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企業経営の根幹をなす情報資産を安全・確実にバックアップする

2003年10月24日 19時30分更新

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情報は活用されてこそ意味がある。ただ、IT化が進んだ現代社会では、取引先や顧客の情報、個人情報までも電子化され、情報そのものの重要性が極度に高まりつつある。企業にとって情報が最重要な資産となった今、その資産をいかにして管理するか。日々、増え続ける情報を効率的に安全にバックアップする技術の導入が求められている。

情報そのものが価値を持つ時代いかにしてバックアップするか

 高度に情報化された現代社会。今、企業にとって最も重要な資産は、社内に蓄積された「情報」である。企業の競争力を向上させるためのナレッジ、取引先や顧客の情報など「消失してはならない」データが増大し、情報資産の安全な管理や万 Ultra320SCSIに対応し、最大320MB/秒、実効250MB/秒のデータ転送レート、1GB/秒の内部DMA転送レートを実現したディスクアレイシリーズの最上位モデル。12台のハードディスクを備え、480Gバイト~3Tバイトまでの4モデルが用意されている。高速ストレージデバイスとして必要なRAID-0、データの記録に冗長性を持たせたRAID-3/5などニーズに合わせてモード設定できるのが特徴。RAID-0モードなら12台のハードディスクにデータを分散して記録できるため高速にデータのリードライトが可能。大容量データを扱う際に作業時間を大幅に短縮できる。RAID-3/5モードは、1台のハードディスクが停止しても残りのハードディスクでホストとのアクセスを継続し、冗長性を保ちながらデータ記録ができる方式。業務システム用ストレージデバイスとして利用できる。また、RAID-10モードは12台のハードディスクを「6台×2セット」に分け、1セットでストライプしながらミラーリングを行う。1セットが読み出し不能になっても、残りの1セットでデータ処理が可能だ。システム稼働を維持したまま障害ハードディスクを交換できるホットリプレイス機能、交換したディスクに自動的にデータを再構築するオートリカバリ機能も装備し、リカバリ中にシステムを停止する必要もない。1台分のディスク容量をスペアディスクに設定し、障害時にスペアディスク領域にリカバリする機能などパフォーマンスに優れている。が一のトラブルのためのバックアップシステムの構築は企業にとっての最も重要なビジネスインフラとなった。

 こうした中、多くの企業が導入しているのが、RAIDシステムである。RAIDシステムとは、複数のディスクを並列して多重化し、同時にデータを処理することで読み書きする速度を高速化するシステムである。データ処理の高速化という側面だけではなく、複数のディスクにデータが格納されることで、ひとつのディスクが故障した場合でも、その他のディスクから必要なデータを呼び出せる「冗長性」が確保されている。つまり、重要なデータを確実にバックアップしてくれるシステムなのだ。

 RAIDシステムにおけるデータのバックアップの方法は、ひとつのデータを複数のハードディスクに分散して書き込む「ストライピング」、同じデータを複数のハードディスクに書き込む「ミラーリング」に大別され、これらの方法にデータのエラーを検出して補正する「パリティー」と呼ばれる機能も付加される。RAIDシステムには、従来、信頼性の高いSCSIタイプのハードディスクを採用した製品が主流であったが、現在ではハードディスクの信頼性の向上とRAIDコントローラーの高性能化によってIDEタイプのハードディスクを搭載したRAIDシステムも利用されている。IDEタイプのハードディスクを採用した製品でも、インターフェースにはSCSIやファイバーチャネルを採用することで、多数のデバイスとの接続が可能となっている。  また、ディスクにハードディスクを利用するのではなく、DVD-ROM/R/RWなどのメディアを利用するライブラリシステムも企業の情報資産をバックアップするシステムとして数多く利用されている。

ストレージ技術を導入し情報資産を守ることは社会的責務

 RAIDシステムやDVD-ROM/R/RWを利用したライブラリシステムは、いわば企業における「情報の格納庫」である。その格納庫をいかにして企業システムの中に取り込むか。そこで活用されるのがストレージ技術である。データを統合管理するために利用されているストレージ技術は「SAN(Strage Area Network)」と「NAS(Network Attached Strage)」に大別さ れる。

 SANは、光ファイバなどのファイバ・チャネルを使ってサーバとディスク装置をつなぐストレージ専用のネットワークで、接続にはLANと同様にハブやスイッチが用いられる。そのため、拡張性が高く、柔軟なネットワークを構築できることが特徴だ。高速データ転送によりデータのバックアップ時間を大幅に短縮できるほか、情報の格納庫とサーバを離れた場所に設置することで地震などの自然災害や停電など不慮のアクシデントが発生した場合でも被害を最小限に食い止めることも可能だ。

 一方、NASは、Ethernetなど企業内でも一般的に利用されているネットワークにRAIDシステムやDVD-ROM/R/RWライブラリシステムを接続する方法である。SANがストレージ専用のネットワークを構築するためにWindowsやUNIX、Linuxなど異機種間でのデータの処理に特別な技術を必要とするのに対し、NASは既存の企業内ネットワークに組み込むため異機種間でのスムースな運用が行える。

 過去には、情報とは企業や個人の業務を支援するものだったが、今では情報そのものの価値が高まり、いかに情報を安全に管理するかが企業経営の根幹をなしているといえる。万が一にでも情報システムが支障をきたせば、企業に致命的な損害をもたらすことは否定できない。大切なのは、重要な情報資産をいかにして「バックアップするか」である。ストレージ技術を活用すれば、企業システムにおいて様々な業務アプリケーションを稼動させながらも重要な情報を自動的にオンラインでバックアップできる。ストレージ技術を活用し、重要な情報をバックアップしておくことは、多くの企業にとって社会的責務になりつつあるようだ。

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