日本IBM、企業ポータル構築ソフト『IBM WebSphere Portal V5.0』を発売――Lotusメッセージング製品のLinux対応も発表
2003年08月05日 15時29分更新
日本アイ・ビー・エム(株)は5日、イントラネット/エクストラネット向け企業ポータル構築用ソフト『IBM WebSphere(ウェブスフィア) Portal V5.0』を9月29日に発売すると発表した。
WebSphere Portalは、企業内のアプリケーションやコンテンツ、業務プロセス、人とのコミュニケーションを統合することで、適した情報や人へのシングルアクセスポイントを提供するEIP(Enterprise Information Portal)製品。ポータル機能モジュール“ポートレット(portlets)”を利用することで、Windows、UNIX、Linux、z/OSなどのさまざまなプラットフォームで稼動する業務アプリケーションやコンテンツ、ウェブサービスなどをポータル内に取り込むことが可能。
今回のV5.0は、アプリケーションとの統合を簡易化し、業務システムと連携するポートレットを、ウェブ上から選択するだけで作成できる機能を搭載、DB2やOracle、SQL Serverなどの各種データベースからデータを表示し更新するポートレットを作成できる“JDBC Builder”や、Notes/Dominoデータベース用ポートレットを作成できる“Domino Builder”が用意されている。
また、導入手順も簡易化したほか、アクセス権限の付与作業をエンドユーザーやグループの役割単位で行なえるようにするなど管理も容易になりました。さらに、ポータルのユーザーが業務処理中に、テキスト文書やスプレッドシート、チャート等の表示や編集をポータル上で行ないたい場合に利用できる簡易エディター(プロダクティビティーツール)も備えている。
そのほか、Lotusブランドのディレクトリー製品やコラボレーション製品との統合を実現するポートレットとして、人物検索用の“People finderポートレット”、eミーティング用の“Web conferencesポートレット(Lotus Sametime)”、共有掲示板“Team workplaces ポートレット(Lotus QuickPlace)”、在籍確認用の“在席確認ポートレット(Lotus Sametime)”が用意される。
対応プラットフォームは、Windows 2000、Linux Intel、AIX、Solaris、Linux for zSeries。なお今後Windows 2003、OS/400、z/OSにも対応する予定という。価格は、基本パッケージ『IBM WebSphere Portal Enable V5.0』が1147万9000円、Enableの全機能に加えコラボレーション機能を備えたパッケージ『IBM WebSphere Portal Extend V5.0』が1849万4000円、中小規模ポータル構築向けパッケージ『IBM WebSphere Portal Express V5.0』が21万8800円。
なお同社は、今回の発売に伴い、ビジネスパートナーが既存のアプリケーションパッケージをWebSphere Potalに統合できるように推進する“WebSphere Potal コンソーシアム”を設立すると発表した。同コンソーシアムは、技術情報の提供や、東京/渋谷のSWCOC検証センターでの検証、セミナーなどを実施するという。
Lotusメッセージング製品のLinux対応版を第4四半期に発売
また同社は、LinuxのサポートをLotusメッセージング製品に拡大するとし、Lotusのウェブメールクライアント『Lotus iNotes Web Access』Linux対応版と、IBM zSeries上で稼働する『Lotus Domino for Linux』を発表した。これにより、LinuxクライアントのウェブブラウザーからiNotes Web Accessを利用できるようになり、インターネット経由でLotus Dominoのメール、カレンダー機能、スケジュール機能、複製、業務アプリケーション機能などにアクセス可能となる。
『Lotus iNotes Web Access』Linux対応版および『Lotus Domino for Linux』は、Lotus Notes/Domino 6.5製品群の一部として、第4四半期に発売される予定で、同社は、価格や他のプラットフォームのサポート、発売日などの詳細は後日発表するとしている。