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ThinkPad T40(2373-72J)

ThinkPad T40(2373-72J)

2003年10月20日 03時51分更新

文● 月刊アスキー編集部・中西

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ThinkPad T40(2373-72J)

日本アイ・ビー・エム

27万9000円(IBMダイレクト価格)

これは
プロジェクト“T”だ!

ThinkPad T40 2373-72J 黒川紀章がThinkPadを語る!
Centrinoの搭載で薄型軽量化に成功 魅力を増した最強ビジネスマシン「ThinkPad T40 2373-72J」レビュー(写真をクリックするとレビュー記事に移動します)。黒川紀章がThinkPadを語る!――「早く人間に追いついてみろ!」

 日本アイ・ビー・エム(株)は10月8日、A4スリムノート「ThinkPad T41」を発表した。前モデルにあたる「ThinkPad T40」から続く、この厚さ約1インチのノートPCを開発するにあたって、日本IBMの開発陣には、中島みゆきの歌と田口トモロヲのナレーションが聞こえてきてもおかしくないくらいの苦労があったのだ。

 そこで、日本IBM大和事業所にお邪魔して、ThinkPad Tシリーズ(本文は主にT40)の開発秘話をうかがってきた。



販売面では絶好調のThinkPad T40

後藤史典氏ら
写真1 左から、T40のマーケティング側の担当者 後藤史典氏、企画担当の木下裕之氏、機構設計を取りまとめた中村聡伸氏。
[月刊アスキー編集部(以下編集部)] ThinkPadのラインナップの中で、T40はどういった位置付けなのでしょうか?
[後藤氏] Tシリーズは今回の「ThinkPad T40」から、従来のT30に比べて若干位置付けが変わっています。

 T30は持ち運びには少々不利でした。ですが、T40からは“Xシリーズ”と同じ「ウルトラポーラブル」というポジショニングです。その中で、画面は小さくてもいからより携帯性を重視したいという方にはXシリーズを、携帯性を重視しているれどもパネルは14インチがいい、また常に業界最高のパフォーマンスという点を重視しているという方にはT40をお勧めしています。
[編集部] T40が薄く軽くなって、Xシリーズがなくなってしまうのではないかという不安があるのですが?
[後藤氏] 四半期ベースでみると、2003年の第2四半期の日本での出荷台数が、T40は従来のT30に比べて約2倍になるなど、非常に成功しています。その一方でXシリーズも伸びています。T40がXシリーズの市場を食っているのではないということが、結果からも表われています。
[編集部] T40がこれまでの2倍も売れている要因はなんでしょうか?
[後藤氏] 薄く、軽くなったこと、バッテリ駆動時間が伸びたことでしょうか。また価格的にも、T40はT30と比べて最上位モデルの価格は変わっていませんが、エントリモデルをかなり下げました。T30はすべて無線LANモデルでそろえ、比較的スペックを上にしていたのですが、T40からは引き下げ、お求め安くしました。そういった点も、T40が売れている要因だと思います。

厚さの目標値は
「1インチ」

ThinkPad T40の内部
写真2 ThinkPad T40のキーボードを外し、内部をのぞいてみた。筐体右半分は光ドライブとHDD、左半分に基板が載り、その基板の上に冷却機構が載っている。
[編集部] そのT40を開発するうえでのポイントは何だったのでしょうか?
[木下氏] Tシリーズには高機能、拡張性、業界最先端のファンクションを全部とりこんでいくという思想があります。T40ではこれらの機能・目的を何も犠牲にしないで、どこまで薄く、軽くできるのかに挑戦するところから開発が始まりました。
[小川氏] Tとして薄いものを出したいというのは以前からあったのですが、Mobile Pentium 4では排熱を考えるとどうしても厚くなり、一旦断念した部分もありました。ですがやはり薄くなければいけないということで、開発を始めたという経緯があります。
[編集部] それは、やはりPentium Mがきっかけなんでしょうか?
[松島氏] Pentium Mがきっかけですが、これを使ってどこまで薄くできるのかというプレッシャーにもなりましたね。
[編集部] 薄くする上での目標値は?
[木下氏] 目標は「1インチ」でした。
[編集部] 1インチという数字はどのように決まったのですか?
[木下氏] コンセプトを決めるときには、最初からかなり議論しましたからね。
[中村氏] 私はこの開発チームに数カ月遅れて入ってきましたが、そのときには「1インチで決まっていますから」と(笑)。T30と同じように設計したのでは、強度や剛性、使用感など、同じ品質にできません。“1インチ”ということに対し、私は初めは「これはできない」と思いました。1インチとはいったい誰が決めたのだと(笑)。
[木下氏] そこはチャレンジだったわけです(笑)。


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