開に期待してほしい」と述べた。

会見後のQ&Aで記者から、「なぜコナンとタイムボカンを選んだのか? 誰かの趣味なのか?」と質問されると、吉田氏は「新しいメディアなので、知名度の高いコンテンツを使いたかった。コナンは1話完結でユーザーにとっても満足度が高い。ストーリー性の高さもあて、これを採用した。もうひとつのタイムボカンはマニアックだが、懐かしく感じるファンもいるだろう。最新のコナンと対比できるので、これら2本を並べた」と答えた。

会場で配布されたサンプル版の“アドバンスムービー”と、ゲームボーイアドバンス/ゲームボーイアドバンスSP アドバンスムービーに関連する各社の関係
アドバンスムービーの専用スマートメディアはキャラクター(主人公のコナンくん)が描かれたトランスルーセント仕様!!

なお、会場で配布されたサンプル(内容は名探偵コナンの第1話“ジェットコースター殺人事件”)をゲームボーイアドバンス/ゲームボーイアドバンスSPに装着してみたのが以下の写真。アダプターは長さ55mmで、どちらに装着しても約20mmほど飛び出す。カードを差した状態でアダプターを本体に装着して電源を入れると、自動的にタイトル画面が表示される。Aボタンで再生開始/一時停止、左右で早戻し/早送りとなり、早戻し/早送りは押し続けると1倍/2倍/3倍/4倍速へと加速する。コンテンツによってはチャプターメニューが用意されるとのこと(コナンにはチャプターは用意されていなかった)。

ゲームボーイアドバンスに装着したところ ゲームボーイアドバンスSPに装着したところ
ゲームボーイアドバンスに装着したところゲームボーイアドバンスSPに装着したところ

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