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ワコム、コンシューマー向けタブレット“FAVO”の新製品を発表――「ここ数年でデジタルペーパーの時代へ!!」

2003年09月11日 20時50分更新

文● 編集部

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(株)ワコムは11日、コンシューマー向けタブレット“WACOM FAVO(ファーボ)”の新製品として、A6モデル『F-430』『F-430EX』、A5モデル『F-630』『F-630EX』の計4モデルを12日に発売すると発表した。価格は、『F-430』が1万2500円、『F-430EX』が1万8500円、『F-630』が2万500円、『F-630EX』が2万4500円。全世界で同時発売し、初年度の販売目標は、国内25万台、全世界で75万台。

『F-430』と『F-630』
『F-430』(左)と『F-630』(右)

新“FAVO”で“デジタルペーパー”の時代を目指す

代表取締役社長の小川義水氏
代表取締役社長の小川義水氏

都内ホテルで開催した記者発表会において、代表取締役社長の小川義水氏は、昨年度の連結決算における売り上げ高150億円のうち、タブレット関連が135億円を占めていることを示し、プロ向けの市場では、劇場映画の『スター・ウォーズ エピソード2 クローンの攻撃』や『ハリー・ポッター』、『千と千尋の神隠し』などでも利用されていることや、コンシューマー市場でも、NHK教育テレビで放送されている“趣味悠々”の『とってもやさしい!中高年のためのパソコン講座 パソコンで絵をかこう』でタブレットが利用されている例を紹介。すでに“パソコンの普及”、“デジタルカメラの普及”、画像転送のインフラとしてのADSLなどによる“ブロードバンドの普及”3つのファクター(要因)が揃ったことから、時代は紙に代わる“デジタルペーパー”に向かっており、もはや情報家電でキーボードを使う時代ではなくなったと強調、ここ数年で紙からデジタルペーパーへの移行を目指すとした。

取締役電子機器カンパニー担当の山田正彦氏
取締役電子機器カンパニー担当の山田正彦氏

続いて、同社取締役で電子機器カンパニー担当の山田正彦氏が、タブレットPCのほとんどすべてが同社製のタブレットを搭載していることを挙げ、同社の成長戦略のひとつである“低価格高性能なペン技術をモバイル情報機器へ”を紹介。携帯電話機への採用を推進しており、すでに携帯電話機メーカー数社と協力していることを明らかにした。今後、業界インフラとして、デファクトスタンダードにしたいという目標を示した。

同社のテクノロジー
山田氏が同社のテクノロジーを説明
製品ポートフォリオ
製品ポートフォリオ

デザインに初心者や一般ユーザーの意見も反映

今回発表した新製品は、読み取り分解能を高め、従来の2分の1の0.0125mmにしたA6モデルのほか、読み取りエリアを大きくしたA5モデルをラインアップに加えたのが特徴。従来からのプロのユーザーからだけでなく、初心者や一般ユーザーからの意見も積極的に取り入れて開発したとしており、「リビングスペースにおいても違和感のないデザインを」「ノートパソコンともなじむデザインを」「使用していないときの収納性を考えてほしい」といった声を生かしたという。

“ローズピンク”もラインアップ
全4色で、FAVO初のピンク系モデル“ローズピンク”(左下)もラインアップ

外観は、ペンスタンド一体型だった従来モデルと異なり、ペンスタンドを本体から独立させるとともに、本体奥にコードレスペンを横向きに収納できるようにしたことで、すっきりした、スタイリッシュな印象となった。従来薄いシート状だった読み取りエリアのカバーも、透明プラスチック製のかっちりした厚いものに変更され、タブレットシートのほか、写真などを入れてフォトフレームとして利用することも可能。オリジナルタブレットシートを作成するためのソフト『タブレットシートメーカー』も付属する。ホイール付きコードレスマウスデザインも変更され、底面もフッ素樹脂の小さいシールを貼ったものから、不織布のようなシートをほぼ全面に貼ったものとなり、滑りやすさを保ったまま、滑り過ぎないように工夫されている。

ホイール付きコードレスマウス(FAVOマウス)の底面
ホイール付きコードレスマウス(FAVOマウス)の底面。全面が不織布のようなシートが貼られている。電磁誘導方式のため、ボールもなく、光学式マウスの穴なども開いていない
『F-430』(サテンシルバー)
『F-430』(サテンシルバー)

『F-430』は、読み取りサイズが従来製品『F-410』と同じA6サイズ(127.6×92.8mm)のモデル。読み取り分解能が高くなったことで、手書きの感覚の再現率が高くなったのが特徴。精度は±0.5mm、読み取り速度は最大で毎秒100ポイント。コードレスペンは512段階の筆圧感知機能を搭載しており、逆さにして消しゴム機能を利用することもできる。サイドスイッチはマウスの左右ボタンの機能や各種の機能を割り当てることも可能。インターフェースはUSB 1.1で、USBバスパワーで動作する。消費電流は最大40mA。電磁誘導方式のため、付属のペン(FAVOペン)とマウス(FAVOマウス)に電池などの電源は不要。本体サイズは幅210×奥行き208×高さ17.5mm、重量は400g。本体カラーのバリエーションには“サテンシルバー(S)”“パールホワイト(W)”“マイカブルー(M)”“ローズピンク(P)”を用意する。

対応機種はPC/AT互換機、PC98-NX、Macintosh。対応OSは、Windows XP/2000/Me/98、Mac OS X 10.1.5以降、Mac OS 9.2/9.1/9.0。アプリケーションとして、お絵描きソフト『水彩LITE』、写真プリントソフト『プリプリまろん for WACOM』、フォトアルバムソフト『蔵衛門デジブック for WACOM』など7本が付属する(Windows版)。

『F-430EX』はアプリケーションとして、フォトレタッチソフト『Adobe Photoshop Elements 2.0』と、ペイントソフト『procreate Painter Classic』をバンドルしたモデルとなる。アプリケーションの対応OSは、Adobe Photoshop Elements 2.0がWindows XP/2000(SP2)/Me/98、Mac OS X 10.1.3~10.1.5、Mac OS 9.2/9.1、procreate Painter ClassicがWindows XP/2000/Me/98、Mac OS X 10.1.3以降、Mac OS 9.2/9.1。

プロが使いやすいというA5モデル『F-630』が登場

『F-630』(パールホワイト)
『F-630』(パールホワイト)

今回追加されたA5モデル『F-630』は、プロが最も使いやすいという、読み取りエリアがA5サイズ(208.8×150.8mm)の製品。これまでのB6モデル『F-510』の上位製品となる。読み取りエリアの面積は『F-430』の2倍だが、本体サイズは幅275.5×奥行き256.8×高さ18.1mmで、『F-430』と比べてそれほど大きくなっていないのが特徴。本体重量は800g。分解能や精度、読み取り速度など、読み取りエリアと本体のサイズ以外の基本機能や対応OSはF-430と同等。本体のカラーバリエーションは、サテンシルバー(S)とパールホワイト(W)の2種類が用意される。『F-630EX』は、『F-430EX』同様、アプリケーションバンドルモデルとなる。

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